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2015年4月26日日曜日

2013年初頭、世界における100ドル紙幣の残高は8620億ドル、500ユーロ紙幣は2900億ユーロであり、双方とも金融危機が始まってから急増した。
しかし、これらの高額紙幣が何処にあるのかを正確に知るのは困難になっている。
アメリカの推算によると100ドル紙幣の7割はアメリカ国外にあるという。
しかし、100ドル紙幣が大量に流通しているは、ヴァージン諸島よりもアルゼンチンやロシアであることは分かっている。
同様に500ユーロ紙幣の大半はスペインにある。
従って、タックス・ヘイブンにある流動性が、全体で3000億ユーロを超えることはない。
ルクセンブルク籍の投資ファンドの時価評価額は、2013年初で2兆2000億ユーロだった。
これに対し、世界中の国の資産に計上されているルクセンブルク籍の投資ファンドの総額は、1兆2000億ユーロしかなかった。
つまり1兆億ユーロの資産が、持ち主不明なのである。
世界的な資産と負債の不均衡の大部分は、こうした事情が理由である。
ちなみに、2013年の世界の資産と負債の不均衡は、4兆8000億ユーロに達している。
タックス・ヘイブンにある金融資産(2013年)
世界の金融資産 73兆ユーロ
オンショアで保管されている金融資産 67兆2000億ユーロ
オフショアで保管されている金融資産 5兆8000億ユーロ
→うちスイスで保管 1兆8000億ユーロ
→その他(シンガポール、ケイマン諸島など) 4兆ユーロ
スイス国立銀行の統計資料(2013年秋)
<スイスで保管されている非居住者の資産>
1兆8000ユーロ
→オフショア資産全体の3分の1に相当
<銀行口座の所有者>
・ヨーロッパ 1兆ユーロ
ドイツ  2000億ユーロ
フランス 1800億ユーロ
イタリア 1200億ユーロ
イギリス 1100億ユーロ
スペイン  800億ユーロ
ギリシャ  600億ユーロ
ホルトガル 300億ユーロ
その他  1600億ユーロ
ペルシャ湾岸諸国  1800億ユーロ
アジア諸国     1800億ユーロ
ラテンアメリカ諸国 1700億ユーロ
アフリカ諸国    1200億ユーロ
北米         900億ユーロ
ロシア        500億ユーロ
<運用先>
ルクセンブルク籍の投資ファンド 6000億ユーロ
アイルランド籍の投資ファンド  1500億ユーロ
世界の株式           4000億ユーロ
世界の債権           4500億ユーロ
その他(定期預金、他ファンド)   2000億ユーロ
タックス・ヘイブンは互いに競合してきたというよりも、実際には資産運用業務の各段階において、互いに業務を特化させている。
証券の保管だけがスイスの銀行の業務であり、それ以外の業務はルクセンブルク、ヴァージン諸島、パナマなどに移転しており、国際的な資産管理の大掛りな仕組みを取り、互いに共存共栄している。
投資ファンドはスイスには殆どなく、大半はルクセンブルク、アイルランド、ケイマン諸島という3つのタックス・ヘイブンに籍を置いている。
投資ファンドの残高では、人口50万人の小国であるルクセンブルクが、アメリカに次いで世界第2位になっている。
ヘッジファンドの大半は、ケイマン諸島に逃避した。
ケイマン諸島では、投機的ポジションに対する規制が極めて緩いからである。
1998年からスイス国立銀行が毎月発表している統計資料がある。
スイス以外の国で、このような統計データを作成している国はない。
2013年秋に発表されたスイス国立銀行の統計によると、スイスにある外国人資産は1兆8000億ユーロにのぼる。
そのうち1兆ユーロはヨーロッパ人の資産であり、これはEU諸国の家計の金融資産の6%に相当し、史上最高の割合となっている。
近年、スイスのタックス・ヘイブンが廃れたというのは、全くの時期尚早であり、今日ほど繁栄している時期はないといえる。
2009年4月にロンドンで行われたG20首脳会合で「銀行の秘密業務の時代は終わった」と宣言されてから、スイスの外国人資産総額は14%も増加している。
1974年にアメリカ財務省による最初のスイスに対する本格的な調査が行われた。
調査結果から、世界人口の0.1%を占めるに過ぎないスイスは、アメリカの全スぶ式の3分の1を保管しており、それらの株式の所有者は外国人だった。
なかでもイギリス人15%、カナダ人15%、フランス人7%、ドイツ人3%が目立った。
それまでアメリカ財務省は、このような実態を量的に把握できなかった為、それら全てをスイスの資産として計上していた。
この調査により、スイスは世界の資産の保有者ではなく管理人であり、実際の資産ではないことが明らかになった。