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2016年1月16日土曜日

NPOのタックス・ジャスティス・ネットワーク(TJN)によると、タックス・ヘイブンに秘匿されている資金量は、21兆から32兆ドルと推計されている。
ちなみにOECDが主要国のGDPを合計したデータによると、世界経済の規模は70兆ドルである。
GDPはフローであり、TJNのデータはストックであるので、単純に比較することはできないが、アンダーグラウンド経済の資金量の大きさは理解できる。
無国籍企業の節税と租税回避スキームを考案するために、極めて優秀な頭脳を誇る弁護士や会計士等の多くの専門家が、企業の納税額を減らすために動員されているる。
米国のロー・スクールやビジネス・スクールの租税法の授業では、いきなり節税法の講義から始まるという。
そして全体の講義のうち半分は節税策の話に費やされるという。
霞が関の官庁は、政策官庁と事業官庁とに大別される。
事業官庁とは予算を大量に使用して所管領域の事務を遂行していく官庁で、国交省、農水省、厚労省の三省が代表となる。
近年の予算規模の大きさでいえば、厚労省の社会保障費が圧倒的である。
日本でも戦前には、民政党と政友会との二大政党時代があり、英国スタイルの政権交代があった。
当時の霞が関では、二大政党のそれぞれに付いて省内を二分する派閥抗争もあり、熾烈を極めたという。
年金制度を解説する本に必ず掲載されている「三階建ての年金構造」の図がある。
この三階構造は、既に破綻して持続可能性がなくなっている国民年金の実態を隠すために、作りだしたフィクションであり、日本の年金保険の実態を反映したものではない。
本来、全く別の制度として存在していた厚生年金と共済年金に負担を押し付けて、国民年金に財政補填をしているのが実態である。
公的年金制度には、ビスマルク型とベバリッジ型に2分類される。
ビスマルク型は職域別に年金保険を設けるタイプで、ベバリッジ型は国民を一律に1つの年金制度に組み込むタイプである。
日本の年金制度は、本来、国民年金、厚生年金、共済年金が分立するビスマルク型だった。
しかし国民年金が積立金不足で破綻が明らかになった事に気づいた厚生官僚は、厚生年金と共済年金の積立金を取り崩して国民年金に補填するのを隠す為に、ビスマルク型からベバリッジ型に年金制度が切り替わったこのように見せかけることにしたのである。
新たに「基礎年金」というものを持ち出し、1985年改正前の「国民年金」と変わりがないようなことを言いながら、出して来たのが「三階建ての年金構造」の図で、「国民年金」という名を借りた「基礎年金」というものをベースに、「これを全国民に対する最低保障にし、厚生年金や共済年金は上積みする分」と説明した。
更には「基礎年金」の原資の半分程度に公的資金である税金が投入されおり、年金の財源は保険料と税金が混在し、負担と給付が正確に紐づけできなくなっている。
日本の社会保障制度が抱えている巨大な簿外債務の全体像は、30兆円という一般会計の社会保障関係費の表面上の数字を見ているだけでは分からない。
一般会計には計上されていない実際の社会保障費は支出ベースで既に100兆円を超えており、これが毎年3~4兆円ずつ増えている。
一般会計以外にも支出があるのは、「年金特別会計」という別の財布があり、保険料や自治体負担分を集めてから給付しているからである。
これは国民年金の破綻を厚生年金と共済年金に負担させるカラクリであり、年金特会を通すことで、国民は自分が支払った年金保険料と自分が受けられる給付との紐づけができなくなる仕組みになっているのである。
また、社会保険全体を積立方式で貫徹した場合の計算結果による推定だと、資金附則の実数は1500兆円ということになる。
公表されている1010兆円の政府長期債務残高とは、別に膨大な簿外債務が存在しており、さらに増えづけているのは間違いない。
日本の社会保険制度は、既に破綻しているのである。
特別会計予算の歳出総額は、2013年度予算で386兆円、
会計間相互の重複計上がくを除いた純計額は185兆円である。
これに対して一般会計の規模は96兆円だから、その2倍にあたる規模になる。
特会のうち大口のものは、国債償還費等が84兆円、社会保障給付費が58兆円、地方交付税交付金等が20兆円、財政融資資金への繰り入れが12兆円と、桁違いに大きな額となっている。
この特会が存在することで、税と対価関係の不明瞭さも歳出入予算制度の複雑さに乗じて、財政の全体像が極めて不透明なものになっている。