野蛮人の備忘録
書籍や雑誌を読んで、知り得た事を備忘録としてメモしています。
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2016年3月21日月曜日
不動産価格は、2つの法則性に基づいて変動する。
1つは「需要と供給の関係」で、需要が供給を上回れば価格は上昇する。
もう1つは「経済成長」であり、経済が成長しているエリアの不動産価格は上昇している。
つまり、近未来的に日本全体で不動産価格が急落する日がやってくる可能性は高い。
日本の不動産の特徴的な脆弱性の一つに、賃貸市場の強い余剰感があり、賃貸住宅はかなりの供給過多状態にある。
不動産ポータルサイトの「ホームズ」が公表している賃貸住宅の空室率(2016年2月)を見ると、東京都の千代田区が36%、中央区が27%、目黒区が28%と高い数字となっている。
マンションは新築・中古ともによく売れているのに、賃貸市場が低迷している理由は、賃貸市場には自分が住む為にしか借りないという実需しか存在しないからである。
新築・中古マンションのように、投資目的で買っておくという需要がなく、住む世帯数しか需要が生まれないので、それ以上の供給があると物件は余るしかないのである。
2014年3月の日銀による質的量的緩和の開始、2014年10月の黒田バズーカー第2弾、さらには2016年1月のマイナス金利導入により、市中銀行は不動産市場への融資先をより一層模索している。
こうした「お金が余って仕方ない」という状況は、1991年に崩壊した平成バブルとよく似ており、平成バブルでは余剰資金が向かった先は日本全国各地の不動産だった。
しかし大きく違う点は、今回は「地域限定」だという点である。
2013年~2015年にかけて不動産価格が上昇したのは、東京都心と神奈川県の一部、仙台市全域、京都市の一部、福岡市の一部など地域が限られており、面積比でいえば日本全体の2%にも満たないエリアで起こった「地域限定バブル」なのである。
逆に、他の98%以上のエリアでは、住宅価格は下落し続けている。
日本のマンション史上における過去最大の欠陥マンション事件は、多摩ニュータウンの「ベルコリーヌ南大沢」という団地で、46棟(919戸)全てが欠陥マンションだった。
分譲されたのは1889年~1993年にかけたバブル絶頂期で、当時の分譲価格は5000万円~7000万円だった。
さらに80倍という抽選に当たった幸運な住民が、入居したら雨漏りに結露、手で触っただけでコンクリートが崩れるという欠陥物件だったのである。
分譲したのは当時の住宅・都市整備公団で、最初は「設計図書は紛失した」という不誠実な対応をしていたが2002年に大問題となり、国会でも取り上げられた。
住民らは粘り強く交渉を重ね、46棟中20棟が立て直しが決定し、その後現在では全ての立て直しが完了している。
しかし、この間の交渉で疲れた3分の1以上の住民が、諦めて去っていったという。
この欠陥具合は姉歯事件の耐震偽装を上回るレベルで、あるべき耐震基準の58%しかなかったという。
この団地の対応で、住宅ろ都市整備公団が最終的に対応に投じた費用は600億円とも言われている。
迅速な対応をしていれば、普通に919戸を建替えたとして、当時の建築費相場にすと140億円程度で、引っ越しや仮住まいの費用を負担しても200億円で済んだと言われている。
財閥系ゼネコンが売主の物件だからといって、誠実な対応をしてもらえるとは言えない。
三井不動産が千葉県浦安市で開発・分譲した戸建て住宅が、東日本大震災による液状化で傾斜してしまったケースがある。
30年前以上に分譲されたが、道路1本隔てた公団の分譲地は液状化していないのに、三井不動産の分譲地だけが液状化して家が傾いてしまい、更には液状化で埋め立てに使ったとみられるごみが地表に出てきてしまった。
隣接地を開発した公団は液状化を予測して、サンドコンパクション・パイル工法による地盤改良工事を行っていたが、三井不動産は地盤改良工事をやっていなかった。
住民は三井不動産に補償を迫ったが、芳しい回答を得られず、次々と訴訟を起こした。
三井不動産はそれら全ての訴訟を受けて立ち、優秀な弁護士団を結成して「分譲当時は液状化を予想しえなかったし、当時は地盤改良は義務化されていなかった」と主張を展開し、20014年から2015年にかけて一審、二審の判決でいずれも住民側が敗訴し、見事に三井不動産は責任を逃れている。
住んでから発覚する新築分譲マンションの申告な欠陥といえば、雨漏りと傾斜である。
これらの欠陥は住んでいれば誰でも分かるので、すぐに管理組合で大問題となり、その後、管理会社を通じて親会社である売主のディベロッパーに報告される。
補修工事費は全てゼネコンの持ち出しになるので、何かと理由をつけて工事負担を逃れようとしたり、ミスを認めず有償工事に持ち込もうとする。
ゼネコンが施工ミスを認めなければ、無償の補修工事にはならない。
そして、紛糾した結果、管理会社から管理組合の理事会に必殺の決めゼリフが言い渡される。
「あまり問題を大きくすると、マンションで欠陥工事があったという噂が世間に広まり、資産価値に影響が出ますよ」
と言われれば、泣き寝入りして自己負担による補修工事に同意せざるを得なくなる。
このように欠陥工事であるにもかかわらず、世間に知られることなく生息するマンションが無数に存在するが、統計データは一切ない。
新築マンション100物件のうち1~2件は欠陥工事が発生しているという。
2015年10月に発覚した「パークシティLaLa横浜」の傾斜問題では、2007年に完成した全4棟705戸の建物の杭が支持基盤に達していなかった。
4棟のうち1棟が、下の建物と比べて手すりの結合部分にズレが生じていることを不審に思った住民かせ、売主の三井不動産レジデンシャルに調査を数年前に求めていたが、「東日本大震災の影響」としてうやむやに済まそうとしていたという。
2.4センチ程度の傾斜は、1999年に定められた「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)を元に作られた建設省通知による「技術的基準」の許容範囲であり、通常の生活には殆ど影響しないレベルとされている。
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