Amazon

2016年3月11日金曜日

人間にとって最も非人間的なことは無関心である。
By 辺見庸

2016年3月10日木曜日

2015年で佐藤優氏が職業作家になってから丁度10年になったという。
佐藤氏が、職業作家になって上梓した本が、単著だは文庫化されたものも含めて100冊を超えている。
対談本や共著を含めると200冊を軽く超えているという。
1938年秋に、29歳で獄死した鶴彬はこんな川柳を詠んだ。
手と足をもいだ丸太にしてかへし
万歳とあげて行った手を大陸へおいて来た
こうした壮絶な反戦川柳を作って逮捕された鶴の死には、官憲による赤痢菌注射説まで噂された。
蟻食いを噛み殺したまま死んだ蟻
蟻食いを蟻が噛み殺すことなどあり得ないが、鶴の短くも壮絶な生涯は、その有り得ないことが有り得たかのような感じである。
ヨーロッパの食糧自給政策は、伝統的に根付いている。
ユーロという共通通貨を持っているのだから、EU全体で役割分担ができるようになっているのに、未だに各国ごとに自給政策を取っている。
ヨーロッパの歴史は、戦乱の歴史であり、食糧争奪戦だもあったのである。
だから自分で食うものを持たないと、隣国から警戒される。
自分で食うものを持っているということは、隣国を攻めませんという意思表示だという。
山本七平の次の逸話を知っておく価値がある。
山本は戦後、米軍関係の施設で働いていて、上官から「おれは南部人なんだけど、ダーウィンの進化論を信じている。お前は、進化論を知らないだろうけど」と言われた。
それで、山本は「日本人はみんな進化論を知ってますよ」と返した。
すると上司はびっくりして、「お前ら進化論を知っているのに、天皇を神様だと思ってたのか!?」と呆然としたという。
読売新聞の渡辺恒雄は、同じく老害の中曽根康弘に、自分の墓の碑文を頼み、「終生一記者を貫く 渡辺恒雄碑」と書いてもらっているという。
無類のクラシック好きの渡辺は、自分の葬儀を音楽葬にと考えており、選局も決まっており、70分余りのテープが作成済みという。
ベートーヴェンの「英雄」第二楽章、ショパンのピアノソナタの「葬送行進曲」、バーバーの「弦楽のためのアダージョ」、シベリウスの「悲しいワルツ」、グリークのペールギュント組曲の「オーゼの死」、チャイコフスキーの交響曲六番「悲愴」第四楽章などを繋げて作ったものだという。
しかし読売の中には、ベートーヴェンの「歓喜」を密かに歌いたいと思う人が少なからずいるだろう。
かつて東芝は、府中工場で「村八分裁判」を起こされている。
府中工場で働く上野仁に対して、会社が労働組合と一緒になって人権侵害と村八分を繰り返し、たまりかねた上野が訴えたのである。
これが上野ひとりに対する問題ではなく、とにかく「変わった考え方」をする人間を許さないという社風は、1974年春に結成された東芝の秘密組織「扇会」を調べると、よく理解できる。
企業内CIAと呼ばれた、このスパイ組織の実態は、上野裁判の過程で明らかになり、東芝を慌てさせた。
組合執行部を「健全派で固める」とか、配置転換について「応じるという結論を出さねば職場におられないムードを作る」ために努力すると誓っている扇会の文書には、「問題者への対応」という章があり、「問題者」を判断するポイントを挙げている。
まず、職場での徴候判断のポイント。
・企業内(職場)では、行動に空白部分が多く、昼休み時、就業後の行動が見当つかない。
・自主的な傾向が強くなり、職制に対する協調性が弱くなる。
・就業規則等をよく知り、有給休暇、生理休暇の全面行使など、権利意識が強くなる。
・朝のお茶くみ、掃除、その他のサービス労働に抵抗するようになり、奉仕的な美徳をなくする方向に力を入れる。
・特別な理由もないのに、特定日の残業をしない。
・昇給時に同僚の昇給を聞いて歩いたり、上司、会社の査定について職制にいろいろ問い質す。
問題者を発見するためのポイントは多岐にわたり、それを思われる人間がいると、1800余名の会員でスタートした扇会のメンバーが尾行したりして、その結果を「本社勤労部」に通報するのである。