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2017年8月1日火曜日

古代ギリシャには、時間を表す言葉が「クロノス」と「カイロス」の2種類あった。
クロノスは白髪の老人の姿で表され、時計の針の動きそのままの時間を意味している。
我々が普段使っている時間だと思えばよい。
一方、カイロスは「今だ」と感じるタイミングのようなものを指す。
クロノスが量の問題であるのに対して、カイロスは質の問題である。
カイロスを感じることができるのは、今この瞬間を生きている時だけである。
我々には「今」しかない。
未来や過去は想像の中にあるだけであり、我々の行動が何らかの力を持つのは、今ここにおいてだけである。

2017年7月31日月曜日

イギリスは北海油田の発見によって、1980年に油石輸出国となり、その後の10年間で2500億ドルの相当の大金を手に入れた。
その資金を何に使ったのかは諸説あるが、確実なのはお金を使って消費してしまったということである。
一方、イギリスと同様に石油の発見で、大金を入れたノルウェーは、基金を設立して収入の大半を運用に回した。
現在、その価値は7200億ドルにも達し、世界でも最大級の政府系ファンドとなっている。
毎年アカデミー賞の季節になると、世界中で作品賞の予想で盛り上がるが、作品賞の陰に隠れて、目立たない「アカデミー編集賞」というものがある。
1981年以来、作品賞をとった作品はほぼ例外なく編集賞にもノミネートされている。
実際に、編集賞と両方ノミネートされている場合、3分の2は作品賞を獲得している。
アカデミー賞の歴史の中で最も尊敬されている編集技師は、マイケル・カーンという人物である。
彼が手掛けた映画は、『レイダーズ/失われたアーク』『プライベート・ライアン』「シンドラーのリスト』など数々の超有名作品を編集している。
スティーブン・スピルバーグの監督作品は殆ど全てカーンが編集している。
それなのにカーンの名前を知っている人は少ない。
編集の仕事が「目に見えないアート」と呼ばれる所以である。
ノーベル賞を受賞した心理学者のダニエル・カーネマンが、いったん所有してしまうと失うのが怖い「授かり効果」に関する実験をしている。
カーネマンは、ランダムに選んだ被験者の半数にマグカップを与え、残りの半数には与えなかった。
マグカップを貰った所有しているグループには「いくら払えばそのマグカップを手放すか?」と質問し、残りの所有しないグループには「そのマグカップを手に入れるのにいくら払うか」と質問した。
その結果、所有するグループが最低でも5ドル25セントだったのに対して、所有しなかグループの答は2ドル25セント~2ドル75セントに留まった。
所有しているという理由だけで、何の変哲もないマグカップの価値が3ドル分も高く感じられるのである。
人は何の訳に立つ訳でもないのに、所有しているという理由だけで、失うのがもったいないと感じてしまう。

2017年7月29日土曜日

全部やろうととするうちに、私達は知らず知らず何かを失っている。
自分の時間とエネルギーを何処に注ぐかを決められずにいるうちに、誰がが私達のやるべき事を決めてしまう。
そして思考停止に陥り、自分にとって何が大事なのか分からなくなる。
自分で選べない人は、他人の言いなりになるしかない。
自分に正直に生きるというのは、単にわがままになることでは無い。
不要な事を的確に見定め、排除していくことだ。
その為には、無意味な雑用を断るだけでなく、魅力的なチャンスを切り捨てる事も必要になる。
やる事を減らし、人生をシンプルにして、本当に重要な事だけに集中するのである。
ジム・コリンズは、著書『ビジョナリーカンパニー』で、成功した企業がいかにして衰退するかを分析した。
成功した企業が失敗する理由は、多くを求めすぎて規律なき拡大路線に陥ってしまうからだという。
これは個人にも当てはまる。
成功を経験した人は何でもやろうとしすぎて、そもそも何をやっていたかを忘れてしまう。
優秀な人ほど成功のパラドッグスに陥りやすい。
第1段階
目標をしっかり見定め、成功へと一直線に進んで行く。
第2段階
成功した結果、頼れる人という評判を得る。「あの人に任せておけば大丈夫」と言われ、どんどん多様な仕事を振られるようになる。
第3段階
やる事が増えすぎて、時間とエネルギーがどんどん拡散されて行き、疲れるばかりで全てが中途半端になる。
第4段階
本当にやるべき事ができなくなる。
成功したせいで、自分を成功に導いてくれた方向性を見失ってしまう。
何とも奇妙な話で、成功を求める事によって、人は失敗してしまうのである。
書くことは人の仕事だが、編集は神の仕事だ。
by スティーブン・キング