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2014年5月8日木曜日

日経新聞 2014/5/8

【マニラ=佐竹実】米格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8日、フィリピンの国債格付けを「トリプルBマイナス」から「トリプルB」に格上げしたと発表した。サービス輸出の増加などを背景とする経常黒字や、外貨準備の多さが評価された。同社は昨年5月、アキノ政権の財政再建策を評価して比国債を投資適格のトリプルBマイナスに格上げしていた。

 比では大統領の再選が禁止されているため、2016年の大統領選挙でアキノ政権が終わることをリスクと見る向きがある。だがS&Pは「現政権が進める多様な行政改革路線は、次の政権になっても継続するだろう」と指摘している。

 フィリピンは海外出稼ぎ労働者からの送金やコールセンターなどのサービス輸出産業に支えられ、13年の国内総生産(GDP)は7.2%成長した。S&Pなど大手格付け3社は同年、フィリピンを投資適格に格上げしている。