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2016年11月5日土曜日

2015年8月に、みずほ総合研究所がシュミレーションした結果、このままインバウンドが激増した場合、2020年の時点で東京・大阪・京都など11都道府県のホテルの部屋が4万1千室不足するという。
北海道旭川市では、インバウンドが押し寄せ、2014年には8万6200人が市内のホテルや旅館に宿泊した。
国内の日本人観光客は週末が中心なのに対して、インバウンドは平日にも宿泊するので、ビジネスホテまでもが満杯となり、夏期には稼働率9割を超えている。
このため、インバウンド需要に対応して、旭川市では2015年から2016年にかけて、JRイン、ホテルラッソ、ルートインの3棟のホテルが新規オープンしている。
インバウンドが激増している要因としては3つある。
1.アジア諸国で海外旅行ができる中間所得層が激増してきた。
中国では旅行や教育に投資できるアッパーミドル層(年収1万5千ドルから3万5千ドル)と富裕層が、合わせて2009年の1億人から2015年には3億人へ激増し、2020年には6億人まで増える見通しとなっている。
またASEAN5カ国でも同様に、アッパーミドル層や富裕層が合わせて2009年の4千万人から2015年には1億人に、2020年には1億8千万人となる見通しとなっている。
2.日本政府がビザ要件を緩和した。
2010年に中国の慣行ビザの発給要件が年収25万元(450万円)から6万元(108万円)まで引き下げられ、2015年には有効期間中の数次渡航に対する制限も緩和された。
3.円安になった。
中国人民元と円のの交換レートが2012年には1元=12円台だったのが、2016年1月には1元=18円となり、4割も元高円安となった。
熊本地震の影響があったにもかわらず、2016年は1月から5月にかけて前年同期比で3割増えている。
ビジネスホテルの場合、1室の宿泊原価は2000~2500円であるという。
稼働率が7割あれば、売上は4千円×7割で2800円となり、減価が1室当り2000円ならば、800円儲かることになる。
ホテルは1日24時間、365日稼働しており、寝泊りする客の滞在時間が長く、オフィスに比べて建物内部の消耗がとても激しいため、改装にコストがかかる。
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会が、過去に固定資産税の減免を政府に求めたことがあるが、これはホテルという建物の消耗が激しく痛みやすいからである。