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2015年5月16日土曜日

ローマ人が自ら持っていない才能を有する存在を、誰でも神にしてしまったので、古代ローマには30万と言われるほど、多くの神々がいた。
日本にも八百万の神は日本の中で自然増殖していったのに対して、ローマ人は征服した民族の神々まで受け容れたから増えていった。
15年かけて執筆された『ローマ人の物語』(全15巻)が2006年12月に完結した。
紀元前753年のロムルスによるローマ建国から、東西分裂後の西ローマ滅亡を経て、東ローマ帝国の皇帝ユスティニアヌスが死去する紀元565年まで、1300年の歴史が描かれている。
単行本と文庫本合わせて、執筆していた15年間で775万部売れたという。
大正末期から昭和初期にかけて活躍した葉山嘉樹というプロレタリア作家がいる。
数年前から『蟹工船』がブームになっているが、葉山の代表作である『海に生くる人々』はやはり船員の過酷な労働を描いた作品で、『蟹工船』より3年前に発表されている。
『蟹工船』では労働者が群れとして描かれているが、葉山は実際に船員として働いていた事があり、『海に生くる人々』の方が、細かい所にリアリティがある。
小林多喜二は明らかに先行する葉山の作品を読んだ上で『蟹工船』を書いており、船窓から見える暗い冬の海の描写など、偶然の類似では済まされない箇所があり、完全にパクリ作品である。
プロレタリア文学が日本共産党系と非共産党系に分かれた時、小林多喜二は共産党系に就いたが、葉山嘉樹は非共産党系に就いた。
戦後になり共産党系だけが正しいということで、葉山は歴史から抹殺されてしまい、今や全く忘れ去られた存在になっている。
沖縄に関して、日本政府が触れたくない条約として、「琉米修好条約」「琉仏修好条約」「琉蘭修好条約」の3つがある。
日本になる前に琉球が独立した王朝として、アメリカ、フランス、オランダと各々条約を結んでいたのである。
つまり、少なくともアメリカとフランス、オランダは、琉球を独立国家として認めていたのである。
この条約の3つの原本が、なぜか東京の外交史料館にある。
首里城を開城する時に無理やり持ってきたのである。
日本政府は、2006年9月に、鈴木宗男氏が国会に復帰した最初の質問書に対して、当時の安倍晋三総理の名で、「沖縄がいつ日本に組み入れられたか明確に言えない」と答弁している。
総理大臣官邸は、朝一番でその日のニュースを取りまとめたファックスが届く。
外務省がまとめたもの、内閣情報調査室(内調)がまとめたもの、それから各通信社がまとめたものと、殆ど同じ内容のものが三種類もくるのである。
誰かが一つにまとめればいいのだが、役所の縄張りがあり、それができないのが日本の霞が関文化なのである。
内調は各省庁からの出向者の集まりで、プロパー職員を育成しなければならないと言われ続けている。
世界中を見渡しても、首相に直結した諜報機関で、160人も人員を抱えている国は日本の内調だけであり、外郭団体の世界政経調査会を合わせると300名近い陣容で、人工衛星まで持っている。
戦前の日本のインテリジェンス能力はなかなかのものだった。
戦時中には、スペイン公使の須磨弥吉郎が中心となった「須磨機関」による対米諜報工作の成果は大きく、原爆の開発情報などの情報が多く入っている。
特に戦前、日本が米国内に構築したスバイ・ネットワークをスペインが引き継いだ「TO作戦」が面白い。TOとは「盗」と「東」をひっかけて作った言葉である。
日本のスバイがワシントンのスペイン外交官に情報を提供し、それがマドリッド経由で東京に届いていた。
小渕恵三首相のインテリジェンス能力は非常に高かった。
そもそも本格的なインテリジェンス組織が必要だと言い出したのも小渕首相だったという。
その背景には、小渕首相の叔父の岩太郎氏から若い頃に薫陶を受けて、海外を回っている。
岩太郎は陸軍中野学校出身でゾルゲのグループを摘発した「ヤマ機関」の関係者に、色々と情報について教えていたという。
ブーチンはKGBの出身だが、政治的な画策ができる地位まで行けず、退役した時はまだ中佐だった。
モスクワの町で警棒を持って駐車違反の取締りをしているのが大佐クラスなので、プーチンの出世は遅かった。
中佐が国家元首になるなどという事は、かつてのKGBやソ連軍の歴史からは考えられないことが起きているので、プーチンは今一種の神かかりになっているのであ。
北朝鮮情報を得るのに、東京は最高の場所である。
例えば、北朝鮮の要人リストか欲しい時に、韓国の国家情報院でもらうより、丸善や紀伊国屋で売っている『朝鮮民主主義共和国組織別人名簿』(ラヂオプレス社)の方が正確である。
しかも毎年新版が出ているので、全部買えば時系列で要人のポストの変遷が分かる。
この調査を自前でやろうとしたら、委託研究で5~6千万円かかるものが、東京に来れば10万円で手に入る。
また、神保町には「レインボー通商」という本やがあり、北朝鮮からの流出本を売っている。
店主が中国の延辺で買い付け、リュックサックで担いできた物だが、この本屋はインテリジェンスの業界関係者の間で、国際的によく知られているという。
同時に北朝鮮側も、この本屋の利用価値に目を付け、伝えておいた方がいい事はレインボー通商を介して、自然と然るべ所に伝わるようになっている。
レインボー通商で売られている『金日成著作集』や『露朝事典』の後ろに四角いカッコに入った数字とマル数字がハンコで押してあり、おそらく原簿があって、どこに流したものかが分かるようになっている。
エリツィンはKGBと戦争をして、2度KGBに殺されかけている。
その後、エリツィンは権力を握ったあと、KGBを潰すつもりだった。
側近グループはインテリジェンス体制が完全に崩壊するのを避けるために、KGBを対外諜報庁と連邦保安省に分割するが、エリツィンの怒りの他さきは国内担当の保安省に向かい、防諜庁、連邦保安庁(FSB)などと、何度も名称が変わり、職員は1ヶ月に1回人事異動があり、2ヶ月に1回機構改革があった。
エリツィンの在任8年間ずっとそれが続いたが、プーチンが連邦保安庁の長官になって初めて、無意味な人事異動を止めさせた。
池上彰氏は、宅配で新聞を8紙(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞、サンケイエクスプレス、中国新聞、朝日小学生新聞、毎日小学生新聞)とっているという。
更に大学への通勤途中に駅で2紙(東京新聞、産経新聞)を買って読んでいる。
ウクライナの革命の報道では、新聞各社の基礎体力の差がはっきりと出た。
初動でロシア語が堪能な記者を2人、現地に送っている朝日新聞は圧倒的に強かった。
産経新聞は外電に頼りながら、徹底的に「論」で勝負していた。
他の新聞社は、中途半端な内容だった。
新約聖書には27文書が含まれているが、それらは紀元前50年前半から約百年の間に掛れたものと見られている。
この時代には聖書に収録されたもの以外にも、多くの文書やイエスの言行録(福音書)が存在していた。
しかし、最終的にアレクサンドリアの司教アタナシオスの権威によって、367年に27文書のみを新約聖書とすることが決定された。
これによって、新約聖書に含まれない文書は偽典(異端文書)とされ、2001年に発見された「ユダの福音書」もその一つである。
イエス・キリストは、姓名ではない。
イエスは日本人の太郎、一郎のように、当時のパレスチナにいた、どこにでもあるごく普通の名前で、キリストは「油を注がれた者」の意味で救済主を表す。
ユダヤでは、王様が戴冠する時に油を注ぐ習慣があり、王様=救世主というのが、ユダヤ教の伝統的な考え方となる。

「イエス・キリスト」という表現は、「イエスという1世紀に存在した男が、キリストという救い主であると信じている」という神学的表現(信仰告白)なのである。