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2014年9月14日日曜日

どうにでも出来ないこと、理屈な道理が通じない相手、自分の力のり遥かに強力な相手に対しては、下手に対抗せずに、逃げることを考えるべきである。
『太平記』の中で、楠正成がある合戦をすら際に、「大河の濁流の中を歩いて渡るとか、虎と素手で戦うような人とは付き合わない方がいい」と話すくだりがある。
そういう一見勇壮な人物を合戦で用いると、むしろマイナスになる。
それは勇壮ではなく、無謀な人であり、無謀な人には近づかないことと言っている。
特捜部の常識として、「官僚、商社マン、銀行員、大企業社員といったエリートは徹底的に怒鳴りつけ、プライドを傷つけると供述を取りやすい」というのがある。
彼らからするとエリートほど落とすのは簡単なのである。
「お前は犯罪者だ!社会のクズだ!」となじられると、これまでにそんな体験がないので、一気に自信を失って検事の言いなりになるらしい。
特捜部ではこれを、「自動販売機にする」と言い、一度プライドを失ったエリートは、どんな虚構でも検察にとって都合のいい供述をするようになるという。