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2014年10月30日木曜日

2013年の日本の寿司業界の市場規模は1.6兆円。

〇業態別の寿司市場規模(2013年)

カウンター寿司  9,760億円
回転寿司      5,037億円
テイクアウト寿司   743億円
宅配寿司       564億円
東南アジア主要国の人口と一人当たりGDP
(IMF 『World Economic Outlook Database April 2014』)
            人口        1人当たりGDP
インドネシア   248百万人    3,510ドル
フィリピン     97.5百万人   2,790ドル
ベトナム      89.7百万人   1,902ドル
タイ         68.2百万人   5,674ドル
ミャンマー     51.5百万人    869ドル
マレーシア     29.6百万人  10,548ドル
カンボジア     15.4百万人   1,016ドル
ラオス        6.8百万人    1,477ドル
ベンチャー企業の資金調達手段としてIPO(新規株式公開)がある。
IPOにはコストがかかり、その手数料は資金調達額の3~7%と言われる。
フェイスブックは、1%程度に抑えたと言われるが、資金調達額が160億ドルと大きかった為、手数料総額は1億760万ドルになった。
ツイッターは、IPOに6000万ドルの手数料を支払ったとされる。
日本銀行は2013年4月に異次元金融緩和政策を導入した。
これにより、マネタリーベースは著しく増えたが、マネーストックは殆ど増えなかった為、経済活動には影響は及ばなかった。
この異次元金融緩和の真の目的は「財政ファイナンス」、つまり「国債の貨幣化」であり、金利の高騰を抑え、財政の資金調達を円滑にしたのである。
日銀による国債購入そのものが重要なのであって、教科書的なマネーストックの増加を通じた経済拡大は、初めから政策当局の頭にはないと思われる。
財政ファイナンスは以前から実施されてきており、2009年12月から3013年12月までの1年間に、国債残高は148.3兆円増えたが、預金取扱機関(銀行)の国債保有残高は16.1兆円しか増えなかった。
つまり、日銀が国債保有残高を93.4兆円増加させており、もし日銀が国債を購入していなければ、金利は上昇していたはずである。
日銀の国債保有残高は2013年3月から12月までの期間で、49.7兆円増加しており、この間の国債残高の増加額は19.5兆円だから、それを30兆円も上回る購入を行ったのである。
他方、預金取扱機関の国債残高は2013年3月をピークに減少しており、2013年3月から12月までに27兆円減少した。
全体として国債残高は増加している事を考えると、異常な現象となっている。
このため、巨額の公共投資を行ったにもかかわらず、国債利回りは高騰していない。
日本の財政事情からすると本来ならば、現在のような低金利で財政が資金調達できるはずはなく、明らかに「国債バブル」なのである。
本来ならば、金利が高騰(国債価格が暴落)して、支出削減や増税ほせざるを得ない状況に追い込まれているはずなのである。
この状態は2つの意味で異常な状態となっている。
1.物価上昇率が名目金利を上回り、その結果、実質金利がマイナスになっている。
この状況下では、借入をして財を購入し、一定期間保有して売却すれば、借入の金利を払っても利益が生じるので、裁定取引によって金利が上昇して解消されるはずの状態である。
この状態は異常であり、長続きはしない。
2.負担なしの財政支出が継続しているので、他の支出は何も削減されないまま、社会保障給付が増大している。

2014年10月29日水曜日

新しい技術が登場した時、その経済的意義が過小評価される事がよくある。
電話が発明された19世紀後半は、電信が急速に発展しつつある時代であり、当時のアメリカでは既に8500の電信局と21万マイルを超える電信線があり、海底ケーブルで全世界が結ばれようとしていた。
電話の特許を取得した翌年の1877年に、発明者のグラハム・ベルと協働出資者は、電話に関する権利を当時アメリカ最大の電信会社だったウエスタンユニオン(WU)に売却しようとしたが、拒否されてしまった。
当時のWUのウイリアム・オートン社長は、「電話はあまりにも欠点が多いので、通信手段として真剣に検討するに値しない。この装置は我々にとって何の価値もない」と言い、ビジネスの可能性は多重電信にこそあると信じていたのである。
仕方なくベル達は1877年にベル電話会社を設立し、やがて電話の重要性に気付いて電話事業に参入したWUとの泥沼の裁判闘争の末、WUは電話ビジネスから撤退することとなり、WUはビジネス史に残る愚かな決定をしたのである。
その後、ベル社は、1900年にAT&Tとなり、その後1世紀にわたって電話産業に君臨し、第二次大戦後には、世界最大で歴史上最大の企業となっていた。
そして歴史は繰り返し、このAT&T自身が、「パケット通信ネットワークは、信頼のおける通信システムではない」と見なし、インターネットに関してWUと同じ過ちを犯すのである。
先進国間の貿易では、輸出には輸出国通貨が使われるのが普通である。(グラスマンの法則)
しかし、日本の場合、財務省の「貿易取引追加別比率」によると、2013年下半期において、円の比率は日本からの輸出で38.4%、輸入で22.9%となっており、対米輸出では円の比率は15%にすぎない。
韓国との間でも、円よりドルの比率が高くなっており、日本はグラスマンの法則の例外国と言われている。
円建て比率が低くなる理由は、円が国際決済通貨として認められていないからである。
IMFのデータ(COFER)によると、2013年第4四半期で世界の外貨準備に占める円の比率は3.9%でしかない。
これは世界のGDPにおける日本のGDP比率(2012年は8.9%)と比較して低すぎる。
つまり為替スプレッドの負担は、円が国債かしていないことのコストなのである。
日本銀行券は、支払い手段の一部を占めるにすぎない。
実際の経済活動では、支払の大部分は、銀行預金を用いて行われている。
日本銀行の定義によれば、「マネーストック」とは通貨量の残高であり、預金の種類や金融機関の範囲により、いくつかの指標がある。
MIは「現金通貨」と「預金通貨」の合計で、「現金通貨」は銀行券発行高と貨幣流通高の合計である。また、「預金通貨」は要求払預金から調査対象金融機関が保有する小切手・手形を控除した額となる。
M2は「現金通貨」と「国内銀行等に預けられた預金」の合計であり、預金の範囲がMiよりも広げられており、対象金融機関はM1とは異なる。
M3は「現金通貨」と「預金取扱機関に預けられた預金」の合計であり、対象金融機関の範囲がM2より広げられている。
2014年2月時のマネーストック平均残高は、現金通貨81.5兆円、預金通貨492.2兆円であり、現金預金は現金通貨の6倍となっている。
M1は573.7兆円、M2は861.3兆円、M3は1172.9兆円。
金融緩和が効果を持つためには、マネーストックが増加せねばならないが、その為には預金通貨が増加しなれればならない。
しかし、それは政策当局が直接にはコントロールできないものである。
ケニアでは携帯電話会社のサファリコムに出資したボーダーフォンが2007年に導入した、携帯電話のSMS(ショート・メッセージ・サービス)で送金する「エムペサ」というサービスがある。
このサービスは、「エムペサ」の代理店(ケニア国内に4万店)で現金を預けて、自分のエムペサ口座に入金してもらってから、送金相手にSMSを送り、メッセージを受け取った人は取次店でSMSと身分証明書を提示すると現金を受け取れる仕組みになっている。
2013年5月に、ケニアの成人人口の2/3以上に当たる1700万人がエムペサを利用しており、エムペサによる資金移動はケニアのGDPの25%に相当している。
他にもエムペサと同様のサービスが複数あり、成人人口の7割以上に当たる2300万人が携帯電話の決済システムを利用している。
しかし、額で見ると現金による決済が圧倒的に多く、ケニアの取引の99%は現金で決済されている。
エムペサの全口座残高の合計は、銀行預金残高の0.2%にしかすぎない。
理由は、エムペサの利用額には限度が設定されており、少額取引にしか利用されないからである。
アフリカでは銀行口座を持つ人の割合は、人口の1割以下だが、携帯電話の保有者は6割となっており、ケニアの携帯電話普及率は7割にも達している。
ケニアでは、安い中国製の携帯電話だと1500ケニアシリング(1500円)だが、ケニア人にとっては高額なので、個人ではSIMカードを持ち、10人くらいで携帯電話1台を共有利用している。
銀行サービスの利用が困難な新興国には25億人が暮らすが、このうち10億人以上が携帯電話を利用している。
2013年6月時点で、実際に利用されているエムペサ類似サービスの口座数は、全世界で6000万件を超えており、このうち52%がサハラ砂漠以南のアフリカ大陸のものである。
インターネットで通信するにはドメイン名が使用される。
ドメイン名の最後にある「.com」「.org」などは、「トップレベル・ドメイン」と呼ばれ、アメリカのICANNという団体が管理している。
同じ名前のドメイン名は登録できないので、場合によっては高額な値段で取引される事があり、これまでの最高記録は「PrivateJet.com」の3018万ドルと言われている。


CoinMarketCapで、各仮想通貨の時価総額を掲載されている。
2014年10月末時点で、時価総額が1億ドルを超えているのは3つとなっている。
Bitcoin 47.9億ドル
Ripple  1.4億ドル
Litecoin 1.3億ドル


2012年の電子マネーによる決済総額は2.5兆円。
これは同年の民間最終消費支出288兆円の0.9%でしかなく、決済システム全体としては殆ど影響を与えていない。
電子マネーが普及しない理由は、高い運営コストである。
店舗側が負担する手数料が高すぎ、運営者側の収入が少なすぎる。
Edyの店舗手数料は、基本料金が月額2000円で、それに利用額の4%が加わる。
Suicaの場合は、手数料は売上の2~4%の利用額となる。
ちなみにクレジットカードの手数料は、カード利用額の2~5%の手数料を店舗が負担している。
利用者の立場からすると、自分は利用コストを負担していないと思っているが、実際にはこれらの決済手数料は、長期的には何らかの形で利用者に転嫁されているのである。
仮想通貨が普及するには、利用コストが重要となる。
ビットコインの取引手数料は、0.01BTC以上の取引は無料である。
1BTCは460ドル程度なので、つまり5ドル以上の取引ならば無料になる。
それ以下の取引手数料は場合によって異なるが、一般的には0.0001BTC程度しかかからない。
これは0.5セント(5円)程度ということになる。
なお、ドルなどの現実通貨に両替する場合には、両替手数料が必要となる。
手数料は両替所によって異なるが、通常は1%程度である。
現在、多くの新聞の電子版では、記事の最初の部分は読めるが、さらに読み進めるには「ペイウォール」で会員登録を要求され、有料部分の記事はあまり読まれない。
しかし、「ニューヨーク・タイムズ」は、ペイウォール方式で年間1.5億ドルの収入を得ている。
2014年10月末現在、全世界でビットコインで決済を受け付けている実店舗は5672店舗ある。
うち日本は43店舗。
いつくかの都市ではATMも設置されている。

2014年10月28日火曜日

アメリカのネット店舗「オーバーストック」は、2014年初からビットコインでの決済に対応し、最初の21時間でビットコインによる売上が12万4000ドルあった。
3月には100万ドルを超え、2014年のビットコインでの売上は20000万ドル(20億円)になると予想している。

オーバーストック
2013年12月に公表したバンクオブアメリカ・メリルリンチのビットコインに関するレポートで、「今後、ビットコインが電子商取引で1割を占める決済手段となり、国際送金産業において主要な役割を果たすようになる」としている。
そして、1BTC=1300ドル程度が適性価格(フェアバリュー)であるとしている。
当該レポートは3つの分野(電子商取引での決済、国際送金、価値保存手段)について、分析されている。
〇電子商取引については、50億ドルのビットコインが必要と推計。
2012年のアメリカのBtoC電子商取引の売上高は2240億ドルで、一方、2012年の個人消費総額は11兆ドル、世帯の預金・現金の合計は0.7兆ドルだった。
後者を前者で割った値である「貨幣の流通速度」は0.06であり、過去10年間の平均値は0.04だった。
つまり1ドルの年間個人消費のために4セントのマネーを保有しているということになる。
電子商取引での流通速度が通常取引と同じだとすると、100億ドルのマネーが必要となり、このうち10%がビットコインに切り替わるととすると10億ドル相当のビットコインが必要となる。
世界経済におけるアメリカ経済のシェアが2割であるため、全世界でのビットコインの必要額は50億ドルと推計される。
〇国際送金におけるビットコインの価値は45億ドルになると推計。
現在、国際送金業務を行っている企業としては、ウエスタンユニオン(時価総額90億ドル)、マネーグラム、ユーロネットが大手で、20%のシェアを占めている。
これら3社の株式時価総額の平均は45億ドルであり、ビットコインがこれら3社の平均と同程度を果たすようになると考えられる。
〇価値保存手段としてビットコインの市場価値は50億ドルと推計。
ビットコインが銀と同様の評価を得られるとするとその市場価値は50億ドルに達する。
これらを合わせると150億ドルとなり、ビットコインの発行総額と比較すると1BTCの市場価値は1300ドルと評価される。
ちなみに、2012年におけるウエスタンユニオンの収入は57億ドルであり、貿易に関わる国際送金の収入60兆円の1%程度てしかない。
現在の貿易決済では、信用状決済の場合にはその手数料がかかり、銀行送金の場合には送金手数料がかかる。
2012年の全世界貿易量は1500兆円で、仮に為替スプレッドを含めた銀行手数料がこの4%だとすると60兆円になる。
この1割がビットコイン等の仮想通貨に移行するだけで貿易決済に関する金融機関の手数料は6兆円失われることになる。
2012年の日本における個人向け電子商取引の市場規模は9.5兆円。
これは個人家計消費300兆円の3%程度でしかない。
ちなみに2012年のアメリカの個人向け電子商取引の市場規模は2240億ドル(22兆円)。

2014年10月27日月曜日

上位10社 時価総額ランキング(「Fobes Global 2000」(2014年))

アップル            4831億ドル
エクソンモービル      4223億ドル
グーグル           3825億ドル
マイクロソフト        3438億ドル
バークシャー・ハザウェイ 3091億ドル
ジョンソン&ジョンソン    2770億ドル
ウェルズ・ファーゴ      2614億ドル
GE               2596億ドル
ロッシュ            2537億ドル
ウォルマート         2479億ドル
グーグルは1998年に創業し、上場後10年経つが、時価総額は14倍になっている。
〇東京証券取引所の株式時価総額
1989年 611兆円 世界シェア40%
2014年 480兆円 世界シェア7%

〇世界の主要証券取引所の時価総額シェア(2013年末)
ニューヨーク証券取引所 30%
ナスダックOMX       10.2%
東京証券取引所      7.6%
ユーロネクスト       6.0%
香港証券取引所      5.2%
上海証券取引所      4.2%
トロント証券取引所    3.5%
ドイツ証券取引所     3.2%
スイス証券取引所     2.6%
深圳証券取引所      2.4%

2014年10月24日金曜日

「100万ドルの夜景」とか「1000万ドルの夜景」と言われ、夜景は電気消費量で換算して価値が決められている。
夜景の価値は、光の数の多さで決まり、消費電力に比例する。
360度展望できるスカイツリーから、最も価値のある東京三大夜景は以下となる。
1位 港区・中央区方面 400万ドル
2位 池袋・板橋方面  340万ドル
3位 渋谷・新宿方面  280万ドル
ちなみに50年以上昔に言われていた世界三大夜景は、「香港、ナポリ、函館」だったが、2012年に世界新三大夜景として、「香港、モナコ、長崎」が選定された。
映画の製作費ランキング
1位 パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド(341億4180万円)
2位 クレオパトラ(339億5000万円)
3位 タイタニック(294億3000万円)
4位 スパイダーマン3(293億9000万円)
5位 塔の上のラプンツェル(281億7000万円)
6位 ハリー・ポッタと謎のプリンス(275億3000万円)
7位 ウォーターワールド(271億3000万円)
8位 パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマズ・チェスト(263億7000万円)
9位 アバター(261億円)
10位 ホビット 思いがけない冒険(257億2000万円)
・パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンドの製作費の1/4が出演者のギャラとなっている。
・クレオパトラは1963年に公開されたハリウッド映画の黄金期を象徴する作品で、エリザベス・テイラーの黄金の衣装は70億円かけた純金製である。
・アパターの興業収入は3100億円と、最も製作費に対する利益が大きかった作品。
・カンヌ映画祭にも招待された、2008年に製作されたインディーズ映画のホラー「コリン」は、エキストラをFacebookで募集し、小道具はスタッフの私物を使用、収録テープは中古を使用し、製作費は5800円。
国際NGOのオックスファムより、世界の上位85人の資産が、下半分の35億人分の資産を合わせた額と同額であるという調査結果が発表されている。

オックスファム
経済格差に関する調査報告書「Working for the Few; Political capture and economic inequality (日本語タイトル:少数の利益のために―政治権力と経済格差)」
ビットコインは「インフレを起こさない貨幣」をつくることを目標に掲げて設計されており、マイニングできるのは約2100万BTCまでと、システムで決められている。
ビットコインが始まった2009年当初は、1回のマイニングで得られるのは50btcだったが、この割合は4年毎に半分になっていくように調整されており、2012年11月には25BTCに変更された。
このペースで供給量を減らしながらマイニングが続けられると2140年までに上限である2100万BTCに達すると予想されている。
動物園の動物の値段は、生息数×入手難易度×飼育難易度で決まる。
ライオン 45万円
カバ 600万円
サイ 1200万円
キリン 1300万円
ゾウ 3000万円
ゴリラ 8000万円
百獣の王であるライオンは外的が少なく、繁殖能力が高いので、レア度が低く値段が安い。
ちなみにコアラは、オーストラリアとの友好の証に、無料で借りたり譲られているので、購入費はタダ。
しかし、無料のコアラのエサであるユーカリ代は1匹当たり年間1200万円かかる。
1日1食しか食べないので、1食当たり3万円以上かかっている事になる。
タクシー運転手の1日の勤務には限度がある。
•走行距離限度 356km
(旅客自動車運送事業運輸規則)
•勤務時間限度 21時間
(厚生労働省の規定)
平均月収 23万円
(平成25年度厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)
2012年リフォーム市場規模 6.2兆円
リフォームを伴う中古住宅流通市場 4,789億円
生涯受益に対する負担の世代間不均衡
(1995年調べ、教育支出が政府支出として扱われる場合)
アメリカ      51%
フランス      47%
スウェーデン ▲22%
日本       169%
0%に近づくほど受益と負担が均衡する。
スウェーデンのマイナス22%とは、将来世代が得をするということを表している。
1世帯当たりの世代別の生涯純受益
(内閣府「平成17年度年次経済財政報告」)
70歳代    +4,875万円
60歳代    +1,590万円
50歳代     ▲28万円
40歳代   ▲1,202万円
30歳代   ▲1,660万円
将来世代  ▲4,585万円
これは日本人が一生に貰える社会保障額とその負担額の差を表す「世代会計」と言われる指標で、社会保障費の世代間格差を表し、1億円の格差がある。
経済学者の中では、「財政的幼児虐待」と言われている。

2014年10月22日水曜日

女性がバリバリ活躍しているイメージがあるアメリカでさえ、上位500社で、女性がCEOを務めている割合は4%、上級執行役員14%、取締役は17%。
日本では上場企業3608社の役員合計4万1973名のうち女性は505名で1.2%と、女性の経営参加率で先進国では最下位となっている。

2014年10月15日水曜日

「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の応募条件は厳しい。
リストラを過去5年間で1度でもやった会社は応募できない。
下請けをいじめた会社も、障がい者の法定雇用率2.0%以下の会社も応募できない。
赤字を出している会社や労働災害を出した会社も認めない。
他にも応募基準のほかに、審査基準もあり、残業は月10時間以下と定められている。
坂本教授が、そもそも大賞制度で目指しているのは、「業績を求める経営を破壊すること」。
「よい会社を紹介することで、いい加減な会社の排除を目指している。人をとことん大切にする会社を増やせば、この国は世界の人々から再び尊敬される。」と言っている。

『ちっちゃいけど、世界一誇りにしたい会社』で紹介された北海道の「丸吉日新堂印刷」は、従業員わずか7名の会社である。
同社が制作する名刺の紙はバナナの茎が原料で、点字が入っている。
アフリカのザンビアの女性達の就業支援として、乾燥させたバナナの茎から繊維質を取り出す技術指導をしている。
それを日本で古紙と混ぜ合わせてバナナペーパーという名刺の原料にしている。
この名刺に、視力障がいの若者達が、一枚一枚丁寧に点字を入れている。
1枚50円するにもかかわらず、売れている。

「自爆営業」という言葉は、郵政事業株式会社で生まれた造語と言われている。
年賀状やかもめ~る、ふるさと小包等を日本郵便の社員が自腹で買い取ったり、金券ショップで売りさばいた時の差額を自己負担する行為を意味する言葉である。
この行為を「売上や、会社が負担すべき経費を社員の懐からむしり取る行為」と定義すると、その対象は多くの企業に及ぶこととなる。
日本郵政グループには2013年4月1日時点で、42万人の社員がいる。
最大労組は「日本郵政グループ労働組合(JP労組)」で、23万人の組合員が加盟している。
他にも「郵政産業労働者ユニオン」には2000人が加盟している。
民営化後の郵便事業会社、日本郵便の郵便事業部門の営業利益は以下の通りである。
2008年3月期 1038億円の黒字
2009年3月期 449億円の黒字
2010年3月期 428億円の黒字
2011年3月期 1035億円の赤字
2012年3月期 224億円の赤字
2013年3月期 374億円の黒字
2007年民営化後の2008年から経営が悪化し、2011年の巨額赤字を受けて、会社はボーナスを4.3ヶ月から3ヶ月に削減することで580億円を捻出した。
さらに2011年9月末時点だけでも1万1000人の非正規社員を大量解雇し、500億円もの人件費の削減に踏み切っている。
毎年11月1日は年賀状の販売開始日である。
この日は、全国の日本郵便社員の多くが「自爆営業」を開始する日でもある。
例年8月末に、翌年の年賀状の販売枚数が決定する。
2013年は約36億枚に決定され、これが全国13ヶ所の日本郵便の支社を通じて、1089ヶ所の視点に割り振られる。
日本郵便の年間収入2兆円のうち、年賀状の売上は1500~1600億円と8%を占める。
販売ノルマの数は支店毎に異なるが、通常は正社員は1万枚、非正規社員には2500~7000枚が課せられている。
11月1日が金券ショップでの高値で、1枚43円で買ってもらえるが、金券ショップが少ない地方都市では、足元を見られて1枚35円でしか買ってもらえない。
日本郵便の社員数は、2011年4月時点で正社員が10万2300人、非正規社員が15万2300人の計25万4600人で、非正規社員の割合は59.8%。
非正規社員のうち、月給社員は4300人、時給社員は14万7500人と実に9割以上を占める。
ちなみに、総務省が2014年2月28日に発表した労働力調査によると、1月時点で役員を除く雇用者全体に占める非正規雇用の割合は37.6%である。
日本郵便の非正規社員は、正社員とほぼ同じ労働時間、同じ業務内容で働いているが、賞与も昇給も殆どなく、年収は正社員の3分の1であり、その6割以上が年収200万円以下となっている。
一方で日本郵便には、非正規社員が正社員になれる制度も用意されており、仕事の成熟度を6段階で上司が「スキル評価」し、ランク毎の項目を全てクリアすれば、1つ上のランクに行ける。
6段階をクリアするのに最短で3年かかり、その後は時給社員から月給社員として採用され、2年間勤めた後、試験を合格すると正社員になることができる。
つまり、非正規社員が正社員になるには最短で5年かかるのである。

2014年10月7日火曜日

人類の歴史を1人当たりの所得から見てみると、1800年当時のヨーロッパの平均的な生活水準は、紀元前1世紀のギリシャ・ローマの時代はもちろん、紀元前10万年の石器時代と比べても殆ど豊になっていない。
所得以外の指標でも1800年当時の平均的寿命は30~35歳で、狩猟採集時代に比べて長くなっている訳ではない。
栄養状態を示す平均身長は、石器時代の方が1800年当時よりも高かく、人類の生活は10万年の歴史を経ても向上するどころか、より過酷になっていたのである。
ところが18世紀半ばにヨーロッパの辺境であるイギリスではじまった産業革命によって状況は一変し、技術の進歩が生産性の向上をもたらし、所得を大きく伸ばした。
僅か200年で、1人当たりの所得は1800年当時の10~20倍に達したのである。
日本の学校給食の市場規模は7930億円。
フェアトレードは、市場経済は貧しい国や貧しい人達を搾取しているとして、「公正な取引(Fair trade)」を企業に求めるアンチ・グローバリズムの運動である。
フェアトレード先進国のイギリスでは、スターバックスやネスレが、いち早く倫理的認証を受け、「環境にやさしくない企業」の代名詞だったマクドナルドまでがレインフォレスト・アライアンスの認証マーク付きコーヒーを販売している。
フェアトレード財団の2010年時のWebサイトでは、「コーヒーの価格は2000年以来記録的な低迷に苦しんでいる。コーヒー豆の生産費より遥かに低く、世界中のコーヒー農家を危機に陥れている」と主張している。
しかし、実際にはニューヨーク市場におけるコーヒーの国際価格は2002年以来着実に上昇し、タンザニアで生産される「マイルド・アラビカ豆」は2002年の1.32ドル/キロから2011年に5.73ドル/キロまで高騰した。
それに対してフェアトレードが「公正」とする最低価格は2.81ドル/キロであり、市場価格の半分以下でしかない。
つまり、「倫理的認証を受ける企業は、フェアトレードの最低価格によって仕入れコストが上がる心配をする必要がなかった」という事なのである。
2005年以降、名だたる大企業が次々と倫理的認証を受けるようになった理由の本質なのである。
企業からすると僅かな追加コストで「人にも自然にもやさしい企業」というブランドイメージを得られる。
レインフォレスト・アライアンスの認証を受けたことで、マクドナルドのコーヒーの売上は25%増えたのである。

『フェアトレードのおかしな真実――僕は本当に良いビジネスを探す旅に出た』

有名大学の学生を調べると、裕福な家庭の子供が多いことが知らている。
行動遺伝学は一卵性双生児と二卵性双生児の比較から、知能における遺伝の影響が8割以上あることを明らかにした。
この結論は、厳密な統計手法かに導かれており、現在に至るまで有力な反証はないので、科学的真理とみなされている。
行動遺伝学によれば、正しい因果関係は、「知能の高い両親から生まれた子供は有名大学に進学する可能性が高い」というものである。
知識社会では一般的に、知能の高い人が高収入を得ているので、有名大学の学生を調べると結果的に「裕福な家庭の子供が多い」ということになるのである。
「格差社会」の原因が親の収入にあるのなら、裕福な人から税金を徴収し、貧しい人に分配する解決策がある。
しかし、教育格差の原因が遺伝である場合は、政策による解決方法はない。
行動遺伝学の拠点はアメリカだが、研究者たちはリベラルな団体からの抗議と脅迫の中で、その結論が科学的に証明できることを示し続けてきた。
遺伝が知能や性格にどの程度影響を与えるかは、行動遺伝学という学問によって科学的に検証されている。
こうした研究が可能になるのは、一卵性双生児と二卵性双生児がいるからで、双生児の研究から性格における遺伝の影響を統計的に調べることが可能なのである。
行動遺伝学によれば、神経症傾向や外向性、調和性、固執などの性格的特徴は4~5
割が遺伝の影響である。
能力では、この傾向が遥かに顕著で、スポーツ、音楽、数学、一般知能は8割が遺伝によって決まる。
驚くべきことに、行動遺伝学によると性格形成に家庭(子育て)は殆ど影響を及ばしておらず、性格は家庭以外の非共有環境で決まる。
非共有環境とは、学校などでの友達関係のことだとされる。
遺伝は確かに性格に大きく影響するが、親や家庭をいくら調べてもその人のことは何もわからない。
<25年後の2040年の世界>
・日本の人口は1億人を割り、GDPの世界シェアは2~3%になる。
→日本のピーク時は10%、アメリカが20%だった。
 円高の時代は、日米2カ国で世界のGDPの半分を占めていた。
・日本では70歳の人口が最も多くなる。
→2055年では、81歳の人口が最も多くなる。
→日本では毎年人口が30万人減っており、あと5年で毎年50万人減り、2050年には毎年100万人減っていく。
・2040年までに500の市町村が消滅する。
・世界最大の成長市場はアフリカ。
→アフリカ大陸は21世紀末には、更に10億人の人口が増え、世界最大の人口になる。
・インドがあらゆる分野で中国を抜く。
2011年3月11日の同時多発テロでは3000人の犠牲者を出した大惨事後、アメリカ人は「飛行機は危険だ」と不安に感じ、長距離の移動にも車を使用するようになった。
しかし現実には、車は飛行機よりも遥かに危険だったのである。
アメリカでは、交通事故の死者は年間で6000人に1人。
それに比べて飛行機は極めて安全な乗り物で、事故による死者は全世界で年間500~1000人であり、これを確率にすると、毎日飛行機に乗ったとしても事故に遭うのは500年に1回となる。
仮に1週間に1機の割合で旅客機がハイジャックされて墜落したとしても、毎月1回飛行機を利用する人がテロに遭遇して死亡する確率は13万5000人に1人でしかないという。
ハイジャックが頻発する恐ろしい世界でも、車での移動は飛行機より20倍以上も危険なのである。
同時多発テロの発生後から、アメリカでは路上での事故死が急増している。
交通事故死亡者数は1年後に元に戻るが、その間、移動手段を飛行機から車に替えたことで増えた死者の数は1595人と推定されている。
同時多発テロは、人々のリスク感覚を狂わせたことによって、1年間でテロ被害者の半分にも達する犠牲者を新たに生み出していた。
精神科医の冨高辰一郎氏は、著書『うつ病の常識はほんとうか』で「長期的には日本の自殺率は高くなっていない」と主張している。
日本の自殺者数は1900年の1万人から現在の3万人まで、時代毎の増減はあるものの右肩上がりで増えているが、元になる人口そのものも増えているのである。
1900年の日本の人口は4000万人で、現在は1億2000万人と3倍になっている。
また、日本の自殺率の変化を見ると、1950年代のなべ底不況と言われた時代と、1997年以降の平成不況の時期が極端に高いことが分かる。
しかし、1950年代と現在では人口構成が大きく異なるので、これも正しい統計とは言えない。
人口構成による自殺率の変化を調整したのが「標準化自殺率」で、長期的な自殺率の変化を論ずる時に必須とされるが、日本では殆ど知られていない。
統計学的に正しい「標準化自殺率」でデータを見ると、年間3万人の自殺者数はバブル期よりずっと多いものの、戦後の平均的な自殺率とほぼ同じである。
日本の自殺率は長期的には漸減傾向であり、バブル期に特に低くなり、不況と失業の上昇で元に戻っている。
ただ、日本は元々自殺率の極めて高い社会であり、経済的な困難で死を余儀なくされる潜在層が膨大にいるのは確かである。

『うつ病の常識はほんとうか』

不安神経症的な傾向は全てのヒトに共通するが、うつ病の出現率は人種によって異なることが知られている。
うつ病は日本、中国、韓国など東南アジアの国に多く、欧米諸国ではそれほどでもない。
ニールセン・カンパニーの調査によると、うつ状態の出現率は米国人の9.4%に対して日本人は30.4%となる。
これまでは、この現象は、集団主義的で抑圧的な文化と、自由で開放的な文化の違いだと考えられてきたが、最近、「東洋にうつ病が多いのは遺伝的なものだ」という研究が出て来た。
うつ病の治療に有効なセロトニンの伝達に関する「セロトニントランスポーター遺伝子」にはS型とL型がある。
この遺伝的な違いは性格にも反映し、S型遺伝子を持つ人は不安を感じやすく、逆にL型遺伝子を持つ人は快活で楽天的となる。
日本をはじめ東アジアではS型の遺伝子が7~8割を占め、欧米諸国ではS型の持ち主は4割しかいない。
うつ病が遺伝子型で決まるのならば、文化を遺伝子の差で説明することも可能となる。
東アジアの集団主義的な社会が生まれたのは、人々の不安感が強く、人間関係をできるだけ安定させようとしたからで、欧米の個人主義な社会は、自主独立と冒険を好む遺伝子から生まれた。
このような人種間の遺伝子の差が文化の違いに反映されるという証拠は徐々に増えてきている。
2013年5月の警察庁の発表によると、振り込め詐欺などの犯罪に使用されるレンタル携帯電話の98%が、ドコモ製品だったという。
レンタル事業者の中には不正利用を目的に携帯電話会社と法人契約を結ぶ事業者がいる。
ソフトバンクとauは、事業規模や従業員数に対して不自然に多い回線数を求める事業者を拒否していた。
しかし、ドコモは、登記簿だけで契約を結び、過去の料金支払いで停滞がなければ、契約数に上限を設けていなかったため、不正利用の温床になってしまった。
フランスは1789年のバスティーユ襲撃から始まる革命によって誕生した近代国家で、その国是は「自由・平等・友愛」の三色旗に象徴されている。
しかし、フランスのオランド政権は、経済格差という不平等を正すために、所得によって国民を「差別」する。
そもそも近代国家の理念は、人種や国籍、宗教、性別にかかわらず全ての人は平等に人権を有しているというもので、近代国家には国民を無差別に平等に扱うことが求められている。
だからこそ、極端な累進課税で一部の富裕層を「差別」することは建国の理念に反するという批判が出てくる。
富裕層に対する懲罰的な課税は、国外脱出を誘発するだけだとして、福祉国家として知られるスウェーデンは相続税を廃止してしまった。
相続税を廃止する近代国家が増えれば、富裕層に重税を課す国には貧乏人しか残らなくなる。
ゲーム理論は、全てのプレイヤーが自分の利益を最大化すべく合理的な選択をするという前提のもとに、いつくかの単純なルールで相手の行動を予測する。
ゲームの必勝法は、自分の情報を相手に与えず、相手の情報だけを手に入れることである。
<ゲーム理論を使って新車を最も安く買う方法>
まず、ディーラーに相談せずに、車雑誌やインターネットで、どの車種を買うか、装備も含めてあらかじめ決めておく。
次に、出来るだけ多くの自分が住む地区のディーラーをリストアップし、順番に電話をかけて、購入したい車種と装備の詳細を伝えた上で、下記のメッセージを言う。
「この条件でいくらで売ってもらえるか、最低価格を教えてほしい。
その価格を次に電話するディーラーに伝えて、全てのディーラーの中で最も安い所から購入する。
なお、購入する時には、ピッタリの現金しか持って行かない。」
これでディーラーは、あなたの情報を何一つ知ることが出来ないまま、最抵価格を提示するしかなくなり、ディーラーにはあなたと駆け引きをする余地は全くない。
日本では、賃貸住宅を借りる時に保証を要求される悪弊がいつまで経っても無くならない。
家賃を保証できるのは収入のある親か兄弟姉妹で、年をとると保証人が見つけられなくなり、この不安が無理をしてマイホームを購入する理由の一つになっている。
貸金業では常習的な滞納者をブラックリストで排除できるが、不動産業ではそれができない。
家主は、家賃滞納者のブラックリスト化を求めているが、リベラルなメディアや団体の猛反対に合い頓挫している。
家賃を滞納するのはごく一部で、彼らが「社会的弱者」だとすると、その権利を守る為に、ちゃんと家賃を払っている大多数の借家人が保証人を用紙せねばならないという不利益を被り、貧乏くじを引くことになる。
厚生労働省によると、全国で生活保護を受けているのは2014年6月時点で160万4414世帯(前月比1321世帯増)となり、過去最多となった。
受給者数は前月比1012人減の215万8840人だった。
支給総額は年間3兆8000億円(自治体負担分を含む)となっている。
受給者数、支給総額ともに過去10年間で倍増している。
世帯別では、65歳以上の高齢者世帯が75万3055世帯で、全体の47.2%を占める。
また世帯別全体の1割が母子家庭となっている。
19歳以下の子供の受給者が15%存在し、20代から50代の働ける世代の受給者は3分の1となっている。
福祉による就労支援は英米が先行しており、経済学者による政策評価も積極的に実施されている。
こうした研究によると、職業訓練は母子家庭の失業者には有効だが、それ以外には殆ど役に立たず、特に低学歴の若者と高齢者への教育投資は全く効果が無いという結果が出ている。

2014年10月6日月曜日

認可保育園に入所を希望する子供は、申請を諦めている潜在的待機児童を含めると全国で85万人いる。
これほど需要が大きければ、当然そのサービスを供給しようとする新規参入事業者が現れるはずだが、日本の保育市場では市場原理が働かない。
国が認可保育園に巨額の補助金を投入して保育料を安くしているため、補助金を投入されない未認可の事業者が参入できないのである。
待機児童を減らすには、事業者への補助金の投入をやめて、保育事業を市場原理に戻す必要がある。
その場合、保育料は現在よりも高い市場価格となるが、世帯所得に応じて保育料を自治体が補填すればよい。
経済学では、特定の事業者に補助金を支給して市場を歪めるよりも、市場原理を働かせながら、サービスを必要とする人を直接援助した方が効率的である事は明確になっている。
しかし、これは既存の事業者にとって最悪の改革なので、彼らは子供を犠牲にして既得権にしがみつき、自らの利益を守ろうとしているのである。

2014年10月4日土曜日

経済を理解するには「Real(実質)」と「Nominal(名目)」を分けて考えねばならない。
アベノミクス前のデフレ経済下では、名目金利となる「10年物国債の利回り」は1.5~2%程度で推移しており、当時の消費者物価はマイナス1%だったので、実質金利は2.5~3%だった。
つまり、デフレ経済下では、リスクをとって株式投資をするよりも、確実に2.5~3%の実質利回りがあった預金をしていた多くの日本国民は正しい意思決定をしていたのである。
しかし、2014年4月以降、黒田日銀総裁は「2015年末に向けて安定的に物価上昇率を2%」を目指しており、現在の「10年物国債の利回り」は0.5%なので、実質金利はマイナス1.5%になるのである。

規制について考える場合には2つの視点が大事である。
1つは「その規制は誰の利益を守っているのか」、もう1つは「期生に科学的な根拠があるのか」である。
厚労省と薬局業界団体は「ネット販売は危険だ」と主張しているが、対面販売の強制によって不利益を被っている患者の存在については無視している。
また一部の市販薬への規制では、そもそも「劇薬」が町の薬局で誰でも購入できてしまう事自体がおかしいが、この現状についても無視している。
アメリカやイギリス、ドイツでは薬のネット販売が解禁されており、薬を処方してもらう為だけに病院で処方箋を出してもらう手間が無くなり、医療費の削減にも繋がりネット販売は評価されている。
欧米で成功している規制緩和が日本でできないというのは、「日本人はバカだから規制が必要」と言っているのと同じである。
資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される新しい株価指数「JPX日経インデックス400」がある。
この指標に採用されなかった株式会社アマダは、純利益を全額、配当と自社株買いに回し、株価が急騰した。

伊藤元重先生が座長を務めている「日本の『稼ぐ力』創出研究会」が2014年4月から7月にかけて5回開催された。
研究会の配布資料、議事要旨を読むと、日本の企業の低い収益率の現状が理解できる。

Real Effective Exchange Rates(実質実効為替レート)を見れば、円の実力が分かる。
現在、ドル円の名目為替レートは110円だが、ドル円の実質実効為替レートは過去30年でドルに対して円は最安で、1ドル240円レベルの相当な円安となっている。
過去15年間に、アメリカの物価は4割上昇したのに対して、日本でデフレが続き物価は全く変わらなかった。
その結果、円は名目以上にドルに対して安くなっている。

2014年10月3日金曜日

グローバル化が進むと、日本人だというだけで高給を要求することはできなくなる。
中国・華南地方のユニクロで働く20代の女性店長の月給は6000元(9万円)で、年収は7万2000元(100万円)である。
これは中国の法定最低賃金の5倍に当たり、中国のユニクロの店長は現地では高給取りである。
日本の労働者がその所得に見合う付加価値を持っていないならば、中国人に仕事を奪われるのである。
リベラル勢力は、日本の政治からいなくなってしまった。
リベラルは、リベラリズム(自由主義)の略で、その根底にあるのは自由や平等、人種などの近代的な価値に基づいて、よりよい社会を作っていこうという理想主義である。
リベラルが退潮した理由は、その思想が陳腐化したからではなく、理想の多くが実現してしまったからである。
リベラリズムが台頭したのは、権力者に不都合な事を書けば投獄や処刑され、黒人が奴隷として使役され、女性には選挙権も結婚相手を選ぶ自由も無かった時代である。
リベラルが夢見た社会が実現した結果、「現状で充分だ」という穏健な保守派ばマジョリティになるのは、先進国に共通している。
日本のリベラルは、護憲、TPP反対、社会保障制度の改悪反対、原発反対を唱えているが、原発を除けば、リベラルの主張は現状維持だということが分かる。
理想が実現してしまえば、その成果である現在を理想化するしかなくなる。
こうして夢を語れなくなったリベラルは、保守反動となり、穏健な保守派が「ネオリベラル的革命」を求めるという逆転現象が生じた。
日本共産党も、現在は共産主義革命の夢を語ろうとせず、「アメリカいいなりもうやめよう」という不思議なポスターを貼っている。
これは新右翼の主張と同じだが、リベラルが反動になったのならば、不思議なことではない。
オランダではマリファナが合法化されている。
マリファナはコーヒーショップと呼ばれる専門店で購入でき、ヨーロッパ中から若者が集まってきている。
アメリカでは医療用大麻の合法化が進んでおり、ワシントン州とコロラド州は嗜好品も合法となった。
南米のウルグアイは、2013年12月に、マリファナの生産・流通・販売を全て合法化する世界初の国となった。
2006年に成立した改正貸金業法の趣旨は「高利貸しが多重債務者問題を引き起こしている。だから上限金利を引き下げて、高利の貸付を違法にするとともに、利用者が収入に対して分不相応な借金をしないように規制すればいい」というものだった。
ちなみにイギリスには金利の上限規制はなく、当事者同士が納得しているのであれば、契約も自由であるべきと考えられている。
イギリスで上限金利の議論が起きた時に、「資金を必要としている人が借りられなくなる」と真っ先に反対してのは消費者団体だった。
イギリスの自殺率は日本の4分の1であり、上限金利と自殺は関係がない。
「1社で50万円、または他社と合わせて100万円を超える貸付けを行う場合には、年収の3分の1を超える貸付けを原則禁止する」という総量規制は、少なくとも先進国では一つもない。
確かに、法改正により大手消費者金融は経営破綻するか、辛うじて銀行の傘下となり生き延びているが、その一方で自殺者は減らず、経済格差や貧困問題は悪化している。
日本では、いくらまでなら借金していいのかを国家が国民に指導し、改正貸金業法で「日本人は金銭の自己管理すらできない愚かな民族だ」と世界に向けて公言しているのである。
自己評価と他者評価が一致している、すなわち「勘違いしていない」人の典型は、うつ病患者である。
あらゆる出来事をネガティブにとらえてしまうのが、うつ病だとされていたが、最新の研究によると、彼らの自己認識が正確すぎてポジティブな勘違いができないのだと考えられるようになった。
自由というのは、「何者にも束縛されないこと」だが、ジョン・ロックに始まる政治思想では私的所有権こそが自由の基盤だとされた。
領主が農地を勝手に取り上げてしまうようでは、人々は奴隷として生きていくほかない。
自由と私的所有権が一対のものだからこそ、私的所有権を否定したマルクス主義は、「自由の敵」とされた。
地球の誕生を1月1日として、生命が誕生したのが4月8日。
それから11月1日までは単細胞生物しかおらず、最初の魚類が出現したのは11月26日の午後。
恐竜の時代は12月9日から26日あたりまでで、最初のサルが出現したのが12月25日。
人類の祖先が現れたのが12月31日の午後8時10分となる。
エジプトやメソポタミアに最初の文明が誕生してからは、わずか30秒しか経っていない。
「小沢一郎の知恵袋」として知られる平野貞夫(元参議院議員)は『公明党・創価学会の真実』の中で、こう指摘している。
「自民党と公明党・創価学会との関係は、佐藤栄作-田中角栄-竹下登-小渕恵三の流れだと思われがちだが、それは実態と違う。
歴史的には、岸信介-福田赳夫-安倍晋太郎の方がより深いといえる。」
その例証として平野は2001年3月11日付『聖教新聞』の記事を挙げる。
それによると、1958年3月16日の本山の式典に首相(当時)の岸信介が出席する予定だったが、反対があってかなわず、名代として、岸夫人の良子、娘の洋子、洋子の婿で首相秘書官だった安倍晋太郎が出席することになったという。
この式典への岸の出席は、岸が自民党幹事長から親交のあった創価学会第二代会長の戸田城聖との縁で、岸が希望したものだった。
もちろん、岸の孫で晋太郎の息子の安倍晋三と創価学会・公明党との関係が浅からぬものであることは言うまでもない。

『公明党・創価学会の真実 』(講談社+α文庫)

1985年2月27日の夕方、田中角栄は脳梗塞で倒れ、東京逓信病院に担ぎこまれた。
時に角栄は66歳。39歳で郵政大臣となって以来、郵政省、電電公社は角栄の「天領」だった。
東京逓信病院は一般の人は入院できず、郵政省、電電公社、KDDの職員とその家族だけが診察を受けられる。
角栄は元郵政大臣として入院できる資格があり、ここに入院を主張したのは秘書の早坂茂三だった。
娘の田中眞紀子は、「医者や看護師に共産党員や創価学会員が多いので、外に病状が漏れる心配がある」と渋ったが、結局、早坂に押し切られた。
このことが、後に早坂が田中家に「切られる」原因となった。
この時、角栄倒れるという秘事を早坂から伝えられた田中派議員は、二階堂進、小沢辰男、後藤田正晴の3人だけで、「創政会」を作って田中派乗っ取りを図っていた竹下登と金丸信には知らされなかった。
吉田茂から福田赳夫まで、歴代首相の指南役と言われた安岡正篤という陽明学者がいた。
敗戦時の「玉音放送」の文案を添削したのは有名だが、池田勇人のつくった派閥「宏池会」の名付け親としても知られる。
佐藤栄作や大平正芳を含めて、特に官僚出身者が施政方針演説などに安岡の朱を入れることを求めたが、石橋湛山、三木武夫、田中角栄などの党人派は安岡からは遠かった。
官僚出身ながら、宮澤喜一だけは例外で、安岡を敬遠していたという。

2014年10月2日木曜日

早坂茂三の『オヤジの遺言』に、田中角栄の魅力を語るエピソードが紹介されている。
「寸志の渡し方」で、一番難しいのは旅先で先方が用意した車の運転手だという。
早坂が座席から渡せば済むと答えると、角栄は「駄目だ。俺やSPが見ている。心付けは誰もわからんところで渡すんだ。カネが生きる」と叱り、こう答えた。
「目的地に着けば、SPが下り、運転手が俺のドアを開ける。最後に君が下りる。運転手はドアの把手(とって)を握ったままだ。車の降り際に彼の手にしのばせろ。そこは死角だ。出迎えの連中は俺が目当てだ。誰も君を見ていない。わかったね。」
役人に渡す時でも、相手が断ろうとすると、
「君にやるんじゃないんだ。君が部下を慰労する時にな」
と言って、相手が自己弁明できるようにしたのである。

『オヤジの遺言』