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2017年2月10日金曜日

文京区の名前は「ふみのみやこ」で、つまり「学問の府」という意味からつけられている。
文京区内に本部をおく大学は12校と、千代田区の14校に次いで多い。
区内居住者に占める大学生の割合は6.2%と、区民の16人に1人が大学生という計算になり、23区の平均3.1%の2倍と最高である。
研究者も多く居住し、就業者千人に対するン厩舎の割合は8.7人と23区平均2.5人に対して、圧倒的に1位となっている。
現代の常識だと米国の共和党は「保守」、民主党は「リベラル」だが、共和党の前身は「連邦主義者党」で北部を地盤とし、産業振興を目指して奴隷制に反対する「進歩的な政党」、まさにリンカーンの党だった。
これに対して民主党の前身は「民主共和党」で、南部を地盤として、大規模農場経営のために奴隷制を維持しようとする「保守強硬派」だった。
民主党は奴隷制に対して、基本的に「やむをえない制度だ」という姿勢であり、あくまでも「移民してきた白人のための民主主義」でしかなかった。
その後、北部の民主党に移民などの多様な人材が流入し、リベラルな党に変身していく。
その変化についていけない南部の民主党員に、共和党が目を付けて、根こそぎ共和党員に鞍替えさせた。
そこから共和党は保守化し、「小さな政府」を志向し社会保障などに税金を使うことに反発するようになる。
だから、南部の共和党の保守的な支持層も、元々は民主党員だったのである。
ヒラリーの政策自体がブッシュ前大統領時代のネオコン的発想と変わらなかったが、ヒラリーは元々は共和党員だった。
高校生だった1964年の大統領選挙では共和党のバリー・ゴールドウォーター大統領候補の運動員になっている。
頑固な共和党支持者だった父親の影響で、自分も共和党員になったのである。
進学した名門女子大のウェルズリー大学では、一年生の時に青年共和党の議長に選ばれている。
その後、ベトナム戦争をきっかけに、戦争に関する共和党の思想に違和感を覚え、青年共和党を辞め、三年生の時に民主党左派のユージン・マッカーシー上院議員の反戦運動を応援している。
ヒラリー・クリントンの献金問題に追い打ちをかけたのが、2016年7月に公開された映画「クリントン・キャッシュ」上映だった。
原作はピーターシュヴァイツァーで、邦訳もある。
クリントン一家の慈善団体「クリントン財団」に外国企業が寄付する点がポイントで、法律上は外国からの政治献金は禁じられているが、海外から財団への寄付は可能となっている。
寄付を受けて、ヒラリー国務長官が、その企業に便宜を図らい、その企業の依頼で講演を行い、多額の講演料を受け取る。
夫のビル・クリントンは元大統領なので、講演料は跳ね上がる。

クリントン・キャッシュ

米国大統領選挙はお金がかかる。
2012年の大統領選挙では、オバマ、ロムニー両陣営合わせて4800億円が使われた。
今回、トランプの資産は2015年のフォーブス誌によると45億ドル、5404億円あり、選挙資金を賄うだけの資産を持っていると言える。
各候補者の試算総額は、共和党の予備選に出馬したカーリー・フィオリーナが5800万ドル、70億円。ジョブ・ブッシュが2200万ドル、26億4000万円。テッド・クルーズは350万ドル、4億2000万円。
民主党のサンダースは70万ドル、8410万円。
ヒラリー・クリントンは資産総額4500万ドル、54億円。
共和党のマルコ・ルビオは10万ドル、1200万円。
アメリカの白人層には、アメリカ社会の中で自分達が少数派に転落する、という危機意識がある。
2000年の国勢調査で69.1%だった白人は、2010年の国勢調査では63,7%に減少したのに対して、ヒスパニック系は12.5%から16.3%に急増している。
低学歴の白位゛ん労働者は低賃金で働く中南米からの移民に仕事を奪われてしまう、といった白人の不安がトランプ支持の背景にあるという。

トランプは、実はものすごく病的な潔癖症だという。
自分専用のトイレしか使えない。
イベントをなるべく自分が経営するホテルで行うのは、そのためだという。

トランプは有能なビジネスマンと言われているが、会社を4度も倒産させている。
経営力で成功したというより、ディールや脅しで富を作ってきた。
トランプは父親から莫大な財産を相続しており、それをそのまま投資信託に投資していれば、今頃はもっと金持ちになっていただろうと言われている。
各地に「トランプタワー」というビルがあるが、フォーブス誌の調査によると、単なる名義貸しが多く、実際の資産は本人が言っている額の半分程度だった。
金日成から金正日への権力の移行時にリーダー(首領)論が盛んに語られた。
その理論によると、2つの「福」があり1つは「人民福」で、こんなに素晴らしい人民を持っている、という首領にとっての幸福。
もう1つは「首領福」で、こんなに立派な首領を戴いている、という人民の幸福。
この二つの幸福の相互作用によって、我が共和国は成り立っている、と論じる論文が多く書かれた。
首領としては、こんなに素晴らしい人民がいるとへりくだり、人民としては、こんなにへりくだって下さる立派な指導者がいる、こんな幸福は無いという。
実はここには、最も低いものが最も高くなる、というキリスト教の論理が入っている。
そもそも金日成の両親は、長老派の熱心な信者で、自身もクリスチャンだった。
首都のピョンヤンは、マニラに次ぐアジア最大のキリスト教都市で、「東洋のエルサレム」と呼ばれたいたこともある。
北朝鮮のイデオロギーの根幹にはキリスト教的なものがある。
トルコでは2016年7月に軍によるクーデタ未遂事件が起きた。
反エルドアン派のクーデタは失敗に終わったが、ホテルから5分退避するのが遅れていたら、おそらくクーデタは成功して、今頃トルコは軍政になっていた可能性もある。
多くのイスラム諸国ではクーデタはイスラム原理主義者など、政教一致を求めるグループが起こすものだが、トルコはいつも逆で今回もエルドアン大統領が国政をイスラム原理主義の方向へ持って行こうとしていたのに反対し、軍部がクーデタをおこした。
トルコ建国以来の国是である世俗主義(政教分離)の守護神は、常にトルコ軍だった。
クーデタ未遂後、エルドアン大統領は3ヶ月の非常事態宣言を出し、議会での審議を必要とせずに、大統領を議長とする閣議で法律と同等の効力を持つ政令を出すことが可能となり、野党や自分に批判的なメディアを弾圧する手段を手にした。
既に粛清によって、軍関係者ら7500人を拘束、公務員2万5000人を停職、教員2万1000人の免許を取り消し、全国の大学幹部教員1600人に辞任を要求、裁判官2745人を解雇している。
さらにテレビ局、ラジオ局合わせて24局の免許を取り消し、大規模な批判勢力の弾圧を行った。
実際にこれだけの規模の人々がクーデタに関与しているならば、それほど簡単に制圧はされなかったはずである。
ロシア人には、選挙で自分達の代表を出すという発想がないという。
政治家とは天から降ってくるもので、「悪い政治家」と「うんと悪い政治家」と「とんでもない政治家」が降ってきて、「うんと悪い政治家」と「とんでもない政治家」を排除するのが選挙だと思っている。
我々が古代ギリシャの陶片追放の伝統を正統に継承している、とロシア人は言うという。
陶片追放とは、古代アテナイで、僭主の出現を防ぐために、僭主になる恐れのある人物を投票により国外追放にした制度のことである。
日本のエリートは自分自身に対する自信を喪失する一方で、社会に対する責任を放棄している。
その典型が裁判員制度である。
日本の司法試験は超難関試験で、検察官や裁判官になるエリートを選び出し、起訴されたら99.9%が有罪となる。
いわば完璧に近い制度で、その司法制度には何の問題もない。
つまり、裁判員制度など必要ないのである。
裁判員制度を導入した理由は、死刑判決を言い渡すのが怖いからであり、一般の市民にその責任を押し付けようとしているのである。
裁判員制度が導入されて7年経過するが、裁判員の選任手続きへの出席率が年々低下している。
裁判員候補に選ばれても4割の人が手続きに応じていない。
国民には裁判を受ける権利はあっても、裁判員になる義務はない。
本来ならば、憲法を改正しなければ、裁判員制度など導入できないはずである。
徴兵令と同様に、裁判員選ばれて応じなければ罰則まである。
民主主義とは、エリートの責任感と国民のエリートへの信頼感によって支えられるものである。
民主主義は世界中で機能不全に陥っている。
日本では民主主義が機能不全に陥っている状況を受けて、民主主義を迂回する様々な形態が生まれており、その一つが「諮問会議」である。
小泉政権の頃から、「経済財政諮問会議」が政策決定に大きく関与するようになったが、こうした位置づけの曖昧な会議で、重要な政策の中身が決定されている。
2016年8月初めに、臨時閣議で「アベノミクスを再起動させるため」として、「事業規模28兆円」の経済対策が決定されたが、その中身の殆どが経済財政諮問会議で決められ、何がどのように決定されたのか極めて不透明となっている。
不動産投資の税務について注意すべき点が2つある。
「固定資産税」は1月1日に不動産を所有している人が1年分支払う税金であるので、物件購入時に日割り計算し、買主側はその支払いを租税公課ではなく、物件価格に計上せねばならない。
物件購入の際に支払った「仲介手数料」も経費にはできないので、物件価格に含め、減価償却によって費用化していく必要がある。
総資産に対する日銀当座預金を中心とした「現金預け金」の比率が高い地方銀行
(2015年9月末現在)
スルガ銀行  22.4%
東邦銀行   20.7%
栃木銀行   18.6%
北國銀行   18.1%
横浜銀行   14.9%
福島銀行   14.5%
みなと銀行  12.1%
ふくおかFG  11.7%
千葉銀行   11.7%
ほくほくFG  11.5%
このリストの上位行は不動産投資物件への融資に積極的な銀行と考えられる。
日本の多くのレストランにおいては、コーヒーはシェフの仕事ではなく、フロアの仕事という特徴がある。
フロアでは、どうしても味や品質ではなく原価から入るので、利益が優先されてしまう。
だから有名シェフの店でも、シェフはコーヒーの味まで把握していない事が多く、コーヒーはこんなものだと思ってしまっているケースが多い。
コーヒーの銘柄は、コーヒーが採れた国の名前、地域の名前、山の名前、皆との名前から付けられている。
例えば、ブラジル、コロンビア、ベトナムなどは国の名前で、トラジャ、ハワイ・コナ、モカハラーは地域の名前、ブルーマウンテン、キリマンジャロは山の名前、サントス、モカは港の名前である。
それぞれに定義があり、トラジャはインドネシアのスラウェシ島のトラジャ地区で採れるコーヒー豆。
ブルーマウンテンはジャマイカのブルーマウンテン地区で生産されたコーヒー豆。
モカハラーはエチオピアのハラー地区で生産されたコーヒー豆となっている。
ちなみに、エメラルドマウンテンブレンドというコーヒー飲料があるが、エメラルドマウンテンという山は存在しない。
これはコロンビアの至宝エメラルドとアンデス山脈にちなんで、マーケティング戦略で名付けられた。
同じ銘柄のコーヒーでも、格付けや等級が細かく分かれている。
ワインと同様に、採れた農園、収穫年、輸送・保管の状態で品質に差が出る。
家庭で飲むコーヒーもいくつかの点に気を付けるだけで、アジも香りも格段にアップする。
コーヒーの味と香りは、素材の力で8割が決まってしまうので、できるだけ欠点豆の少ない鮮度の良い豆を選ぶことが重要となる。
真空パックで売られているものは良くない。
焙煎後の豆はまだ生きており、炭酸ガスを放出し続けている。
この炭酸ガスとともにコーヒーの香りを逃さないようにすることが重要なのに、このガスを抜いてからパックをするのが真空パックだからである。
欠点豆は、渋みや雑味、えぐみの原因になるので、これを取り除くことでクリアな味のコーヒーを飲むことができる。
粉の製品には欠点豆が含まれていても分からないから、「粉」より「豆」を選ぶ。
必要な量ほこまめに購入し、開封後は1週間以内に飲み切るようにする。開封後は密閉容器に移し替え、高温多湿を避け冷暗所で保管する。冷蔵庫や冷凍室での保管は、出し入れの際の温度変化や容器を開けた時に発生する結露でコーヒーが劣化してしまう。
抽出する直前に豆を挽き、この時、挽いた粉を茶こしに入れ、軽く微粉をふるい落としてから抽出すると、さらに美味しくなる。
微粉はいやな酸味や苦味の成分が出やすい傾向にあるので、面倒だがこのひと手間をかけることで、いつものコーヒーが格段に美味しくなる。
同じ豆でも、粗く挽くことでさっぱりした味になり、細かく挽くことで濃さが増す。
ナッツやチョコレート系の甘いスイーツと合わせる時は細かく挽き、和菓子などは粗く挽いたさっぱりとした味のコーヒーを合わせるとよい。
コーヒー豆を量る時は、計量スプーンで体積を量るのではなく、キッチンスケールなどの「はかり」で重さを量るようにする。
豆によって密度が異なるため、同じ体積でも重さが異なるからである。
体積で量ってしまうと、同じ量でも重さが違ってくるため、抽出後の濃さが違ってくる。
ペーパードリップで抽出する場合、1杯(150ml)の時は20グラム、2杯(300ml)の時は36グラム、3杯(450ml)の時は48グラムを目安にする。
2杯、3杯を一度に淹れる場合に、使用する豆を2倍、3倍にしてしまうと、濃すぎるコーヒーになってしまい、無駄に豆を使うことになる。
コーヒー抽出に適正なお湯の温度は85~90度が良い。
お湯の温度が低すぎると抽出力が弱まり、いやな酸味が出てしまう。逆に熱いお湯で抽出すると苦味が増してしまう。
また最初にお湯をさし、コーヒー全体が濡れたら、そのまま30秒ほど蒸らしをするのもコツである。
コーヒーメーカーで抽出したコーヒーは、保温機能は使わず、事前に湯煎した保温ポットに入れておくと、コーヒーが酸化しない。
伝統的にコーヒーは麻袋に入れて輸送されるが、ブルーマウンテンだけは木樽に入っている。
麻袋が使用される理由は軽くて安いからという理由だけで、油や匂いが強く、湿度も影響しやすい麻袋に入れて、しかもドライコンテナで40日~50日もかけて船便で輸入されている。
輸送方法や輸送に使う包装資材を変えるだけで格段にコーヒーの品質は良くなるが、コーヒー業界はコストを優先させている。
ちなみに40フィートのコンテナに可能なだけコーヒーを詰め込んで中南米から日本に船で輸送した場合、温度管理をしないドライコンテナと定温管理されたリーファーコンテナの生豆キロあたりの運賃の差額は20円前後となる。
この20円を惜しんでまで、品質よりコストを重視してしまっている。
ジャマイカでは伝統的にブルーマウンテン・コーヒーは木樽に入れて輸出することが決められており、これが付加価値に繋がっていたとも言える。
しかし、コーヒーの品質にとって何も良いことはない。
コーヒーの「ブルーマウンテン」にはピンからキリまである。
同じブルーマウンテン山脈でも北側と南側では土壌も日当り方も違い、品質に差が出るのは当然である。
こうしたことからブルーマウンテンは品質によって4段階に分かれている。
基本となる3割のブルーマウンテンに一番低い品質の古い豆を使用し、残りの7割に価格だけで選んだコーヒーをブレンドすれば、いまらでも安いブルーマウンテン・ブレンドを作ることが可能となる。
コーヒーは国際商品であり、世界の3割以上を生産するブラジルの天候次第で、世界のコーヒー相場は大きく変動する。
また円の為替相場も価格に大きく影響する。
これらコーヒー相場や為替相場の影響をブレンドすることでコーヒーメーカーはコストを吸収している。
日本ではブランド名にブランド名を使う場合、そのコーヒーを3割以上入れることが公正取引委員会で決まっている。
例えば「ブルーマウンテン・ブレンド」であれば、ブルーマウンテン地域で採れた豆が3割以上入っていなければならない。
アメリカ本土には何もルールは無いが、ハワイ州では州の法律で地名を使用したブレンドは1割以上入れる事が義務付けられている。
日本の3割ルールは、他の消費国にはない優れたものではあるが、残りの7割については何も規定はない。
驚くほど安価なブルーマウンテン・ブレンドが売られているのは、それ相応の理由がある。
コーヒー豆は果実の種子である。
コーヒーは熱帯植物のコーコーノキという植物の果実の種を煎ったものである。
コーコーチェリーと言われるように、その実は熟したさくらんぼのような赤い色をしている。
コーヒーノキは「被子植物門双子葉植物網アカネ目アカネ科コーヒーノキ属」に分類され、70種類ほどあると言われている。
赤道を中心とした南緯25度から北緯25度の間のコーヒーベルトと呼ばれるエリアで栽培されている。
その中で商業作物として栽培されているのは、主に「アラビカ種」と「カネフォラ種」の2種類である。
知名度が高いロブスタは「カネフォラ種」の品種の一つである。
現在、世界で清算されているコーヒーの7割はアラビカ種の仲間で、モカ、キリマンジャロ、ブルーマウンテンなどの銘柄がある。
アラビカ種は病気に弱いという弱点がある。
焦げた麦茶のような独特のいやな匂いがするカネフォラ種は病気に強く、1900年頃から普及し、現在では世界のコーヒー生産量の3割を占めている。
重荷インスタントコーヒーやブレンドコーヒーの一部に使用されている。
コーヒー店で、同じメーカーの同じ分量のコーヒーが、「豆」と「粉」で販売している時に、価格が違う事がある。
豆を挽く手間がかかる分、「粉」の方が高いのならば納得できるが、「豆」の方が高い事もある。
これは簡単な理由からで、粉にしてしまえば何を使っていても分からないから「粉」で売る商品には低級品を使用し、「豆」で売る商品の方には粒揃いの豆を入れているからである。
コーヒー業界には、ホテルやレストランに抽出器具を無償提供することや貸出することを条件に、コーヒーの長期納品契約を交わす商習慣があるという。
だから、納入するコーヒー豆は全てコーヒー会社任せとなり、他の食材のようにシェフが自ら品質や鮮度を吟味して選ぶための知識を得る機会が生まれない。
また、コーヒー会社は、このコストをコーヒー代に乗せてれないので、原料の質を落として利益を確保しようとするのである。
例えば、アラビカ種の中でも等級の低い原料を使うか、アラビカ種より3割程度価格が安く品質が落ちるカネフォラ種(ロブスタ)を使えば、簡単に原価を下げることができるという。
コンビニ各社のコーヒー抽出方法はそれぞれ異なる。
セブン-イレブンは不織布を使用したドリップ方式、ローソンとファミリーマートはエスプレット方式で抽出している。
ドリップ方式で抽出しているセブン-イレブンは、店内でコーヒーの香りが強く感じられる。
これはエスプレッソの機械が機密性が高く、香りが外に出にくいという理由からである。
ローソンとファミリーマートはエスプレット方式で抽出しているが、エスブレッソのように濃くはない。
これは「ルンゴ(イタリア語で長いという意味)」と呼ばれ、エスプレッソ用に挽いた豆をドリップコーヒーと同じ濃さにするために抽出時間を長くし、お湯を注ぎ続ける方式が採用されている。
ホットもアイスもローソンは苦味が利いている。
ファミリーマートは香りが優れている。
セブン-イレブンが電子マネーnanacoの購入データを分析して発表したところによると、缶コーヒー購入者は30~40代が多く、その割合は男性が78.6%だった。
一方、セブンカフェの購入者は、他のコーヒー飲料に比べて女性とシニアの比率が高く、購入客層は重ならないと判断したという。
さらに、セブンカフェ購入者の4割は、今までコーヒー飲料を購入したことが無かった人だという。
家庭で飲まれる珈琲を除いた日本のコーヒー市場(2014年8月)は年間295億杯で、缶コーヒーが半分の140億杯を占めている。
ちなみに、2014年の缶コーヒー市場は3億4300万ケースで、3年連続で減少している。
コンビニコーヒーの原価率は、およそ12~13%である。
だから1杯100円のコーヒーに12~13円の原価を掛けている計算になる。
他方、カフェやレストランの原価率は平均2~3%以下であり、1杯500円であれば原価は10~15円となる。
つまり、販売価格は5倍でもコーヒーの原価はほほ同じなのである。
コンビニコーヒーは、注文の度に1杯1杯抽出した挽きたて淹れたてを提供しているので、コンビニコーヒーの方が味のパフォーマンスが良いのである。
ワインは品質により明確に価格が設定されており、その価格が品質相当であると納得すれば消費者は対価を払ってくれる。
だからワインを提供する飲食店では、店の描く価格帯に合ったワインの品揃えをし、その品質相応の価格を設定している。
しかし、コーヒーに関しては、コーヒーの品質に関係なく、提供される飲食店の格に合わせて価格が設定されている。
日本人の多くが、コーヒーの価格は場所代だと割り切っている。
コーヒーの渋みやえぐみは、未成熟の豆が原因である。
欠け豆や虫食いは雑味をだしてしまうので、こうした欠点豆を取り除くだけで、コーヒーの味が格段に良くなる。
また、古くなった豆を焙煎しても美味しいコーヒーにはならない。
コーヒーはフルーツであり、本来は酸味を味わうものだということも知られていない。
抽出後、時間が経ったり再加熱したコーヒーを飲んだ結果、酸化した酸っぱさをコーヒーの酸味だと誤解している人が多いが、コーヒー本来の酸味と酸化した酸っぱさは全く別物である。
ドリップしたコーヒーは、抽出後に保温ポットに入れた場合、20分以内がおいしく飲める限界である。
ホットプレートで加熱した状態であれば加速度的に酸化してしまう。
戦前、火薬を製造する旧陸軍の東京第二造兵廠があった板橋区は、軍需産業の一大集積地だった。
15万坪に及ぶその用地は、終戦によって遊休地化し、その跡地利用として板橋区は大学と病院を誘致した。
日本大学医学部と附属板橋病院は戦前からあったが、東京家政大学、帝京大学、帝京大学付属病院、大東文化大学と着実に成果をあげていく。
軍需産業の集積地であった板橋区には、精密機械技術・光学技術が戦後に平和利用へと転用された。
測量機器・医療機器の大手・トプコンは、今も板橋区に本社と工場がある。
工場は地方に移転しても本社が板橋区内においている企業としては、ガス警報器の理研計器、センサーのチノー、スイッチの日本電産コパル、ヘルスメーターのタニタ、天体望遠鏡の高橋製作所などがある。
現在はリコーの傘下に入っているが、ペンタックスの旭光学工業も板橋生まれである。
また、軍楽隊の需要から生まれ、現在では世界的なサキソフォンメーカーに成長している柳澤管楽器も板橋に本社がある。
他にも、板橋を創業または事業拡大の拠点の地とする企業として、日本金属、高砂鐵工、リンテック、湖池屋、S&B食品がカレー粉の量産を始めたのも板橋区である。
大田区の名前は、旧大森区と旧蒲田区の一字ずつを取ったものである。
旧大森区の大部分は武蔵野台地上の「山の手エリア」に属し、大正末から昭和の初めにかけて開通した私鉄に沿って住宅開発が進んだ。
旧蒲田区は大正時代の初め頃までは一面の水田が広がっていたという。
2005年~2010年の間に区外から転入してきた人の前住地をみると、興味深い結果が浮かび上がる。
目黒区には5年前に神奈川県に住んでいた人が多い。
神奈川県と深いつながりがあるのは、大田区、品川区、世田谷区、目黒区、港区、渋谷区となっている。
世田谷区には東京多摩地域から転入してきた人も多い。
埼玉県からの転入者が多いのは、足立区、板橋区、北区、練馬区、豊島区となっている。
練馬区は多摩地域とのつながりも強い。
千葉県からの転入者が多いのは、江戸川区、葛飾区、江東区、墨田区、中央区となっている。
多摩地域からの転入者が多いのは、杉並区、世田谷区、中野区、練馬区となっている。
つまり、区と区外とのつながりは、従来の鉄道路線と一致している。
結婚して最初に家庭を構える場所は、いくつかの偶然が重なった結果に過ぎないが、この偶然は同一沿線での住み替え移動となっている。
鉄道各社の相互乗り入れが進んでも、同一沿線を志向する意識は崩れていない。
定住率(2010年国勢調査)
30歳以上のうち20年以上現在と同じ場所に住み続けている人の割合。
北区   44.7%
台東区  44.2%
葛飾区  44.0%
足立区  44.0%
墨田区  43.9%
荒川区  42.5%
豊島区  41.7%
中野区  40.7%
板橋区  40.4%
江戸川区 40.2%
杉並区  39.3%
新宿区  39.0%
品川区  38.9%
大田区  38.9%
渋谷区  38.9%
練馬区  38.4%
文京区  37.7%
千代田区 34.9%
江東区  34.4%
目黒区  33.5%
世田谷区 33.4%
港区   29.2%
中央区  22.3%
定住率が高い区が「負け組」に、定住率が低い区が「勝ち組」になっている。
文京区本郷の東京大学の敷地は、ほぼそのまま加賀百万石の前田家の大名屋敷跡である。
新宿御苑は信州高遠内藤家三万三千石の屋敷跡である。
三百諸侯と呼ばれた大名は、江戸に上・中・下の三つの屋敷を構えていた。
さらに抱え屋敷という別邸を持つ大名もいたため、江戸の街は大名屋敷だられだった。
大名屋敷には大きな庭園があるため、江戸の街は庭園だらけの街だもあった。
東京の中心部に緑が多いのは、これら大名屋敷の遺産にほかならない。
六本木ヒルズの中心のテレビ朝日は、長府毛利家の屋敷跡。
赤坂サカス、汐留シオサイトも大名屋敷跡である。
江戸の街は武家地が7割、寺社地15%、町人地15%とされるが、人口は武家と町人がほぼ半々だったため、狭い町人地に庶民は暮らしていた。
2013年の『住宅・土地統計』による1980年以前に建てられた住宅の割合は、北区が23区の中で一番高い。
団地先進地の北区は、昭和30~40年代に建てられた都営住宅や公団住宅が多いが、民営借家においても築33年以上の老朽化した住宅の割合が新宿区、豊島区に次ぐ3位となっている。
さらに北区の民営借家の平均面積は、中野区、新宿区に次いで狭い。
荒川区には荒川は流れていない。
昭和初め、荒川放水路ができるまで、隅田川が荒川の下流だった。
東京に35区あった1935年当時、35区の中で最も人口が多かったのは荒川区だった。
現在のように自動車輸送が発達していない当時、隅田川の水運に恵まれた荒川区に大中小の工場が集積し、その工員たちの住宅や消費が荒川区に繁栄をもたらした。
日本における集合住宅普及の歴史は、関東大震災後の住宅供給の担い手として設立された同潤会アパートまで遡る。
同潤会は東京23区に14のマンションを建設するが、その配置を見ると荒川区を含む東京東部の京浜東北線と明治通りの間に、8か所が集まっている。
昭和ヒトケタ当時、23区のどこがハイカラタウンだったかが、同潤会アパートの分布を見ると理解できる。
『江東区データブック』によると2015年の江東区の面積は40.2平方キロメートル。
ところが、終戦直後の1948年には22.5平方キロメートル、1882年には11.4平方キロメートルしかなかった。
江東区の面積は近代に入った過去130余年の間に3.5倍、戦後70年で2倍近くに膨れ上がったことになる。
東京23区最大の地場産業は印刷業で、出荷額のシェアは全国の2割を占める。
文京区の千川谷には共同印刷があるが、文京区は製本工場の数が23区で一番多い。
全国の製本工場の20軒に1軒以上が、文京区に集まっている計算になる。