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2016年1月2日土曜日

ヨーロッパでは「ウェストファリア条約」以来、近代的な戦争を2度もやって、もう殺し合いは十分だという感覚が草の根まで浸透している。
「ウェストファリア条約」は「ウェストファリア体制」とも呼ばれ、1968年にドイツで締結された条約で、近代における国際法発展の端緒となり、近代国際法の元祖とも言われる条約である。
この条約によって、ヨーロッパでは30年続いたカトリックとプロテスタントによる宗教戦争に終止符が打たれ、条約締結国は相互の領土を尊重し、内政への干渉を控えることを約束し、新たなヨーロッパの秩序が形成される事となった。
一方、幸いにもアジアではヨーロッパと比べて戦争が量的にも質的にも少ないことから、アジア人自体の中で、「アジア人」という共通認識がなかなか持てないという乱暴な考え方も一理ある。
日本の保守主義、民族主義の立場にある人は、鯨をとる権利が日本人には古くからあると、主張せねばならない。
捕鯨の権利は、アイヌだったら「先住民族捕鯨」の枠で、すぐに実現できる。
ノルウェーも先住民族の捕鯨ということでやっていて、日本だけがそれを言っていない。
日本政府は、最近やっとアイヌを先住民族だと認める事を検討し始め、単一民族説は否定しているが、腹の中では単一民族と勘違いしている政治家が大半を占めている。
民族には色々な定義があるが、言語共同体が拡大したものというくらいの発送が一番正しい。
日露関係が最も進んだのは、森喜朗総理とプーチン大統領が2001年3月25日に、イルクーツクの会談で声明を出した時だった。
この声明は、1956年の日ソ共同宣言(鳩山一郎が署名)と1993年の日露関係に関する東京宣言の双方を初めて明示的に記した外交文書だった。
この東京宣言はエリツィン大統領が細川護熙総理と東京で署名した文書で、国後島、歯舞島、択捉島、色丹島の帰属に関する問題を「両国間で合意の上、作成された諸文書および法と正義の原則を早期に締結する」と記している。
1959年の日ソ共同宣言から平和条約が結ばれた後、2島を引き渡すことが決められた。
そして1993年の東京宣言では、「4島の帰属交渉を行う」ことが記された。
この両方を認めた文書は、それまでになかった。
プーチン大統領末期の2008年4月26日の福田・プーチン会談で、このイルクーツク声明が確認され、「2島返還、プラスアルファ」という事で動きだしたのである。
ところが、急に4島一括返還でなければ絶対に認めないという外務省の一部の勢力が、鈴木宗男子・佐藤優氏を逮捕へ追い込む動きを取り、北方領土返還交渉の動きを止めてしまった。
ロシア政府の真意を知る必要がある時に読まねばならない新聞が1つだけある。
「赤い星」という新聞で、ロシア国防省の機関紙である。
旧ソ連では全ての新聞がじこかの政府機関の機関紙だったが、現在は政府機関紙は「赤い星」だけである。
機関紙的存在ということは、その新聞に出てくる内容は全て政府の公式見解ということなのである。

ユダヤ人は「希望」を信じる事が出来ず、ユダヤ民族には「待望」しかない。
希望にはこれからこういうふうになるという根拠があるが、待望にはそれがない。
一方、キリスト教は、イエスがメシア(救世主)という形で登場したから、人類は既に救われている、だから希望があると考える。
キリスト教では、人類史上最も悲惨だったのはローマ帝国支配下のパレスチナの紀元1世紀ということになっており、一番悲惨な所から神は自分の子であるイエスを送ってきた。
だから2000年後のアウシュビッツも広島も、イエスが現れた紀元1世紀のパレスチナに比べれば悲惨ではないという事になる。
ところが、ユダヤ教徒はそう思っておらず、もっと悪い事があるかもしれないと、過剰防衛をしようとし、過剰蓄財をしなければならないと考える。
イエズス会の本拠地は、南部ドイツのババリア(バイエルン州)にある。
イエズス会はマルチン・ルターらの犯行に対して、反宗教改革を進めた集団で、カトリック内部の復古主義派で、古い戒律を徹底的に守ろうとする保守会派である。
彼らは思想集団であるとともに、軍隊型の行動集団でもあり、反宗教改革はババリアから始まり、ポーランドのプロテスタントを打破しようとして、力がありすぎてベルラーシやウクライナまで進んでしまった。
しかし、その先まではうまくいかないので、ベルラーシのブレストという所で、ユニア教会という特殊なカトリック教会を考え付いた。
イエズス会のインテリジェンス能力は極めて高く、カール・マルクスも官僚の事を指して「国家と社会との間を取り持つ、ジェスイット僧侶集団だ」と書いている。
ドフトエスキーの作品の中には、イエズス会とフリーメイソンの事が良く出てくるが、これらの団体をものすごく嫌悪している。
イエズス会を嫌悪しているのは、ロシア人全体で、ロシア語で「ジエズイツト」(イエズス会)という単語を『岩波露和事典』で引くと、一番最初に「ジェズイット イエズス会士」という語義が出てき、二番目に「偽善者、策略家」という訳語が出てくる。
イエズス会という組織は、現地の週間に極力順応し、相手の社会に入り込もうとするからで、例えば中国では典礼問題を起こし、イエズス会士の幹部が、中国皇帝の前で跪いた。
他のキリスト教の会派は決して跪くことはない。
インドで布教した際には、キリストがどこで生まれたかという問いに対して、「馬小屋で生まれたのではない、イエスは貧しい大工の子ではなく、バラモンの子」だとした。
イエスを貧しい大工の子だとしたら、カースト制度のあるインドでは、誰一人キリスト教に帰依しないからである。
16世紀に反宗教改革の影響で、ロシア西部にカトリシズムが入ってきたが、ロシア正教徒はカトリックに改宗しなかった。
ところが、イエズス会だけは、ロシアに特殊なカトリック教会である「ユニア教会」を作った。
カトリックでは「東方帰一教会」と訳している。
これはロシア正教徒がカトリックに改宗するなら、今まで通り神父は結婚を認めるので2つの事だけ変えてほしいというもので、1つはローマ法王が一番偉いと言ってくれ、もう1つは「ニカイア・コンスタンチノポリス信条」にある、もともと「聖霊は父から発出した」とあったのを、カトリックが「聖霊は父と子から発出した」と後から挿入したのを認めて欲しいというものだった。
このように16世紀頃に、イエズス会は見た目は正教と全く同じ形のカトリック教会を作って、ロシアに入ってきた歴史があるという。
ロシアには極端に重要な新しい理論が生まれるが、その理論の需要は刷り部数で20~50部しかない。
そのくらいの人数の人にしか意味が分からないが、それでも本として出版される。
100部程度の出版部数しかない科学者の著書がよくある。
ロシアでは、インテリがもの凄く優遇されており、別荘を持つことができ蔵書の収容場所を心配する必要がなく、独自の村を持っている。
ロシうはインテリが政治の世界に出てこないようにするために、インテリに書きたいように本を書かせるのである。
社会的に広がりを持つ政治性を持たせないように優遇しているのである。
インテリが世の中ら危機意識を持って政治に出て来たら、ロクな事はないと、為政者はロシアの政治史をみて、はっきりと認識しているのである。
そもそもインテリは、既存の国家と社会に対して批判的である。
それでも過度に政治化していない人が尊敬されている。
教養の水準が高くない金持ちが政治に参加するのに対して、インテリは存在するだけで尊敬されるので、勉強していれば基本的に食べていくことができる。
ロシアでカネを借りる場合、大体が高利貸しからで、その際には保険会社の生命保険と抱き合わせになる。
そしてロシアの保険会社は全部マフィアが経営しており、銀行から借りたカネを返済できなくなったら、保険会社が補填したくれた後、保険会社は貸金を99.9%取り立てる。
ロシアの保険会社が持っている取立て屋は、「人間は目が2つある。腎臓も2つあるから、1つくらい売った方がいい、良い医者を紹介してやる」と脅してくるという。
リーマンショックで、世界最大の保険会社AIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)が巨額の税金を投入されて救済された。
AIGは日本でも、アメリカンホーム保険会社、アリコジャパン、AIGスター生命、AIGエジソン生命などを展開しており、一時は解約が相次ぎ、取り付け状態になっていたという。
また、自衛隊や教員組合の団体生命保険や年金運用やその再保険を、全部このAIGに任せていたので、金融庁は真っ青になったと言われている。
2008年9月15日に慌てて金融庁は、戦時の敵国資産の差し押さえと同じ「資産保全命令」を出し必死で「資産凍結」の対応し、AIGの日本支社にある資産を、AIGの在日幹部がアメリカ本社に送金するのを阻止した。
日本はロシアとは対等な関係であり、劣等感を持つ必要はなく、また外務省の中のいわゆるチャイナ・スクール(中国派)の人達も、同様に中国人と対等な関係である。
しかし、アメリカとの関係は対等ではなく、ワシントンの日本大使館員で、米院議員に会える人は誰もいない。
180人くらいいる職員のうち、共和党、民主党を合わせて、アメリカの内政問題を調査している大使館員は僅か2人しかいない。
外務省全体でアメリカの調査をやっている人間、内政・外政・軍事を行っている職員は僅か3人であるという。
防衛省の情報本部のアメリカ分析官はゼロであり、防衛省にはアメリカを調査する部署自体が存在しないのである。
これは日本の伝統で、例えばドイツ、イタリアについて本格的な調査を日本が行うようになったるのは、1941年に入ってからで、陸軍参謀本部第2部6課というヨーロッパ担当の部署が、同盟閣の調査をするのは失礼ということで、ドイツとイタリアに対して研究をしなかった。
戦争がいよいよ始まるというタイミングになって、調査研究のために16課という部署を新設して、同盟国の調査を始めたという歴史がある。
歴史はどようにでも作る事ができる。
例えば、大東亜戦争に日本が勝利していたとしたら、日本は宣戦布告せずに闇討ちしたということにはならなかった。
「ハルノートがアメリカの最後通牒だった」という歴史の物語になり、最後通牒の後は、日本が自由行動の権利として戦争に訴える権利を持つ事になり、宣戦布告をしなくても国際法には違反しなくなるのである。
日本語では発音が同じであるが「予言」と「預言」は全く異なった概念である。
「予言」は将来起こることを事前に述べる事であるのに対して、「預言」は神の意思を知ることができる特別の才能を持った者が、神から預かった言葉をこの世の人々に伝える事である。
世俗の価値にとらわれないある種の超越的感覚を持たなくては、預言をすることはできない。
金融機関が融資をする際に安全度を推し量る指標として「属性」が使られ、職業、年齢、収入、勤続年数、借入の有無、配偶者の有無、家族構成などの細かなチェック項目がある。
職業の部分で最も不利な扱いとなるのは、勤続年数か短い場合で、裁定でも3年以上勤務していないと一般的には融資を受けれないと言われている。
また、自営業や零細企業の社長も商売が好調であっても、サラリーマンより収入が不安定と見なされる。
配偶者の有無については、奥さんが主婦であっても働き手が複数いるという理由で有利にみられ、子供の人数は多いほど不利となる。
ある銀行では子供1人に対して、年間の成果付が150万円かかるとして試算されている。
ただ、融資担当者によると、その人の職業や年齢、金融資産の残高を見れば、普段からどのくらい真面目に努力してきたかが伺えるという。