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2017年4月8日土曜日

最近の若い世代は仕事や課題を与えた時に、先に正解が何かを求めたがる傾向がある。
何が正解で何が不正解なのかを気にしすぎて、なかなか行動に移せない。
正解を探すのではなく、正解にしてしまう力が必要である。
自分なりに仮説や理論を立てて、まずは行動してみることである。
一つひとつの選択そのものに、最初から明確な正解や不正解があるわけではない。
選択した後で、それが正解だったと言えるように行動することであり、自分なりの解釈ができ「正解にしてしまう力」があるかどうかの問題なのである。
現実は偶然の断片かもしれないが、それを有意味につなが合わせる力、いい意味でストーリーを作り上げる力、つまり自分の選択を正解にしてしまう力を持つことが、時代を生き抜く強さなのかもしれない。
その際には、読書が大きな力となる。
良書を読んで様々な人生を疑似体験すれば、ストーリーを組み立てる力が高まるからである。
SNSなどのネット環境も自己愛型人間を増殖させる温床となっている。
自分の近況をアップしては、幸せで有意義な生活を送っているとアピールし、「いいね」を多く押してもらうことで、認められ称賛されていることを確認して満足する。
自己愛型人間にとって、これほど都合の良いコミュニケーションツールはない。
誇大妄想や被害妄想も自己愛型人間の特徴である。
自分を中心に世の中の全てを解釈するので、少しでも思い通りに事が運ばないと、誰かのせいで自分が割を食っている、不当な扱いを受けていると考えがちになる。
自己愛性パーソナリティ障害者は、実は自分を本当の意味で受け入れ、愛することができない人である。
彼らが自分を特別な人間だと思い込み、称賛を求める裏側には、それくらい強く思い込まねばならない程の自己評価の低さがある。
ただし、それは無意識でのことで、意識上では本気で自分が特別な存在だと思い込んでいる。
だから、この思い込みを揺るがすような事実には一切目を向けようとせず、それすらも上手くいかず、現実と向き合わなければならなくなった時に、この人達は突如として攻撃的になることがある。
自分の自己像や自己認識を否定しようとする相手に対して、この人達は手段を選ばず、激しく抵抗し、避難し、時には根も葉もない噂を周囲にまき散らしたりしてまで、相手の人格を否定しようとする。
客観的に事実に向き合うことで自分が傷つくくらいなら、その危険を与える対象を抹殺することの方を選ぶ。
自己愛性パーソナリティ障害の相手と恋愛関係になった時、恐るべきは正にこの修羅場である。
自己愛性パーソナリティ障害の人にかかわってしまうと、多くのものを失う可能性がある。
この人達の自信は非常に脆弱で不安定なものであり、本来の自己像から目を背ける事で作られた欺瞞の自己像であり、偽りの人格である。
それゆえに彼らの言動は必然的に虚偽に満ちたものになりがちで、まるで息をするように、口から自然に嘘や作り話が飛び出すことがある。
詐欺師の多くが、自己愛性パーソナリティ障害なのかもしれない。
自己愛性パーソナリティ障害を持つに至るのに、決定的なのが幼少期の環境であり、両親との関係だと言われている。
一つは親が厳格であり、常に否定され認められることがなかった場合、親の愛情を受けたという実感が乏しく、中には虐待などを受けてまったく親に対する信頼感や愛情を持てない場合に、発症しやすいとされている。
逆に過剰な愛情をかけられた場合も障害を発症することがあるという。
過保護で過干渉を受け、小さい頃から特別扱いされ、殆ど叱られたことがなく育った人の中にも、この障害になる人がいる。
いずれの場合も、バランスを欠いた育てられ方をした為に、人格が真っ当に成熟することなく、歪んだまま成長してしまう。
子供に対する過度の称賛や期待は、自分の劣等感の埋め合わせや見栄、虚栄心を満たすためかもしれない。
親自身の自己弁護、自己愛から子供を単に甘やかしているだけれの場合が少なくない。
結局、本来受けるべき真っ当な親の愛が不足しているため、本質的なところで自分に対して自身が無い。
無意識の中に大きな不安感を抱えているのが、自己愛型人間の特徴なのである。
アメリカ精神医学会が発表している「精神障害の診断と統計マニュアル」(DSM-Ⅳ-TR)によると、自己愛性パーソナリティ障害の人物の特徴として、以下の点が挙げられている。
1.自分が重要であるという誇大な感覚・
2.限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。
3.自分が「特別」であり、独特であり、ほかの特別な、または地位の高い人達だけが理解し得る、または関係があるべきだ、と信じている。
4.過剰な賛美を求める。
5.特権意識。
6.対人関係で相手を不当に利用する。
7.共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。
8.しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。
9.尊大で傲慢な行動、または態度。
以上の9つのうち、5つ以上当てはまれば自己愛性パーソナリティ障害と診断される。
何の根拠もないのに「物事は自分の思い通りになる」と信じて疑わない、客観的に物事を見る事ができない「困ったちゃん」が増えているという。
自己愛が病的に強いケースを「自己愛性パーソナリティ障害」と言うが、男女の恋愛はもちろん、真っ当に人間関係を築けない人が増えているのは、この自己愛型人間が増えていることが大いに関係していると思われる。
自己愛型人間は自分の都合を全てに優先させる。
他者の存在は希薄で、関心があるのは自分のことが殆どである。
一応は他人と付き合うが、心の通った信頼関係や友情を築くことはできないという。