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2015年3月30日月曜日

中年サラリーマンの再就職問題は、退職自衛隊員のキャリアが参考になる。
自衛隊の多くの隊員が55歳で定年を迎えるが、定年後の転職成功率は、ほぼ100%だという。
自衛隊は退官自衛官のサポートが手厚く、定年前の3年間は資格・免許の取得支援が受けられる。
自衛官が選ぶ退職後に就職に有利な資格は、「電気工事士」である。
「第二種電気工事士」ならば、6万円かけて通信教育で2ヶ月勉強すれば筆記は通る。
技能試験は、実際に回路配線を試されるが、パターンが決まっているので難しくない。
資格取得後の選択肢は多様で、一番給料が高いのは大手家電量販店の嘱託となり、歩合制でクーラーの取り付けを担当すれば、年収800万円を目指せる。
最も一般的なのは、ビル管理会社に就職するケースである。
ビル管理の仕事は、数年前までは「第二種電気工事士」「二級ボイラー技士」「危険物取扱者乙種第4類」の3点セットが必要だったが、最近は施設にボイラーが無い事が多く、「第二種電気工事士」を持っていれば雇用してもらえる。
注目される資格は2004年に制定された「国民保護法」により市町村は住民を守る事が義務付けされ、施設管理の仕事に就きやすい「防災管理者」で、「甲種防火管理者」とセットで取得する。両方とも講習を受けるだけで貰える穴場的資格である。
<資格取得までの勉強時間の平均値>
TOEIC900点   4,000時間
公認会計士    3,600時間
税理士      2,500時間
不動産鑑定士   1,500時間
司法書士     1,000時間
中小企業診断士  1,000時間
簿記一級      800時間
社会保険労務士   700時間
監査業務はどこがやっても大して差は出ないので、昔から「三大監査法人の監査料は本社の地価に比例する」と言われている。
丸の内にある「トーマツ」が一番高く、飯田橋にある「あずさ」が一番安い。
銀行員は「入行直後の配属が人事からのメッセージ」とよく言われる。
新橋、日本橋、銀座といったオフィス街に近い繁華街への配属なら将来の幹部候補だが、下町だと期待度は少し落ち、郊外だとそのまま組織の足として使われる事が決定するという。
実際に、旧・日本興業銀行では、「頭採用」「胴体採用」「足採用」という言葉があった。
日本でコモディティ化した資格の代表格が弁護士である。
2004年に創設されたロースクールによる法曹人口増員計画により、この15年で弁護士の数は倍近くに増えている。
2000年の17,126人から2014年には35,045人へ。
新司法試験組の中には、年間40万円程度の弁護士登録料が支払えずに、資格を返上する者までいる。
ちなみに、日本国内の弁護士3万人のうち「企業内」は2%に過ぎないが、アメリカでは法律事務所勤務の弁護士は一部であり、2010年にロースクールを卒業した3万6000人のうち、15%は企業、19%は政府や公共機関に就職している。
金融人財コンサルティング会社の「エグゼクティブ・サーチ・パートナーズ(ESP)」によると、2008年3月当時、日本における外資系金融機関(証券、銀行、資産運用、投資会社など)の社員数は2万8169人いた。
しかし、リーマンショック後の2011年9月には、2万2139人に減少している。
リーマンシヨック直後のリストラ第一波により4198人が解雇され、リストラ第二はにより数百人規模で解雇された。
つまりリーマンショック前から6030人、21.4%も減少したのである。
ブルームバーグによると、2007年から2011年9月までに、世界の金融機関が削減した人材の合計は60万人に達したという。
失業率と実質GDP成長率の関係は、オークンの法則で明らかになっており、実質GDP成長率が高まると、失業率は低下するのである。
また、インフレ率と失業率は、フィリップ曲線で関係を示すことができる。
インフレ率と失業率は逆の方向に動き、インフレ率が伸びれば失業率は低下する。
つまりアベノミクスが目標としている「実質GDP成長率2%」「インフレ率2%」「失業率3%台前半」というのは、中身は同じであり視点を変えて表現しているたげである。
政府が目指しているのは「経済成長率」であり、日銀が目指しているのは「インフレ率」であり、同じ経済状況を目指しているのである。
日本のバブル崩壊の引き金を引いたのは、2つの通達だった。
1つは1989年12月26日に、大蔵省証券局から出された「証券会社の営業姿勢の適正化及び証券事故の未然防止について」(いわゆる「営業特金禁止通達」)により、証券会社が損失補填する財テクが事実上禁止され、「株バブル」が終わった。
もう1つは、1990年3月27日に、大蔵省銀行局から出された「土地関連融資の抑制について」(いわゆる「不動産融資総量規制通達」)により、不動産向け融資が絞られ、「不動産バブル」が終わった。

バブル当時、「ファントラ」と「営業特金」だけ、株式売買回転率ず異常に高かった。
「ファントラ」とは、ファンド・トラストの略で、運用方法を信託会社に任せる金融商品のことである。
「営業特金」の「特金」とは、特定金銭信託の略で、証券会社の財テク手法のことである。
法形式は異なるが、共に経済的にはほぼ同じく「証券会社に運用を信託する手法」のことである。
当時、企業が財テクに走るのには、抜け道があったからである。
企業が特金を設定し、本体で所有している有価証券を特金に移管すると、本体が所有している有価証券の帳簿価格を変えずに有価証券運用を行えるというメリットがあった。
つまり、有価証券が保有する有価証券に莫大な含み益が発生しても、その含み益を顕在化させない形で、有価証券を運用できたのである。
これを「簿価分離」というが、税制の歪みが悪用されていた。
また、当時の法令上、売買一任は事実上は禁止されていたが、営業特金についてもは野放しだった。
そして、当時の法令でも、事前の損失補填は禁止されていたが、事後の損失補填を禁止する明文上の規定は無く、法令の不備があった。
証券会社は、この営業特金と共に、時価発行増資を顧客に勧めていた。
増資を持ちかけて、一方で営業特金のファンドを使って、その会社の株を買い上げることで、企業は時価発行増資時に莫大な資本がタダ同然で手に入れる事が可能だった。
バブルは世界ではよく見られる現象である。
不良債権問題があったかどうかでバブルの有無を判断するならば、先進国、新興国を問わず、世界的には常に発生している。
IMFのレポートによると、1970年から2007年までに、不良債権問題による銀行危機が124例も発生している。
同レポートでは、日本の銀行危機の財政コストはGDPの14%、生産損失はGDPの18%とされている。
世界各国の銀行危機の平均的な財政コストはGDPの13%、生産損失はGDPの20%となっているので、日本のバブル崩壊による損失は平均的な数字である。
デフレというのは、一般物価の話である。
一般物価には、耐久消費財、非耐久消費財、半耐久消費財が含まれる。
少子高齢化社会では、生産人口が減少し高齢者が増えることなり、生産人口が減ると家電などの耐久消費財の物価は確かに下がる。
しかし、高齢者人口が増えると、高齢者向けサービスなどの非耐久消費財の需要が増え、価格は上がる。
このようなサービス価格も含めた価格が、一般物価なのである。
つまり、人口減少でデフレになるかどうかは、サービスなどの非耐久消費財も含めた一般物価で決まるこになるので、人口減少になるからデフレになるとは限らない。
日本ではバブル期は一般的には1987年から1990年までを指すが、価格が上っていたのは土地や株などの一部の資産だけで、一般物価はそれほど上がっておらず、むしろ物価は健全な範囲内だった。
<1987年から1990年のマクロ経済指標>
名目GDP成長率 5~8%
実質GDP成長率 4~5%
失業率     2~2.7%
物価上昇率   0.5~3.3%
 

2015年3月29日日曜日

過去20~30年のデータを取ってみると、プライマリーバランスは1年前の経済成長率で決まっている事が分かる。
1年前に経済成長をすると翌年の税収が上がる。
つまり、名目成長率が高いと翌年の税収が上がり、プライマリーバランスが改善され、財政再建ができるのである。
よって、「財政再建には増税しかない」というロジックは間違っている。
増税すれば可処分所得が減り、需要が減ることになり、経済成長率が下がってしい、財政再建を妨げる要因となる。
欧州中央銀行(ECB)が名目金利を「マイナス金利」にせざるを得なかったのは、彼らが予想インフレ率を高めることができないからである。
マネタリーベースを増やせば、予想インフレ率は高まるが、ECBはマネタリーベースを増やすのが難しい。
多くの国の連行体であるEUは、統合通貨「ユーロ」を作ったが、財政政策は各国ベースで行われており、国債も各国が独自に発行している。
通常、中央銀行がマネタリーベースを増やす時には、市場から資産を買い上げる。
国債などを市場から大量に購入することでマネーの量を増やすのである。
ところが、ECBの場合、どの国の国債を買うのかを決められない。
どの理事も自国の国債を買うよう主張するので、結局、どの国の国債も買えずに量的緩和ができない。
その結果、ECB自体の制度的な限界が原因で、名目金利がマイナス金利ということになるのである。

2015年3月25日水曜日

アメリカでは1990年代に「物価連動国債」が発行された。
物価連動国債とは、物価に連動して価格が調整される国債のことである。
この物価連動国債によって、マーケット参加者が考える予想インフレ率の平均が分かる。
例えば、10年物の物価連動国債を発行すると、その物価連動国債の利回りが出る。
これと普通の10年物国債の利回りの差を出汁、それを10年間で平均したものが予想インフレ率となる。
アメリカはその数値を金融政策の判断に参考にできると考えて、1年債、3年債、5年債など様々な物価連動国債を発行しており、それぞれの期間の「予想インフレ率」を算出できる。
アメリカでは、物価連動国債が国債発行額の4分の1の規模にまで達している。
日本でも2003年に初めて10年物の物価連動国債が発行されたが、2008年9月のリーマン・ショックを機に、発行が停止されてしまった。
ちなみに、リーマン・ショックを機に物価連動国債の発行を停止した国は日本だけである。
第二次安倍内閣の発足後、2013年に物価連動国債の発行が再開され、予想インフレ率が可視化された為、日銀は予想インフレ率を見ながら金融政策の判断をしている。
経済は予測インフレ率で動いており、予想インフレ率は実質金利に影響を与える。
実質金利=名目金利-予想インフレ率
企業経営者の先優予想を調査しているのが、3ヶ月毎に発表される「日銀短観」で、各企業が3ヶ月後の業況を予想し、それが数値としてまとめられている。
この日銀短観の調査に、2014年3月から「企業の物価見通し」という指標が加わり、1年後、3年後、5年後の物価上昇率を予測している。
企業の投資判断に影響を及ぼすのは、実質金利であり、投資行動を左右するのは、将来の予想である。

消費税の性格から見ると、消費税は社会保障財源にはなりえない。
税理論からすると、国は所得再分配機能を担うので、税源は各人の能力に応じて払う「応能税」が適している。
一方、地方は公共サービス機能を担うので、税源は各人の便益に応じて支払う「応益税」が適している。
消費税は徴税コストが少なく、安定財源であるので、本来は地方税にするのがふさわしい。
実際に、分権が進んでいる国では、消費税は地方の税源になっている。
社会保障は所得再分配政策であり、国の業務部分が多いので、地方の税源であるべき消費税を税源にしていない。
財政破綻論者は、金利について片側しかみていない。
名目金利(長期金利)は大体、名目GDP成長率とほぼ同じくらいになる。
つまり名目金利が上昇する時には、もう一方で同じ程度の率で経済成長が起こり、実体経済が良くなっているのである。
経済成長が起こると、税収が増え財政収支は改善され、財政健全化に向かっていくので、破綻することはない。
財務省のサイトの中に「財務大臣になって財政改革を進めよう」というシミュレーシヨンゲームがある。
このゲームでは中期財政計画(2013年8月)における政府の財政権限化目標が基礎となっている。
ゲームには、国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)について、2015年までに赤字半減、2020年までに黒字化するという2つの目標がある。
しかし、健全化の手法について、歳入の増額と、歳出の削減しか選択肢がなく、結論として「増税を認める」か「社会保障を減らす」かのどちらかを選ばないと目標を達成できない。
「経済成長による税収増」、「増税による景気低迷に伴う税収減」という事は考慮されていない。
私が大臣になると、「目標を達成することができませんでした。行政サービスの停滞など、将来世代に更なる負担を残す事になりました」というメッセージが出て、高齢者が苦しんで、学校が廃校になり、山火事が消せず、交通事故が多発する恐ろしいイラストが出てくる。
つまり、「こんな悲惨な状況を避けるは、増税しか選択肢はない」という国民教育のツールなのである。

経済理論の中に「課税の標準化(タックス・スムージング)」という考え方があり、課税のインパクトを薄く延ばすことが重要だということである。
今回の復興税のように、一度にある特定の世代に課税して賄おうとすると、震災のショックと増税による経済への悪影響によて二重のショックを与えることになる。
従い、東日本大震災のような大災害の場合は、増税ではなく国債を発行すべきである。
仮に100年に1度の震災であれば、100年債を発行し、100分の1ずつ時間を分散して償還していくのである。
物価統計といえば、総務省の消費者物価と日銀の企業物価が代表的なものだった。
総務省では、8000世帯に毎月、家計思慕の記入を依頼し、それを集計した家計調査を行っている。
家計調査から支出額の多い588品目を指数品目として採用し、品目については毎月同じ銘柄のものを調査する。
これらを集計して消費者物価指数を月に1回公表している。
総務省統計では、品目を5年に1度しか改訂しないので、物価が安くなって消費が増えた品目は相対的に過小評価となり、この上方バイアスにより真の値より高めに出る可能性がある。
しかし現在は、スーパーなどの民間企業ではPOSシステムのデータを集計して分析し、営業管理に活用している。
このPOSデータを使用して、東京大学が毎日「日次物価指数」を公表している。
POSデータなので総務省統計のように調査する品目を決める必要がないので、上方バイアスが少ない。
ただし、東大日次物価指数は、全国300店舗のPOSデータであり、スーパーやコンビニで扱う商品だけなので、総務省統計と異なり、全ての物品をカバーしているわけではない。
家電などの耐久消費財やサービスは対象外で、カバーしているのは総務省統計の17%程度であり、消費税抜き価格になっている。

財政破綻の確立を確認する経済指標として、国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の先物商品がある。
各国の国債が破綻した時に、手持ちの国債の損失を保障してもらう保険料のようなもので、そのレートが低いほど安全である。
この指標は格付会社の恣意的な格付けと異なり、金融機関が身銭を切って市場で取引しているものなので、客観的な指標である。
2015年3月末現在、米国0.14%、英国0.20%、独0.16%、日本0.37%、仏0.41%、ギリシャ20.32%となっている。
この数字が50%であれば、2年間保険料を払うと破綻した時に補償してもらってトントンとなり、2年に1回破綻するといってもよい。
日本の数字は、270年(1÷0.37=270)で1回デフォルトがあるかないかの程度である。
この指標を知っておくと、日本の財政破綻が近いかどうかが判断できる。
もし今、10年以内に日本が破綻すると考える人は、0.37%の保険料を10年間払い続ければよい。
3.7万円支払えば、日本の国債が償還不能になったら、100万円手に入り、27倍の儲けとなる。

JGB CDS USD SR 5Y チャート

2015年3月22日日曜日

日本では耐震性が不十分で命を守れない住宅が多い。
実際に、阪神・淡路大震災で死亡した人の85%が建物の倒壊原因で亡くなっている。
2006年に施行された耐震改修促進法に基づき、政府は2015年までの10年間で、住宅や特定建築物の耐震化を全体の9割に引き上げる基本方針を策定した。
しかし、耐震化は進んでおらず、持ち家3037万戸のうち耐震診断を行った住宅は314戸しかなく、耐震基準が強化される前(1980年以前)の建物では僅か62万戸だった。
耐震改修工事を行ったのは107戸で、1980年以前の持家では44万戸に過ぎない。
住宅ローンの借入れ先金融機関や不動産販売会社で、火災保険の契約をする必要はなく、火災保険は商品も補償内容も補償期間も自由に選ぶことができる。
火災保険の契約を融資の条件にすることは、保険業法により禁止されている「抱き合わせ販売」に当たり、認められていない。
かつては、金融機関からすると住宅ローンの担保物件が火事で失われた際に、金融機関が優先的に火災保険金を受け取れるように、火災保険に「質権」が設定されていた。
しかし、最近は火災保険に質権を設定する金融機関は殆どない。
地震保険では、通常では鑑定人が建物の状況を確認して損害の大きさを判定し、支払う保険金の額を決定する。
しかし、東日本大震災では被害が甚大であり、個別調査を実施していては保険金支払いまでの時間がかかる為、地震直後から様々な取組が行われた。
画期的な対応のひとつが「全損地域の認定」だった。
航空写真・衛星写真ほ用いて被災地域の状況を確認し、津波で破壊的な被災を受けた区域を「全損地域」に認定し、この地域内にある地震保険の契約を全て「全損」として認定した。
これにより、全損待機にある建物については、個別鑑定を受けることなく、保険金がすみやかに支払われた。
また、全損地域以外にある建物でも、損害が一定の条件に合致する場合には、本人の承諾のもと、契約者の自己申告に基づいて書面調査を行う「自己申告に基づく書面調査」を取り入れた。
契約者地震で書類を整えれば、鑑定人を待たずに保険金の請求が行えるようにした。
被災者に対する損害保険業界を挙げたこれらの対応は、特例措置として日々更新され、新設させていった。
利益を生まない地震保険に対して業界がこのような尽力を尽くした事は、高く評価されるべきである。
地震に備えるための保険には、地震保険、共済の他に、少額短期保険業者である「SBI少額短期保険株式会社」が取り扱う地震補償保険「リスタ」がある。
リスタは単独で加入でき、地震保険と共済は両方合わせても建物の価値までの契約となるが、リスタは+αの形で加入ができる。
地震保険や共済は建物や家財の価値に応じて保険金額が決まるが、リスタは世帯人数と、確保したい最大補償額の大きさからタイプを選択できる。
リスタでは、自治体による「り災証明書」の判定結果がそのまま適用される。
加入できるのは、1981年6月以降に建設された自宅が対象となる。

地震保険に関する法律では、「警戒宣言」が発せられた場合、地震防災対策強化地域に所在する建物・家財については、市世親保険の新規引き受けや、既存契約についての保険金額の増額ができないことになっている。
現在は、東海地震の地震防災対策強化地域として、 1都7県 157市町村が指定されている。

地震保険に加入できるのは自宅のみで、建物と家財に分かれている。
家財については、生活用家財全般が補償の対象となるが、1組30万円を超える宝石や骨とう品等、贅沢品は低所外となる。
ちなみに、自転車ゆ125cc以下の原付自転車は家財に含めることができるが、自動車は地震保険の対象外となる。

2015年3月21日土曜日

地震保険は巨額の保険金を支払う必要があるため、保険金の支払責任の一部を政府が負担することになっている。
しかし、政府といえども無限に責任を負うことはできないため、1回の地震における保険金の支払限度額を7兆円(平成26年4月現在)と定められている。
この7兆円という額は、関東大震災級の地震が発生した場合でも支払保険金の総額がこの額を超えることがないように決定されており、適時見直されている。
阪神・淡路大震災で支払われた保険金額は783億円。
東日本大震災で支払われた保険金額は1兆2,579億円。
地震保険加入者が支払った保険金は積み立てられており、2013年3月末時点で政府・民間準備金残高は1兆3,698億円になっている。
責任準備金を超える支払が生じる場合は、政府は補正予算を組み、保険会社は銀行への借入れで資金調達することで、地震保険金が支払われると法律に定められている。
東京にいる各国の諜報員の殆どが外交官カバーをつけている。
大使館は、特命全権大使、特命全権公使、公使、参事官、一等書記官、二等書記官、三等書記官、外交官補という順番になっている。
大体、参事官か一等書記官、二等書記官のランクで、諜報員が外交官のふりをして勤務している。
諜報機関の責任者である「ステーション・チーフ」は、本当は大使ぐらい偉いが、大使にしておくとトラブルがあった時に外交問題になるので、参事官クラスになっている。
外交官の中で金回りがいいヤツは、諜報員と思った方がよい。
日本では対外諜報機関を内閣官房の中に置くという議論をしているが、素人の発想である。
対外諜報機関は、必ず違法活動をするので、内閣官房に置いたら、すぐに官房長官や総理大臣に責任が及んでしまう。
例えば、イギリスのSIS(Secret Intelligence Service、イギリス情報局秘密情報部)は、実態は首相に直結しているが、外務省の外務副大臣の下にある組織である。
違法活動をした時に、大臣は知らなかった、当然、女王陛下も知らなかったことにするためである。
イスラム国は、2020年までに東はインド、西はスペインまで取り戻すと言っている。
スペインというのは、イスラム王朝が支配していた土地を15世紀にキリスト教徒のレコンキスタ(国土回復運動)で取り返されたのを、もう一度取り戻すという意味である。
東では17世紀から18世紀にかけて、インド大陸の大半を支配していたムガール帝国を取り戻すと言っている。
つまり過去のイスラムの栄光を再び取り戻すという発想である。

2015年3月20日金曜日

今後、アメリカにおいて、イスラム教徒の増加が問題となる可能性がある。
これまでアメリカ国内にいるムスリムは、中東で情勢が険悪化して逃げて来た人達が大半だったが、これからはアメリカで生まれ育った黒人が、差別させる生活の中で、「本当に神のもとで平等なのはイスラム教である」と考えてムスリムに改宗する動きが起きている。
より切実な問題として、モスクに行けば食事にありつけ、食の不安は解消される。
キリスト教のイエス・キリストのような媒介物がなく、イスラム教は神様と直結している。
全てはアッラーと自分の関係なので、例えば約束の時間に遅れても、ムスリムは謝らず、「アッラーを恨むな」と言う。
「私が遅刻したのは、アッラーが遅れるようにしたからで、アッラーを恨むな」という感じになる。
待ち合わせの時間を約束しても、最後に「インシャラー」と挨拶されたら、約束の時間に来るか分からないと理解せねばならない。
インシャラーとは、「アッラーが望むなら」という意味だからである。
アメリカには深刻な「2050年問題」がある。
建国以来、圧倒的に優位だった白人が、人口数として少数派に転ずるという問題である。
ヒスパニック、今は「ラティーノ」と呼ぶことになっているが、ラティーノの人口が増加は、共和党にとって深刻な課題となっている。
ラティーノは、大きな政府主義、民主党支持者が多く、共和党が選挙に勝てなくなるという問題がある。
民主主義を錦の御旗として掲げてきたアメリカでも、民主主義を迂回する方法として、今の日本と同様に正当性が不明確な諮問会議のような仕組みが、影響力を持ってくるようになる。
エマニュエル・トッドというフランスの人口学者が著書『移民の運命』の中で、アメリカにおいて今後、次のような事態が起きるだろうと予言している。
民主主義が成立する国は限られていて、相続が兄弟間で平等な国だけである。
総軸が平等な国は、世界でもフランスのバリ盆地と地中海沿岸のヨーロッパしかありえない。
日本のような長子相続、アングロサクソンのような遺言による相続の社会では、兄弟は差別される。
アメリカの場合は、「黒人の差別の上に白人だけの平等が成り立っている」という構造があって、この構造はいくら公民権運動をやっても変わらない、黒人差別は最後まで残る、というのがトッドの見方である。

移民の運命 〔同化か隔離か〕

尖閣諸島をめぐる中国の最大の弱点は、「台湾省の中に尖閣諸島がある」と認定していることである。
中国は「尖閣諸島は台湾のもの」で、「台湾は中国のもの」で、だから「尖閣諸島は中国のもの」という三段論法で迫ってきている。
つまり、交渉において当事者である台湾を除外することができない。
よって日本として尖閣問題を軟着陸させる方法として、連邦制をとり「琉球州」とし、外交権を一部付与し、地方政府同士に交渉をさせるのである。
台湾省を実効支配しているのは、国民党政権なのか、共産党政権なのかは、中国の国内問題である。
台湾は中国の一部だと言い続けている中国の論法を逆用し、「それでは、われわれは台湾と交渉する」と切り返すのである。
中国人民軍の陸軍は、朝鮮戦争で米軍と戦闘経験があるが、海軍は15世紀の鄭和の大航海以後、日清戦争の黄海海戦くらいで、歴史的に実践経験が殆どない。
中国は航空母艦を所有しているが、歴史上、航空母艦を5隻以上、実戦で運用した経験があるのは、アメリカと日本の連合艦隊だけである。
航空母艦は最低3隻無いと、運用はできない。
中国が所有している「遼寧(旧ワリヤーグ)」は、飛行甲板の前方が上に反っているが、搭載機を発信させるカタパルト技術がないからである。
カタパルト技術は、アメリカが秘密にしており、アメリカとイギリスしか持っていない。
だから甲板を反らせて発進させる「スキージャンプ台式」なのだが、戦闘機が頻繁に墜落してパイロットが何人も死んでいる。
また「遼寧」は試験航海した後、港に戻ってからその後、出てこない。
相当のトラブルが起きたのではないかと言われている。
歴史を振り返ると、日本と朝鮮が単独で戦争をしたことはない。
日本が戦ったのは、いつも中国・朝鮮連合軍であり、歴史上、一時も朝鮮半島の単独政権と戦ったことはないる。
過去2000年の間に、日本と中国は5回戦争をしている。
唐と日本の戦争(白村江または錦江の戦い)、元寇(蒙古の日本進攻)、明軍との戦い(秀吉の朝鮮侵攻と明の介入による戦闘)、19世紀の日清戦争、1930年代以降の日中戦争の5回である。
いずれの戦争も、その始まりは朝鮮半島における勢力争いだった。
このことは、朝鮮問題についての日中対話が、歴史の経験から、いかに重要であるかが分かる。
1965年の日韓基本条約は極めて異例な条約である。
普通は条約締結両国にそれぞれ正式な文書があるが、日韓基本条約の正式な文書は英語版となっている。
日本語版と韓国版は別々にあって、お互いに相手がどのように訳していようと関知しない。
何かもめたら英語の正文でチェックするという事になっている。
だから日韓基本条約締結後に、韓国に日本が官民合わせて11億ドルを出した事について、韓国は「損害賠償をぶんどった」と自国民に説明し、日本は「独立祝い金として、経済協力のお金をあげたんですよ」と自国民に説明したのである。
北朝鮮は、ミイラが国を支配している。
金日正のミイラが「遺訓」という形で政治をやっている。
ミイラは喋らないが、新しい事態が生じた時は、過去に書かれたとされる金日正の著作が新たに見つかるのである。
まず『金日正著作選集』が日本語に訳されたもので8巻まで出てきた。
朝鮮語では10巻まであるというが、9巻以降は存在が確認できない。
その後、『金日正著作集』が44巻出てきた。
更にその後に、『金日正全集』が100巻まで出て来た。
次々と新しい著作が発見されていき、その発見に合わせて国の政策が変わっていくのである。
要するにかつてスターリンがマルクス主義を「マルクス・レーニン主義」と呼び、実質的にはスターリン主義を確立したのと同じ手法を取っている。
つまり「金日成・金日正主義」の名において、「金正恩主義」を訴えているのである。
キリスト教だと、メソジスト派だったら関西学院大学や青山学院大学、バプテスト派だったら西南学院大学、カトリックだったら上智大学、南山大学、長老派(カルヴァン派)だったら、明治学院大学、会衆派だったら同志社大学と分かれており、各派の間の交流は殆どない。
これに対し、イスラムのスンニ派のモスクには神学校が附属しているが、そこには四つの法学派(ハナフィー法学派、シャーフィイー法学派、マーリキ法学派、ハンバリー法学派)を全部教えている。
その為、原理主義そのものであり、最も過激な運動が出てくるハンバリー法学派に関する知識も皆持っている。
普段は法学派間の対立はなく、対ユダヤ教徒やキリスト教徒に対して、ムスリムという事で一致できる。
サウジアラビアというのは、「サウド家のアラビア」という意味であり、家産国家である。
30年前くらいまでは、国家予算というものが無く、国家予算とサウド家の家計が一体となっており、全てサウド家の私的財産で賄っていた。
国会も国政選挙もないが、サウド家が国民の生活の面倒を全部見てくれている。
サウジアラビアは「サウド家の土地だよ」という意味であって、我々が勝手に国家と呼んでいるだけなのである。
ヨーロッパではEUとして結集しようというベクトルと、既存国家から分離しようという「民族自決け的なナショナリズムのベクトルが混在してきている。
「EUの首都」ともいえるベルギーも南北の対立が激化しており、北部のフランドル地方に独立の動きがある。
EU本部が、ベルギーのブリュッセルに置かれた理由は、「ベルギー語」というものが無いからである。
フラマン語(オランダ語の一種)、フランス語、ドイツ語が公用語になっており、一つの国を構成しいる事から、EUの縮図のような国だったからである。
ベルギーは二度の大戦で永世中立国だったが、二度の大戦からベルギー人が学んだ教訓は、永世中立国は大失敗だったという事である。
中立を無視して侵攻したドイツが、第一次体制の時に言い放ったのは「必要は法律を知らない」という言葉だった。
周辺国が守ってくれて初めて、永世中立国は成り立つのである。
戦後、ベルギーは完全に西側の一員として、軍事同盟を組んで生き残る道をとるのである。
2014年9月18日に、スコットランドで独立可否を問う住民投票があった。
そもそもイギリスは、スコットランド、イングランド、ウェールズ、方アイルランドの4地域からなる「連合王国」で、国名自体が「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」と、国の名前にどこにも民族の要素がない。
つまり、帝国として、うまくナショナリズムを、かわして来た国なので、アイルランド独立の際も、北アイルランドの切り離しに成功させている。
スコットランドとイングランドの両者が連合王国になってから、まだ300年しか経っておらず、文化、生活習慣も融合できていない。
ボンド紙幣も、スコットランド以外ではイングランド銀行が発行している紙幣しか使用できないが、スコットランドでは現在も独自の紙幣を発行し、イングランド銀行券とスコットランド銀行券の両方が使われている。
同じく北アイルランドでも、いくつかの商業銀行が紙幣を発行している。
日本人からすると、ウクライナは黒海に面して、ヨーロッパに近いので、ロシアよりも文明的に見える。
しかし、ロシア人の感覚では、モスクワを中心として、西へ行けば行くほど貧しくなる。
そもそも「ウクライナ」とは、ロシアから見て「田舎」とか「地方」という意味で、長年そう呼ばれているうちに、そのまま国名になってしまったとも言われている。
しかも、西ウクライナはナチス協力の過去があるので、戦後もインフラ整備をしなかったから、ますます貧しくなってしまった。
日本が採用する可能性があるイスラエルの先進兵器に無人機がある。
イスラエルの無人機は、アメリカの無人機「プレデター」や「リーパー」の10分の1の値段で買え、小回りが利く。
アメリカ製の無人機は高空から攻撃して皆殺しにするが、イスラエルの無人機は、標的人物の顔写真を認識して、低空を飛んで、標的を発見すると五寸釘を発射し、標的の眉間に当て、顔が綺麗なまま殺せる。
イスラムでは、爆破されてバラバラの肉片になってしまうと、その人間は死んだとい思われず、死体がなければ死んだことにならない。
だから形を残して殺せるような兵器が必要となる。
2014年7月1日に「集団的自衛権の行使を認める」という閣議決定がされた。
今回の集団的自衛権の閣議決定には「戦闘状態の地域には自衛隊は行かない」という縛りがある。
つまり、自民党が得たのは「集団的自衛権」という文言だけで、自衛隊は出動できない体制になっている。
以前から、日本政府は国内法と国際法の立場を使い分けており、かつてインド洋での石油供給、イラクへの自衛隊派遣も、日本政府は個別的自衛権で説明したが、国際法的には集団的自衛権の行使と解釈されるのが通常である。
今回の閣議決定は、その縛りを従来よりも厳しくしてしまった。
集団的自衛権による武力行使の新三要件の一つに、「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆えされる明白な危険がある」場合という規定が加えられた。
「明白な危険」というのは、国際法的にはかなり強い縛りである。
そもそも閣議決定の文書自体を読んでも論理が錯綜していて、複数の解釈が可能になる一種の霞が関文学となっている。
この文言で、「自衛隊の海外出動を止めた」と考えるのが公明党であり、「これで日本は自衛隊を送れるようになった」と考えるのが自民党である。
ところが、社民党も共産党も、朝日新聞も「これで自衛隊が自由に動けるようになった」と自民党と同じ解釈している。

2015年3月19日木曜日

国際法の大原則では、先にやった合意と後でやった合意が矛盾する場合は、後でやった合意が優先する。
そういう形で、合意の問題は簡単に克服できてしまう。
新しい文言を付け加えることで、実質的に今まであった文言は意味が無くなってしまうこともありうる。
ジョージ・オーウェルの『アニマル・ファーム』に「動物の掟」という記述がある。
最初は「動物はベッドで寝るべからず」と書いているが、見てみたらブタたちがベッドで寝ている。
もう一回「掟」を見直すと、「動物はシーツをかけたベッドで寝るべからず」と書いてあった。
だからベッドで寝ているのは問題ないと、どんどん変わっていく姿をオーウェルは上手く描いている。

動物農場 (角川文庫) 

日本版NSCを設立する動きがある。
NSC(National Security Council)とは国家安全保障会議であり、安全保障や国際情勢について議論する機関ではなく、本来は防衛戦争を決定する機関である。
こういう脅威があった、こういう状況になっているから、戦争を初めていいかという決定をする機関なのである。
元総理大臣は一生、こげ茶色の外交旅券を持っている。
中国が宇宙の中心であり、その文化・思想が神聖なものであると自負する「中華思想」と同じく、韓国にも「大韓国」という考え方がある。
京都、奈良まで韓国の領域に入った昔の地図が韓国にはある。
高句麗時代には、ハバロフクスも領域内だった。

2015年3月18日水曜日

火災保険金額の30%、建物240万円、家財150万円が上限という補償額で誕生した地震保険は、その後、改定を重ねて、火災保険金額の50%、上限金額は建物5000万円、家財1000万円まで拡充された。
保険金だけでは自宅を再建できないという理由で、地震保険を疑問視する人が多いが、巨大災害による大きなダメージを抑えるための唯一の堅実的な対策なのである。

2015年3月17日火曜日

住宅ローンを組む際に支払う「ローン保証料」は、ローン返済が滞った時に、代わりに一括返済してくれる保証会社に払う費用である。
しかし、ローン保証会社は、滞納者のローンを金融機関から譲渡され、滞納した人にその返済を求めてくる。
ローン保証会社への返済が無理だと、自宅不動産は競売や任意売却を要求されてしまう。
つまり、ローン保証料とは、融資をしたお金を金融機関が確実に回収するための費用を、返済者に負担させるものなのである。
建築設計者が実際に生活する人のことを考えた配慮をしてるかどうかは、トイレを見ると簡単に分かる。
トイレットペーパーホルダーの位置は、便器に座った時に左に設置している方が、トイレットペーパーの使用量が減り、家計にやさしい。
右利きに便利な右側にあると使用量が多くなってしまうのである。
これは住宅業界では常識として知られている。
照明の位置も、立ち位置の真上に設置されていたら、立ったときに手元に影ができてしまう。
照明は座る位置の上あたりか再度にあるのが理想的である。

2015年3月16日月曜日

日本で2ヶ月で13万部売れたトマ・ピケティの『21世紀の資本』の日本のデータを提供したのは、一橋大学の森口千晶・教授である。
日本の明治政府は欧米より早く所得税を導入していたので、日本の税路統計は先進国の中でも長期に及んでいる。
またドイツと違い、第二次世界大戦中も途切れることなく作成されていた。
120年分の国税庁統計年報からデータを入手し、2年かけて推計結果を完成させ、ピケティが開設した「The World Top Incomes Database」(WTID)に提供したという。
日本のデータで興味深いのは、上位1%所得シェアの劇的な低下が戦中に起こっていたことである。
戦後占領期の民主改革が所得を平等化したという定説は正しくなく、実際には戦時政策によって富裕層が大打撃を受けた後、民主改革が起こり、その後に上位所得シェアが低位で安定したのだった。
社長が会社から借入利息、または保証料を受け取ったとしても、下記の場合は、利息や保証料に対して所得税が課税されない。
1.収受する借入利息と保証料の合計金額が20万円以下で、社長の収入が1つの会社から受ける役員報酬のみである場合(確定申告は不要)
2.収受する借入利息と保証料の合計金額が20万円以下で、社長個人に不動産所得等があり、収受する利息や保証料の金額以上の赤字がある場合(確定申告が必要)
これらに該当する場合には、社長は所得税が増加せず、かつ会社側では節税効果がある。
中小企業が金融機関から借入れをする場合、社長が個人的に所有している不動産を担保として提供したり、社長自身が連帯保証人になることが多い。
このように社長個人が会社の債務保証をした場合、会社は社長に対して保証料を支払うことができ、適正な金額であれば、その全額を経費として計上が可能である。
適正な保証料の査定基準としては、「営利を目的としない性質の保証」である場合、信用保証協会の最高保証料率(年1%)以下であれば、法人税法上、経費として認める裁判例がある。
裁判例「平成12年11月27日判決・宮崎地裁)
尚、社長が保証料を受け取った場合に、会社への貸付金利息を受けた場合と同様に、雑所得として社長個人の収入となるので、所得税が課される事がある。

2015年3月15日日曜日

1964年の新潟地震をきっかけに政府は「地震保険に関する法律」を制定し、保険会社だけでなく、政府も保険金の支払い義務を負う制度として、地震保険は1966年に誕生した。
つまり、地震保険は法律に基づいて運営されている特別な保険なのである。
このような背景から、地震保険の内容や保険料は、どの保険会社でも同じであるほか、保険会社の経営状態によって支払が危うくなるという心配はない。
保険料は被災リスクに応じた金額であり、保険会社の利益はなく、保険会社の必要経費を除いた額が「責任準備金」として積み立てられている。
責任準備金は、日本地震再保険株式会社が、各保険会社の責任準備金を一括管理・運用している。

<2013年度末 責任準備金残高>
日本地震再保険株式会社     3780億円
損害保険会社         725億円
政府             1兆727億円 
合計          1兆5,233億円

民法(709条)では、他人に損害を与えたら賠償責任を負うよう定められている。
しかし火事は別で、民法の特別法である通称「失火法」により、賠償責任を負うのは「重大な過失」がある場合のみと決められている。
失火法が制定された明治32年当時は、日本には木造家屋が多く、一度火が出ると延焼被害が避けられないという背景があった。
自分に落ち度がなく、もらい火で損害を被った場合にも、賠償は受けられず、頼れるのは火災保険のみである。
自然災害によって住宅が全壊するなどした場合には、「被災者生活再建支援制度」により、国から支援金が受けられる。
支給される額は、住宅の被害程度に応じて支給される「基礎支援金」と、住宅の再建方法に応じて支給される「加算支援金」との合計額となる。
例えば、住宅が全壊した場合には、基礎支援金として100万円、建物を建築すれば支援金として更に200万円、最大で300万円が支給される。
禅かいり少し被害が小さい場合は、大規模半壊として最大250万円、補修すれば元通り住める程度では半壊と見なされ、支援金は受けられない。
多くの世帯が火災保険には加入しているが、そのうち地震保険に加入している人は、2012年で56.5%に過ぎない。
火災保険は、住宅ローンを借りる際に勧められるままに加入したケースが殆どで、その補償内容について見直される事はなく、必要性の低い補償に保険料を支払っている事が多い。
火災保険を見直して、地震保険に入るべきである。
ちなみに、地震が原因で起きた火事は、火災保険の対象外なので、火災保険に地震保険を付帯しておかないと補償は受けれない。
日本国内で個人信用情報を扱う「指定信用機関」は3つある。
いずれも情報は共有されており、窓口に行かなくても、郵送かインターネットで自分の信用情報の開示請求ができる。

金融機関が会員となっている全国銀行個人信用情報センター(KSC)。
→郵送

クレジットカード会社の加盟からなるCIC。
→窓口、郵送、インターネット、携帯電話

信販会社、消費者金融や保障会社が主な加盟となっている日本信用情報機構(JICC)。
→窓口、郵送、携帯電話
住宅ローンは金融機関が行う融資の中では、貸したお金が返ってこなくなる「信用リスク」が低く、ほぼ確実に現金と利息を回収できる商品である。
日本銀行の発表によると、2009年の住宅ローンが返済不能に陥る確率は4/1000だった。
また日本リスクデータ・バンクの「RDB企業デフォルト率(2010年11月期)」によると、中小企業への貸付が返済不能に陥る確率は、24.8/1000だった。
住宅ローンの審査で融資を断られる人の8割は、他の債務の状況や返済履歴に問題がある。
カードローン、フリーローン、キャッシング、消費者金融などからの借入の合計額が、年収の1/3以上あると、そもそも審査の土俵にすら上げてもらえない。
また借入金やクレジットカードの支払等が2~3ヶ月以上遅れたり、1年以内の延滞をしている、延滞回数が通算で5回を超えている等も融資を断られる可能性が高くなる。
延滞の中でも返済を2~3ヶ月できなかった事実は、個人信用情報データに「異動」というステータスでチェックされ、問題があったと重く見られる。
3ヶ月以上の延滞経験があると、その後で完済していても5年間は借入れを断られる。
更に、延滞を解消できずに代位弁済、任意整理、民事再生、自己破産などの手続きが取られた場合は、その後5~10年間は住宅ローンの借入れができなくなる。
本人に問題がなくても、連帯債務の相手が引っかかるケースもある。
最近多い「事故」は携帯電話料金の支払い遅延である。
住宅ローン金利の過去データを見ると面白い事実が分かる。
1983年以降の変動金利と全期間固定金利の値を比較すると、30年11ヶ月中、17年9ヶ月も変動金利の方が高い期間が長い。
2015年3月現在もメガバンクの変動金利は2.475%、全期間固定金利のフラット35の基準金利は1.470%と、全期間固定の方が金利が低い。
しかし、一般的には変動金利の方が金利が低いと思われている。
住宅ローンには「店頭金利」や「基準金利」という表現があり、これらは金利のベースを意味している。
実際に適用される金利は、ここから割り引かれた「適用金利」となり、この割引の幅によって、金利の低さが逆転する仕組みになっている。
つまり、変動金利は当初の金利が低くても、金利優遇キャンペーン期間が終わると、元の店頭金利に戻る住宅ローンもあるので、注意が必要である。
政治資金規正法の位置づけが変化している。
政治資金規正報告書への記載漏れ、誤記が、意図的であると認定された場合、虚偽記入、不記入で国民を欺いた重罪であると取り扱われるようになってしまった。
この摘発を検察に委ねると、特定の政治家ほ標的にし、別の政治家は標的から意図的に外すことになりかねない。
検察庁も法務大臣の指揮下にある行政機関であり、行政府と司法府によって、立法府の権限が不当に侵害される恐れがある。
政治資金規正法が、戦前戦中の治安維持法のように拡大解釈、適用されていく危険性がある。
治安維持法も1925年の制定時には、コミンテルンによる国体変革(革命)の取締りを目的とするもので、最高刑も懲役10年だった。
それが1928年の改正で、最高刑が死刑となり、適用範囲も共産党から、合法無産政党、大本教やキリスト教に拡大され、日本社会全体が息苦しくなってしまった。
検察に狙われた政治家は、政治資金規正法違反を理由に、いつでも逮捕される状況が生まれつつある。
人間というのは贈与されていると返したくなる。
それで返すことができないと力関係になる。

贈与論 他二篇 (岩波文庫)

独裁の本質は「少数者になる」ということである。
民間企業でもエリートになる要諦は、その集団なり流れにどうやって入り込むかということになる。
その為には、物語形成能力が高いことが必須である。
その集団なり流れの中で、いかに「この分野だったらコイツにしかできない」と思わせる物語を作り上げれるかである。
それができないと、いつでもコマとして代えられてしまう。
独裁者には自らが中心となる利益集団があるが、利益を集中させるために、それはできるだけ狭い方がいい。
一方で自分の名目的な選出基盤は、多くの票を集められるから、できるだけ広い方がいい。
つまり、独裁者としてうまく活動していく為には、自分を支えるグループ、すなわち「コア・グループ」と代替可能な「サポーター・グループ」、それからどうでもいいような「有象無象の連中」のこの3つの層をどうやって作るかが重要となる。
多くの政治学者が、少数者の独裁に陥る危険性が、民主主義には必ずあると指摘している。

独裁者のためのハンドブック (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ) 

2015年3月13日金曜日

生協の組合証に書かれている「ひとりは万人のため、万人はひとりのため」は、もともとはファシズムのスローガンだった。
マルクス経済学では、ビットコインは成立しない。
マルクス経済学においては、商品と商品の直接交換、つまり物々交換は想定していない。
だから商取引は、必ず通貨を媒介して行われる。
しかも、そこでの通貨は必ずモノに裏付けされている必要がある。
マルクス経済学の貨幣論では、鋳貨という形で、国家が介入しない貨幣は存在しないため、ビットコインは貨幣になり得ないという見解になる。
年を取ると1年が短く感じるようになる。
20歳にとっての1年は人生全体の20分の1だが、50歳にとっての1年は50分の1になる。
年を取れば採るほど、その1年というのは、それまでの人生という分母が大きくなるので、スピードが早くなるのである。
「若い頃の苦労は肥やしになる」というのは、半分正しい。
それは自分のではなく、他人の肥やしになるからである。
新型うつ病他、様々なパーソナリティ障害について、イーサン・ウォッターズの『クレイジー・ライク・アメリカ』に興味深いことが書かれている。
どうして、これほど精神疾患を発症する人が増えているのかというと、不アメリカ製の精神疾患の薬を世界中で売るために、様々な名称の精神病を作り上げているからで、特に日本は抗うつ剤の最大の市場となっている。
これまでは普通に処理できていた気分の落ち込みを、全部病気として処理するようになったのである。

自殺に関して世界で最初に社会学的な研究をしたのはトマーシュ・ガリッグ・マサリクという初代のチェコスロバキアの大統領である。
1897年に『自殺論』を書いたエミール・デュルケームよりも早い時期に、マサリクは『現代文明の社会的大量現象としての自殺』(1881年)という著書もあり、近代が終わって現代になってから急激に増えた自殺という現象の社会学的調査をしている。
チェコのカトリック地域が貧困だったのに対して、プロテスタント地域は裕福だった。
各地域の自殺者数を調べてみると、プロテスタント地域の方が多かった。
それまで、自殺は貧困が原因と考えられていたが、逆の結果が確認されたのである。
自殺が起きる結論として、価値観の変動が起こる事により、その変動の中で不安をより多く感じ、耐えられなくなってしまう、耐性の低い人が一線を超えてしまうのだという。
自分を取り巻く状況に大きな変化が来た時に、バーンと強く感じやすい人が自殺するのである。

マサリクとチェコの精神―アイデンティティと自律性を求めて