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2017年8月16日水曜日

2006年に調印された日比経済連携協定により、両国は経済的結びつきを強めている。
協定では、日本からフィリピンへり輸出に関して、ほぼ全ての鉱工業品の関税を10年以内に撤廃することが合意された。
同時にフィリピンの日本史上へのアクセスも大幅改善され、ほぼ全ての鉱工業品の関税撤廃だけではなく、バナナなどの一部の農林水産品の将来的な関税の撤廃も合意された。
また、協定では日本の労働市場を一部開放することも合意され、看護師や介護福祉士について、日本語や現場研修を経た後に、日本の国家資格の受験を前提に就労が可能となった。
2009年~2016年9月までの累計ベースで看護師候補者472名、介護福祉士候補者1124名が受け入れられている。
2013年~14年にかけて実施されたビザ規制の緩和措置も、フィリピン人観光客の増加に貢献している。
一連のビザ規制の緩和措置はASEAN諸国を対象に実施されたものであるが、フィリピンの場合、2013年に15日を超えない短期滞在を念頭に、有効期間中に何回でも使える「数次ビザ」の発給が開始された。
その後、2014年には滞在期間を30日とし、有効期間を最長5年とするなど、数次ビザの発給要件が大幅に緩和された。
また、指定旅行会社のパッケージツアーの参加者用に、一次観光ビザの申請手続きが簡素化された。
こうしたビザ規制の緩和措置に加えて、フィリピンの中間所得層の増加と2012年以降の円安の進行により、フィリピン人のインバウンドが大幅に増えている。
政府観光局の統計によると、2015年のフィリピンからの訪日客数は26.8万人と、前年比45%の大幅増加となっている。
ちなみに2010年のフィリピンからの訪日客数は7.7万人だったので、5年間で4倍に増えている。
政府開発援助(ODA)の実施状況をみると、フィリピンにとって日本は最大の援助供与国となっている。
2014年度分までのフィリピンに対する援助実績を累計すると、有償資金協力が2.4兆円、無償資金協力が0.3兆円、技術協力が0.2兆円となっている。
2010年以降でみると、年間の有償資金協力は300億円前後、無償資金協力は50億円前後で推移している。
2014年のOECDの統計によると、フィリピンに対する主要国の援助実績の34%を日本が占め、第1位となっており、米国が20%、フランスが10%と続いている。
日本の二国間ODAの累計金額(1960~2014年のコミットメントベース)では、フィリピンはインドネシア、中国、インドに次いで第4位となっている。
フィリピンにとって日本は最大の貿易相手国である。
2015年のフィリピンの輸出額600億ドルのシェアをみると、日本が第1位の21.1%、米国15.0%、中国10.9%と続いている。
輸入額700億ドルのシェアでも、中国16.2%、米国10.8%に次いで、日本は第3位の9.6%となっている。
つまり、輸出額と輸入額の合計では、フィリピンにとって日本は最大の貿易相手国となっている。