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2015年11月15日日曜日

北方領土以外にも日露の間で残されている問題に、シベリア抑留問題がある。
1945年8月9日に、満州から朝鮮半島まで攻め込んできたソ連軍が、日本の兵士や軍属を捕虜にし、そのまま抑留された。
その数は65万から100万人と言われている。
シベリア抑留と呼ばれるが、シベリアのみならずカザフからウクライナまでソ連全国に送り込まれ、建設作業の強制労働を強いられ、極寒地での厳しい重労働により、多くの捕虜が命を落とした。
その数は6万とも34万人とも言われ、正しい数はハッキリしていない。
モスクワの軍事史料館に残されたシベリア抑留者の資料には、日本人だけでなくドイツ人捕虜の分も大量にあり、各々の身上調書には名前や写真などが記録された名簿が残されている。
日本とドイツは、捕虜をそのまま抑留して返さなかったと非難しているが、ソ連では単なる捕虜ではなく、戦争犯罪人として裁判てせ裁き、有罪とした上で懲役刑に科したことになっていて、1人ひとりの判決文まで残されている。
ウラジオストクには今でも、抑留された日本人捕虜が建築したビルが建っていて、現役で使用されている。
日本以外のG7諸国は既に「グルジア」を「ジョージア」と呼んでいたが、日本も2015年4月22日に政府の要請を受け入れ「ジョージア」に改めた。
グルジアとはロシア南部カフカス地方の小国で、近年の対露関係の悪化に伴いロシア語読みから英語読みに変更するよう各国に要請している。
そもそも英語表記の「Georgia」はキリスト教の聖人ゲオルギウスに由来する。
ある異教の村で毎年、竜がアパレルため人身御共としてクジ引きで生娘を差し出していたところ、ある年、生贄にお姫様が当たってしまった。そこで馬にまたがり通りかかったゲオルギウスは、村人がキリスト教徒になる代わりに竜退治を買って出た、という日本のヤマタノオロチのような伝説があり、宗教画としても描かれている。
それ以来、男の子にゲオルギウスにちなんでゲオルグという名前を付ける事が多くなり、イギリスの王家がドイツ王室からゲオルグを招き、宇井ごよみしてジョージとなったのが、ジョージ1世である。
ちなみに、ジョージ2世の時代にイギリスはアメリカに植民地を広め、新しい土地に「ジョージ王の土地」という意味で「ジョージア州」と名付けた。
プーチン大統領が生まれた ソ連第2の都市「レニングラード」は、「レーニンの町」という意味である。
元々は、帝政ロシア時代の首都「サンクトペテルブルク」だった。
サンクトペテルブルクとは、「聖ペテロの町」という意味で、都市づくりを命じたピョートル大帝が自分と同盟の聖人ペテロにちなんで名付けた。「ピョートル」とはペテロのロシア語読みである。
1917年のロシア革命で誕生したソ連になって、首都をモスクワに移し、それまでの首都だった「サンクトペテルブルク」を「レニングラード」と改称された。
日本とロシアは海を隔てた隣国ということもあり、日本語として使われているロシア語は以外と多い。
寿司ネタとして人気のある「イクラ」は、元々は「魚卵」を意味するロシア語である。
「カチューシャ」とは「エカテリーナ」という女性のロシアでの愛称である。
「コンビナート」はロシア語で「工業地域」である。
「カンパ」もロシア語が由来の言葉で、「大衆に訴えて、ある目的を達成しようとする運動」のことである。
「インテリ」(インテリゲンチャ)も「知識階級」を指すロシア語である。
「ノルマ」もロシア語で「割り当てられた労働」のことで、まさに計画経済のソ連ならではの言葉なのである。