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2015年1月25日日曜日

佐藤栄作・首相と池田大作・創価学会会長との関係を具体的に示す記録として『佐藤栄作日記』(全6巻)がある。
これを読むと、相当に深い関係で、互いに利用し合っていたことがよく分かる。
『佐藤栄作日記』の中で、池田大作会長について初めて記述があるのが、1964年12月16日で、佐藤栄作が死去する1975年6月3日までに、37回の記録がある。
1964年12月16日に初めて記述された内容は、「二時すぎ公明党原島君の葬儀参列、池田会長に会ふ」という簡単なものだった。
前月の11月に佐藤内閣が発足し、公明党は11月17日に結成されている。
その初対面の後、1年間は『佐藤栄作日記』に何も記載がないが、翌1965年12月17日に、自民党都連会長の加賀興宣が佐藤首相を訪ね、都の水道問題で池田会長と会うよう請願する所から、急速に親密になっていく。
池田会長の希望で、仲介役として富士銀行の岩佐頭取が指名されている。
佐藤首相と金融界のトップとが親しい関係である事は分かるが、新興宗教のトップと金融界のトップとの関係が不思議である。
実は当時、東京都の取引銀行を巡り、富士銀行と三菱銀行が争い、富士銀行が買った。
富士銀行は、東京都に強い影響力を持つ創価学会を利用したと言われている。

佐藤栄作日記〈第1巻〉

ソ連共産党は、「世界同時革命」理論に基づき、国際共産主義運動のために、様々な形で世界に資金を供与していた。
日本共産党に対しても例外ではなく、1960年代に自主路線を選択し、ソ連離れをするまで続いた。
時事通信の特派員だった名越建郎は、ソ連解体に伴う機密文書の公開を見聞し、『クレムリン秘密文書は語る』にまとめた。
その中に、ソ連を中心とする共産諸国が「左翼労働組織支援国際労組基金」を設立し、各国の共産党を支援していた事が記されている。
日本共産党に対して、1954年に10万ドル、1955年に25万ドル、1963年に15万ドル、そして志賀グループに5000ドルが援助された記録がある。
これらの記述に対し、日本共産党の志位和夫・書記長(当時)は、「党として旧ソ連共産党に資金を養成したことはない。党の財政にソ連資金が流入した事実はない」と否定したが、一方「秘密基金に関する資料の真偽を即断することはできない」とソ連に追随したグループに資金が流れたことを暗に認めている。

クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史 (中公新書) 

1991年末にソ連が解体し、新ロシア指導部は70年間に及ぶソ連共産党の秘密文書を公開した。
翌1992年6月に、日本社会党にかかわる資金疑惑が報道され、大騒ぎとなった。
自民党は1993年3月に調査団をモスクワに派遣し、ロシア政治公文書委員会付属現代資料保存センターから、旧ソ連共産党と日本の非政府機関との交流資料を44件入手した。
これらの資料の一部は公開されたが、大部分は封印され、自民党本部の金庫に保管されている。
これらの資料が封印されたのは、当時、非自民細川連立政権から、社会党を引き離し、自社さ連立政権を作る為に、駆け引きとして使われた。
自民党と公明党・創価学会との関係は、佐藤栄作-田中角栄-竹下登-小渕恵三の流れだと思われがちだが、歴史的には岸信介-福田赳夫-安倍晋太郎の方が深い。
田中派が公明党との関係を固めたのは事実だが、岸派の方が創価学会との関係が深かった。
2001年3月11日の聖教新聞では、岸信介、安倍晋太郎と創価学会の関係を詳細に報道している。
記事によると1958年3月16日に、本山の式典に岸信介が出席する予定だったが、野党からの横やりで出席できず、名代として岸の良子夫人と令嬢の洋子、夫で首相秘書の安倍晋太郎が出席したと書かれている。
岸首相と戸田城聖・第二代会長は、岸が自民党幹事長時代から親交を深めており、この式典への出席は岸本人が希望したものだった。
田中派の流れが公明党との関係を深めたのに対して、岸派の流れは創価学会そのものと密接に結びついていったのである。
インターナショナルスクールは、各種学校という扱いなので、日本政府からの助成金が出ていない。
その為、施設維持費を含め、年間220万円の学費がかかる。
その他にも、学費とは別に、旅行費用、IT代などもかかるので、年間250万円は必要となる。
初年度には入学金・施設使用料として100万円程度必要となる。
つまり、ひとつの学校に通い続けたとして、単純計算で
250万円×13年間(K5から高校卒業)+初年度入学金=3250万円
必要となる。
プレスクールに2年間通わせると350~400万円増加する。
公明党は、1965年以降、50年間に渡り、検察と司法を所管し調査権を発動できるい「参議院法務委員会」の委員長のポストを占有している。
ちなみに、東京都議会の「警察・消防委員会」の副委員長のポストも、1963年以降、独占している。
警視庁を所管し、予算や人事に影響を及ぼす委員会の重要ポストを握り続けている。
日本国内で夏に英語に触れれる子供向プログラムがある。
・アメリカンスクール(東京都調布市) 期間10日
・南房ディスカバリーキャンプ(千葉県南房総)  3泊4日/5泊6日

日本最初のインターナショナルスクールは、1872年(明治5年)に、カトリック教会のサンモール修道会(現在の幼きイエス会)によって、現在の横浜市山手に設立されたサンモール・インターナショナル・スクール。
インターナショナルスクールは、「各種学校」扱いとなり、日本の小学校、中学校にあたるカリキュラムを修了しても、義務教育を終えたという認定は受けれない。

2015年1月23日金曜日

2015年1月22日木曜日

1990年以降のデフォルト国と平均インフレ率

            債務先  破綻発生年のインフレ率
1990年 ブラジル    国内     1621.0%
1990年 アルゼンチン  両方     1343.9%
1999年 エクアドル   両方       91.0%
1998年 ロシア      両方      84.4%
1998年 インドネシア  海外       77.5%
2002年 アルゼンチン  国内      41.0%
1998年 ベネズエラ    国内      29.9%
2004年 ベネズエラ    海外      19.2%
2002年 インドネシア  海外         9.9%
1993年 南アフリカ   海外       9.7%
2008年 エクアドル   国内       8.8% 

2015年1月21日水曜日

JAグループの組織構造

<全国段階>
JA全中(指導・監査)  140人
JA共済連(保険事業) 6200人
JA全農(経済事業)  8400人
農林中金(信用事業) 3300人

<都道府県段階>
JA中央会  47団体
JA経済連  8団体、県JA 4団体
JA信連   35団体、県JA 2団体

<市町村>
総合JA   694団体
組合員   997万人(正組合員461万人、准組合員536万人)

〇国内農家の経営者数
水田作    132.3万人
果樹     26.3万人
野菜     48.0万人
プロイラー  1.0万人
酪農     2.5万人
肥育牛    6.9万人
一般会計歳出の主要経費推移
『我が国の財政事情(平成27年度予算政府案)』財務省

        1990年     2000年      2015年
国債費     14.3兆円    21.4兆円     23.5兆円
その他     20.6兆円    22.5兆円     19.9兆円
公共事業費    7兆円     11.9兆円      6兆円
地方交付税   15.9兆円    15.8兆円     15.5兆円
社会保障費   11.5兆円    17.6兆円     31.5兆円   

2015年1月20日火曜日

スマートフォンの出荷台数シェア(7~9月期)
「IDCプレスリリース」(2014年10月29日)

急成長している「小米」は、シティーブ・ジョブズを彷彿させる言動で有名な雷軍(レイ・ジュン)氏らが2010年に創業した会社で、2014年のスマホ販売台数は前年比3.3倍の6112万台、売上は前年比2.4倍の1兆4400億円。

〇2013年 総出荷台数 2.62億台
サムスン  32.5%
アップル  12.9%
小米      2.1%
レノボ     4.7%
LG      4.6%
その他   43.2%

〇2014年 総出荷台数  3.28億台
サムスン  23.8%
アップル  12.0%
小米      5.3%
レノボ     5.2%
LG      5.1%
その他   48.6%
原油価格の採算ライン
(ピクテ・グローバル・マーケット・ウォッチ 2014年12月19日)

ベネズエラ国家予算維持             160ドル
イラン国家予算維持             130ドル
米国シェールオイル採算ライン(最高値)            115ドル
ロシア国家予算維持             110ドル
カナダオイルサンド生産採算ライン           100ドル
航空会社 営業黒字維持                95ドル
サウジアラビア国家予算維持                90ドル
米国シェールオイル採算ライン(平均値)               85ドル
米国シェールオイル採算ライン(最低値)               40ドル
ロシア原油生産採算ライン               30ドル
サウジアラビア原油生産採算ライン             7ドル
他人の信仰を侮辱してはならない
by ローマ法王
(2015年1月7日のフランス紙襲撃テロを受けて、訪問先のフィリピンにて)
日米欧の家計の金融資産構成
(『資金循環の日米欧比較2014/12/24』日本銀行)

     現金・預金  債券  投資信託  株式  保険・年金準備金      その他
日本        52.6%   1.7%   5.2%   9.4%    26.8%      4.2%
1654兆円(2014年9月末)
投資信託と株式の合計242兆円。

米国      13.5%    4.8%   13.1%  33.1%      32.6%      3.0%
66.8兆ドル(2014年9月末)

ユーロ圏  35.2%        5.5%     7.2%  17.1%      31.7%      3.3%
20.7兆ユーロ(2014年6月末)

2015年1月17日土曜日

厚生労働省の調査によると、2011年のジニ係数は0.5536だった。
0.5~0.6は「慢性的暴動が起こりやすいレベル」と言われ、社会騒乱多発の警戒ラインとされる0.4を現状では大幅に上回っており、日本が危険水域に入っていることがデータで示された。
危険水域と言われる0.4という数字とは、上位1/4の人間が所得の3/4を独占し、残りの3/4が所得の1/4を分け合っているという状態である。
エリアマーケティングで使用する人口動態を知るためのデータ
・国勢調査(5年ごと) 総務省
・人口推計(国勢調査の実施年以外) 総務省
・住民基本台帳 総務省
・人口動態統計 厚労省
・将来推計人口 国立社会保障・人口問題研究所
He who can, does. He who cannot, teaches.
(できる者は行い、できない者はできない者に教える)
by バーナード・ショー

2015年1月12日月曜日

性格や長所・短所を知る助けとなる心理学的手法の一つに「エニアグラム」がある。
エニアグラムは、人の性格を一番エネルギーが出るときを基準に9つのタイプに分け、それぞれの特徴や相性などを知ろうというものである。
2000年前のアフガニスタン地方で体系化されたとされ、その後、イスラム教の一部の州はによって秘伝として受け継がれてきた。
20世紀に入り西洋に伝わり、大規模で科学的な実証実験が実施され、アメリカのスタンフォード大学の心理学部の研究によると、全ての被験者が9つのタイプのいずれかに分類できることが実証された。
これを日本に紹介したのが、当時、スタンフォード大学で学んでいた鈴木秀子であり、著書『9つの性格』はベストセラーになった。
燕岳(つばくろだけ)という標高2763メートルの「日本百名山」には入っていない北アルプスの山に、「燕山荘」という日本一人気のある山小屋がある。
北アルプスを目指す人の1割は「燕山荘」に宿泊すると言われている。
人気の秘密はサービスが徹底している事で、2763メートルの山小屋で生ビールが飲めたり、アルプホルンの演奏が聴けたりする。
燕山荘では、次のような言葉を毎日、スタッフ全員で唱和しているという。
<燕山荘「夢をかなえる口ぐせ」>
いいねぇ
やったぞ
その調子だ
よしっ、いいぞ
今日も一日すばらしい日になるぞ
私の人生は良くなるいっぽうだ
未来はどんどん開けていく
楽しいこと、嬉しいことがたくさんあった
恋も仕事も順調だ
全てはうまくいっている
さあ、頑張ろう

「いきなり!ステーキ」の1店舗当たりの1日平均売上は60万円。

2015年1月11日日曜日

日本初の一部上場企業の敵対的M&Aは、光進の小谷光浩による国際航業の乗っ取りだった。
国際航業の前進は、三路興業で、昭和22年に飛行場関連不動産管理会社として設立された。
当時、飛行場は進駐軍の管轄下におかれており、黙っていても進駐軍から保証金が入ってくるという優良会社だった。
それに目を付けた国内最大のゴム会社のプリジストン経理部長で、創業者の石橋正二郎の私設秘書だった枡山健三が、三路興業の株を買い占め、三路興業に乗り込み、1週間で重役の半分以上のクビを切り、乗っ取りに成功し、昭和29年に称号を国際航業に変更した。
その後、枡山健三会長のワンマン体制と長男の枡山明社長との確執で、社内紛争が起こり、それに乗じて小谷光浩に乗っ取りをしかけられた。
街宣車を1日中走らせると、車代と人件費を含め、100万円かかるという。
10台の街宣車を1ヶ月走らせると、3億円かかる。
10ヶ月で30億円かかる。
竹下登の褒め殺し事件で、金丸信から日本皇民党へ街宣活動をやめる見返りに提示された金額の30億円は、こういう根拠だったという。

2015年1月8日木曜日

住宅着工戸数の推移 (国土交通省調べ)
2007年    103万5598戸
2008年   103万9214戸
2009年     77万5277戸
2010年   81万9020戸
2011年   84万1246戸
2012年   89万3002戸
2013年   98万7254戸
着工戸数をみると、消費税増税前の駆け込み需要が、確かにあった事が分かる。

2015年1月5日月曜日

イエス・キリストが処刑されたゴルゴタの丘に建つ「聖墳墓教会」の扉の鍵は、イスラム教徒が管理している。
かつて、聖墳墓教会を管理していたキリスト教徒のいくつかの宗派の間で問題があった。
その為、再び争いが起こらないように、聖墳墓教会の鍵の開け閉めは、イスラム教徒に託されるようになった。
西暦はキリスト誕生を起点としている。
紀元前は「B.C(Before Christ)」で、イエス・キリストが生まれる前という意味である。
しかし、現在では、イエス・キリストが生まれたのは、紀元前4年と言われている。
このズレの理由は、聖書を忠実に歴史考証しなかったからだった。
1000年ほど経って、間違いに気づいたのだが、その頃には西暦は世界に普及してしまっていた。

2015年1月4日日曜日

統計学によって、少ないデータから全体像を把握することができる。

〇賃金構造基本統計調査
→日本の国内賃金の実態をすることができる調査
 全国138万事業所のうち、7万8000事業所を調査している。

〇労働力調査
→失業率などが分かる調査
 15歳以上の人口1億1000万人のうち、10万人を調査している。

2015年1月3日土曜日

経済用語に「シグナル効果」という言葉がある。
シグナルとは、不確かな情報を補填する情報の事で、例えば入ったことがないレストランに行列ができていると、「きっと美味しいのだろう」と推測してしまうのは、行列によるシグナル効果である。
質の高さで有名な「今治タオル」の秘密はジクナル効果にある。
今治の119社のタオル工場が加盟する組合が、今治タオルのロゴマークを管理している。
ロゴマークを付けるには、耐久性、吸水性などの11項目に及ぶ試験をクリアせねばならない。
ロゴマークが品質を保障する役割を担っている。

宇宙の始まりを説いた「ビックバン理論」は、今でこそ一般的に知られているが、当時は見向きもされなかった。
ビックバンという名称も、「ビックバン理論に」批判的だった科学者のフレッド・ホイルが「宇宙が爆発によって始まったというのか?」とからかった事に由来する。
ホイルは後に、「命名権の特許を取っておけば良かった」と語ったという。
今から100年ほど前まで、宇宙は始まりも終わりもなく、永遠に変わらないものと信じられていた。
それが覆えされたのは、1929年だった。
ロサンゼルス郊外のウィルソン山天文台で、天文学者のエドウィン・ハッブルが、いくつもの銀河が物凄い勢いで地球から遠ざかっているのを発見し、宇宙は膨張している事が分かった。
宇宙は一か所に集まる高温で高密度な、野球のボールくらいの火の玉だった。
この火の玉が、爆発して膨張して現在の宇宙になったとするのが、「ビックバン理論」である。
宇宙は元々、直径10のマイナス34乗センチという目に見えない素粒子ほどの1ナノメートルよりも遥かに小さな点だった。
この点が、インフレーションと言われる瞬間的な膨張が起こって、ビックバンへと繋がった。
このインフレーション理論は、1981年に佐藤勝彦氏(自然科学研究機構長)が提唱し、ビックバン以前の宇宙を解明した。
ちなみに佐藤氏、私の母校である丸亀高校の先輩(昭和39年卒)である。
ビックバンの1秒後に素粒子ができ、3分後には原子番号1番のH(水素)と2番のHe(ヘリウム)ができた。
宇宙の誕生は137億9762万年前
銀河の誕生は132億年前
銀河系の誕生は120億年前
原始太陽系の誕生は46億年前
宇宙物理学では、宇宙は無数に存在するというのが常識となっている。
実効税負担率の低い大企業(2013年3月期)

                    実効税負担率         税引前純利益          法人税
1位 三井住友FG             0.002%     1479億円            300万円
2位 ソフトバンク             0.006%       788億円           500万円
3位 みずほFG              0.09%       2418億円        2億2600万円
4位 三菱UFJFG             0.31%       1886億円        5億7700万円
5位 みずほコーポレート        2.60%           2577億円       67億1400万円
6位 みずほ銀行                 3.41%      2631億円       89億8000万円
7位 ファーストリテイリング 6.92%                756億円       52億330万円
8位 オリックス            12.17%       1725億円     210億100万円
9位 三菱東京UFJ銀行          12.46%           8774億円      1093億4200万円
10位 キリンHD            12.50%        959億円     119億9500万円
博多の仙厓(せんがい)という、せんべいにもなっている和尚さんで、いわゆる高層と言われている人が亡くなった時に、枕元に多くの弟子が集まって「最後のお言葉を」と言ったら、「死にとうない」と言ったという。
そこで弟子たちは困ってしまい、もう一度、「お言葉を」と言ったところ、やっぱり「死にとうない」と言ったという。
幸田露伴が死ぬ時に、露伴が寝ている寝床を覗き込んだ妻の幸田文に対して、露伴は「いいかい」と言ったという。
文は、何がいいのか分からなくて、多少ボケているんだろうと思って「よろしゅうございます」と応えた。
すると露伴は「じゃあ、俺は死んじゃうよ」と言って、死んでしまったという。
官房機密費の事が問題になった時に、カネを返還した田原総一郎がクローズアップされた。
しかし、カネを渡す側からすれば、変わるかもしれないと見込まれる人間にしか、持って行かないものである。
金融庁の金融検査マニュアルで「要注意先(要管理先)」の中小企業は2013年3月末で40万社あり、銀行にとって不良債権扱いとなる債務は37兆円に上っていた。
これらの債務はリーマンショック後に施行された「中小企業円滑化法」で返済負担が軽減され、同法が2013年3月末で終了した後も、金融庁は手続き操作で銀行が破たんしないように押し留めている状態となっている。
これらの不良債権は最終的に破綻処理となるが、銀行は信用保証協会に持ち込み、「代位弁済」を求め、保証協会は保険をかけている日本政策金融公庫に弁済額の7~9割の支払を請求する。
そうなると、財務省系列の政策金融公庫は打撃を受け、そのツケは国庫を経由して、最終的には納税者が負担することになる。
社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」(消費税増税関連法)の附則18条2項では、増税で財政にゆとりができた際には、「成長戦略および事前防災・減災に重点配分する」と規定されている。
この条文が、消費税の増収分が公共事業に形を変える根拠となってい。
そして、防災・減災に向けた「国土強靭化」事業に、1兆5325億円という大きな予算が計上され、公共事業全体では12.9%増の5兆9685億円となったのである。


2014年に消費税率が8%に引き上げられたが、「その増税分は社会保障に全て使用される」と説明されていたが、実際には公共事業と防衛費に振り分けられた形になっている。
2014年度一般会計の総額は95兆8823億円で、過去最大に膨張し、前年2013年度の補正予算と合わせると、歳出規模は100兆円を超える巨額に達した。
2014年の消費税増税分は4兆5350億円と見込まれており、国と地方の税を合成すると5兆円となるが、「社会保障の充実」に充てられるのは、増税額の1/9以下の僅か5000億円でしかなかった。
増税分の大半は、既存の年金や医療、介護保険などの経費として、これまで国債によって賄われてきた費用の穴埋めだった。
目立つのは、公共事業や防衛費、官邸の情報発信、道徳教育など、国民の生活の改善よりも、防衛や政権の広報予算を優先する姿勢が明らかになっている。
消費税は「資本主義最後の税金」と言われるように、究極の大衆課税である。
人間が生きるための消費に税をかける消費税は、人間の生存それ自体が課税の対象となり、その収奪から絶対に逃れることができない足かせとなる。
一方、税を徴収する政府からみると、消費税は徴税業務のための手間がかからない「打出の小槌」となる。
第二次安倍政権による税制改正で、課税所得4000万円超の部分について最高税率45%が新たに設けられた。
しかし、この税率が当てはまるのは、所得税納税者4850万人のうち0.1%未満の富裕層に過ぎない。
日本の直接的な海外投資先は、財務省の「国際収支状況」によると、2005年から2013年までの9年間通算の上位国は下記となっている。
1位 アメリカ  18兆5634億円
2位 中国     7兆890億円
3位 オランダ   6兆3869億円
4位 イギリス   6兆1823億円
5位 ケイマン諸島 5兆79億円
このうちアメリカと中国、イギリスは実投資が主となっているが、オランダとケイマン諸島への投資は節税目的と想定される。
イギリスの市民団体「タックス・ジャスティス・ネットワーク」は、世界の富裕層がタックス・ヘイブンに保有する金融資産は、2010年末の時点で少なくとも21兆ドルと試算している。
日本の所得税制には、重大な不公平がある。
日本の所得税負担率は、合計所得金額が200万円で2.6%、1000万円で10.6%と次第に上昇し、1億円の段階で28.3%とピークになる。
しかし、2億円、5億円、10億円と合計所得金額が高くなるに従い、所得税負担率は下がり、100億円になると13.5%まで低下するのである。
日本の所得税制は、所得金額が増えるにしたがって、次第に税率が高くなる累進課税制度をさいようしているが、合計所得金額が1億円を超えると所得税の負担率は「逆進的」なものに変わるのである。
日本の高額所得者の多くは、株式の売却による譲渡所得や株式の配当所得であり、総合課税ではなく分離課税となっているので、不労所得である資産性所得に対して世界一安い異常な税制度となっている。
合計所得金額のうち株式譲渡の占める割合は、合計所得金額が1億円辺りから順次上昇し、5億円になると20%、10億円になると35%、50億円になると70%、100億円になると90%を占めている。
避税の原因の一つに、「二重課税の排除」がある。
これは企業が利益を得た国で課せられる法人税と、その企業が法的に存在する国で課せられる法人税を、二重に課せられることがないようにとの目的で、各国が独自にどちらかを選択してきたものである。
先進国を中心とするOECDは、企業が法的に所在する国で課税される居住地国課税を重視し、源泉地国課税をできるだけ抑制して二重課税の配乗を図ってきた。
一方、途上国や新興国と、それら国々の主張を反映している国連は、企業が利益を得ている国で課税される源泉地国課税を重視している。
問題なのは、このように先進国重視(居住地国課税)と発展途上国重視(源泉地国課税)とで二重課税を排除しようとしているうちに、源泉地でも居住地でも課税されない「二重非課税」という驚くべき事態が生じてしまっているのである。
しかも、このような異常事態に対して、世界各国が制定している税制システムでは、殆ど対処できないという状況になっている。
アマゾン・ジャパンは日本に法人税を支払っていない。
日本で生産されている商品が日本のアマゾンの流通センターから直接日本国内に発送されているにもかかわらず、その理由を、アマゾン・ドット・コム(米ワシントン州の法人)は、日本国内に支店等を置いていないからだと説明し続けている。
2009年に東京国税局は、日本国内の流通センターに置かれているアマゾンの機能は、「実質的な恒久的施設」と判断し、2003年~2005年分について140億円の追徴課税を行っている。
ところが、日米当局間で協議が行われ、日本の国税局の請求は退けられてしまった。
同社の法人税については、欧州各国でも問題になっている。
ITバブルが崩壊した2000年から2001年と、リーマンシヨックが起きた2008年から2009年は、法人税率を引き下げた国も、据え置いたままの国も、どちらも税収は落ちている。
法人税の引き下げが、どれだけ経済成長に寄与したのかは、わかっていない。
法人税の減税により、大企業以外の税収も減少し、国民の消費活動も更に悪化すれば、日本の財政は一層厳しくなる。
2014年4月に、日本公認会計士協会は、公認会計士の48.8%が、担当している企業が業績や資産状況をごまかそうとする「不正」を一度は発見したと発表した。
つまり、利益額が大きな大企業が無国籍化し、日本の税制は空洞化しており、消費税増税により国民生活にその穴埋めを、強いねばならなくなっている。
国民にマイナンバー制度を導入して所得の把握に努めるよりも先に、2006年に高額納税者番付と合わせて廃止となった「申告所得金額の公示制度」(企業長者番付)を復活させ、巨大企業の納税状況の実態を開示し、透明化すべきである。
受取配当金は「受取配当金益金不算入制度」によって、企業が国内にある他者の株式を保有している場合に、その受取配当金を課税益金に算入しなくても良いという制度である。
その受取配当金不算入の割合は、子会社や関係会社の株式等にかかわる配当については、100%の法人間配当無税が認められている。
また、子会社や関連会社以外の企業の株式についても、50%が益金不算入になっている。
さらに、一定の要件を満たす海外子会社についても、「海外子会社配当益金不算入制度」によって、受取配当金の一律95%を益金に算入しなくても良いと定められている。
このようにして、企業グルーブ内の各企業が、株式を保有し合えば、各企業の利益による配当をグルーブ内の企業で、税金を払わずに内部留保することも可能になっている。
この受取配当金の規模だが、2003年度から9年間の合計額は65兆円に達し、このうち資本金10億円以上の企業だけで、9割を占める。
〇資本金階級別法人税平均実効負担率(2012年度)
資本金階級       税負担率   (外国税額相当分)
~1000万円以下     20.15%     20.17%
~5000万円以下     22.97%     23.02%
~1億円以下        23.45%     23.62%
~5億円以下        25.29%     25.44%
~10億円以下        23.11%      23.22%
~100億円以下        18.34%      19.43%
100億円超~         9.67%     11.54%
日本では、中小企業とは「資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社」と、中小企業基本法(第2条1項)で定められている。
その意味では、中小企業と大企業の境界線にある資本金「1億円~5億円以下」の中堅企業が、法定基本税率(25.5%)と同率の25.44%を負担しており、法人税負担率が最も高くなっている。
資本金1億円以下の法人には、中小企業に対する軽減税率(所得800万円以下の部分は15%に軽減)が適用されるため、法定基本税率(25.5%)より低くなる。
ところが、100億円超の巨大企業の法人税実効負担率は9.67%と、1000万円以下の零細企業の半分以下の税負担率になっている。
日本の税制では、企業規模に対して「逆累進課税」の構造になっている。

2015年1月2日金曜日

日産自動車の2013年3月期の実効税負担率は20.45%だった。
日産自動車の有価証券報告書には、「法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に重要な差異があるときの、当該差異の原因となった主要な項目別の内訳」という記載がある。
要するに、どのような手段でどれほど法人税納付額をへらしているのかが、株主に占められているのである。
例えば、2013年3月期の決算資料によると、「在外連結子会社の税率差 ▲5.0%」とあるが、海外子会社の現地国の税率と日本の税率さが、平均5%あったということである。
そこから逆算すると、子会社を日本に置くよりも、海外に置くことで法人税が258億円安くなった事が分かる。
また、同決算資料には「税額控除 ▲3.9%」とあり、「特別試験研究費」の税額控除などの政策減税の恩恵があったと推測される。
「特別試験研究費」の税額控除は、それまで法人税額の20%を上限として認められてきたが、2013年度の税制改正によって上限が30%に引き上げられ、更に優遇されている。
大手総合商社を中心に海外子会社を多く保有する大企業の実効税負担率が低い。
その理由として、2009年に設けられた「海外子会社配当益金不算入制度」の恩恵が大きい。
この制度は、一定の要件を満たす海外子会社であれば、受取配当額の一律95%を益金に算入しない、というものである。
この制度は、これまで海外子会社に溜め込まれた収益を、日本に還流させることを目的に設けられた。
企業の海外移転に歯止めがかからない状況で、財務省も妥協せざるを得なかった。
この制度の導入により、海外子会社の収益を日本本社に配当として還流させても、5%しか課税対象となる益金には加算されない。
しかも、この5%でさえ、必要経費等として損金(海外子会社の管理等の経費)に算入されるので、実質的にはほぼ無課税となっている。
この制度は2011年4月から開始されたが、この制度による無税配当総額は2010~2011年度の2年間で、7兆8801億円に達しており、そのうち資本金10億円以上の企業が98.4%を占めている。
メガバンク各行は、近年は業績が好調だったにもかかわらず、10年以上に渡って法人税を減免されてきた。
1990年代後半の不良債権処理が余りにも巨額で、多額の繰越欠損金を抱えていたからである。
メガバンク各行が法人税納税を再開したのは、三菱東京UFJ銀行が2011年3月期から、みずほ銀行や三井住友銀行は2013年3月期になってからだった。
税引前利益が1期当り数千億円以上あるのに、実効税負担率があまりにも低い水準となっていた。

〇5期(2008年3月期~2012年3月期)通算の実効税負担率
                  税引前利益    支払法人税額
みずほFG        0.02%   1兆2218億円    2億2500万円
みずほ銀行        0.52%      4693億円     24億3100万円
三井住友FG      1.33%       6046億円     80億2300万円
三菱東京FG      1.39%   1兆4186億円    197億3500万円
三井住友銀行         7.57%   2兆2708億円     1718億6500万円
みずほコーポレート    10.49%      7073億円     742億1100万円
三菱東京UFJ        12.68%   2兆3659億円     2999億8100万円
知性とは、既にある価値観に向かって、「本当にそうなの?」と問いかける力である。
By 落合恵子