悪魔について論じた本は日本ではオカルト系に分類される事が多く、書店でもスピリチャルのコーナーに置いていたりする。
歴史的な裏付けがきちんとなされていて、日本語で読めるのは、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の歴史学教授であり、哲学博士でもあるジェフリー・バートン・ラッセルが書いた一連の著作になる。
『悪魔』『サタン』『ルシファー』『メフィストフェレス』の悪魔四部作は、悪魔論に関してはこれを超える作品は今の所存在しない。
ただ、悪魔についてのきちんとした研究書ではあるが、途中でラッセル自身の考えが変わってきたり、細かなところで実証に用いた文献が変わったりしているので、一般向けでは無い。
そこで、ぜひ参照したいのが、ラッセルが「悪魔四部作」の簡約版として著した『悪魔の系譜』である。
神学をよく理解している人によつまて翻訳さらた四巻本を参照した上で訳されており、悪魔論を考えるならば、この本は必読となる。