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2015年7月30日木曜日

人が他人を妬むのは「差があるから」ではなく、「自分もそうできたはず」という感情である。
これを「相対的不満」といい、次のような状況で生まれる。
1.自分はAをほしい(Aになりたい)
2.自分はAを所有していないが、他人はAを所有している(Aになっている)
3.自分は他人と同じようにAを所有する(Aになる)資格があると考えている
つまり、1つ目の「自分はAをほしい(Aになりたい)」と思わなければ、そもそも不満を感じない。
また、Aを得ている人が世の中に誰もいなければ、そもそも妬むことはない。
そして、3つ目の「自分も得る資格がある」と考えた時に、不平等感を抱き「なんであいつだけ」という妬みが生まれる。
人は平等な社会になれば、より強く不平等を意識するようになる。
もともと不平等が当たり前であれば、不平等であることは気にならない。
しかし、「これからは平等な世の中」となった瞬間に、「これからは平等であるべき」という意識が働き、平等でない小さな部分が際立って見えてしまう。
平等な世の中になればなるほど、「平等そのものに対する執着」が強くなる。
不平等が社会の共通の法であるとき、最大の不平等も人の目に入らない。
すべてがほぼ平準化するとき、最小の不平等に人は傷つく。

By トクヴィル 『アメリカのデモクラシー』
アイリスオーヤマは、元々はプラスチック加工業だった。
ある時、社長の子供が犬を飼い始めて、社長が犬小屋を探したところ、木材のキットを自分で組み立てる商品しかなかった。
雨が降ったら犬も小屋の中もずぶ濡れになってしまい、衛生的ではない。
そこで、自社のプラスチック加工技術を使って犬小屋を作ったところ、大ヒットした。
そこからペット用品に進出して、いまや介護、園芸、家電の分野にまで拡大し、業績は右肩上がりで伸びている。