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2015年10月12日月曜日

ヨーロッパでの差別から逃れて新大陸アメリカに移住してきたユダヤ人はもアメリカでも差別を受けることになる。
一定の資産を持つユダヤ人はアメリカの金融業界で頭角を現すことになるが、貧しいユダヤ人は、そうはいかず、低所得者向けの娯楽でしかなかった勃興期の映画産業に向かうことになる。
MGM、20世紀フォックス、ワーナーブラザーズ、パラマウント等、いずれもユダヤ人によって設立された映画会社である。
ローマ法王は、ローマの中に存在する世界最小の国土面積の「バチカン市国」の国家元首でもある。
バチカン市国はイタリアとの間の出入国は自由で、国境線はガードレールのような柵が一部あるだけとなっており、出入国管理はない。
警備はスイス人の衛兵が勤めている。
彼らの派手な服装はのミケランジェロのデザインと言われている。
1505年にスイス人の傭兵が採用され、1527年に神聖ローマ帝国による侵略を受けた際に、多数のスイス人傭兵が犠牲となった。
それ以降、バチカン市国の警備にスイス人傭兵はなくてはならない存在となった。
ルターやカルヴァンの宗教改革が行われた同じ頃に、イギリスでも宗教改革が始まったが、その理由は国王ヘンリー8世の離婚問題だったというのは驚きである。
ヘンリー8世は、6人の妻を持ったイギリス王で、最初の妻キャサリンとの間に男子の後継ぎが生まれなかった一方、侍女のアン・ブーリンに魅了されたため、キャサリンとの離婚をローマ法王に申請したが、却下された。
カトリックでは離婚は禁止されているからである。
ヘンリー8世は、このローマ法王の反対を押し切ってキャサリンと離婚し、既に妊娠していたアン・ブリーンと再婚し、イギリス国王を頂点とするイギリス国教会を誕生させた。
アン・ブーリンとの間に生まれた娘が後のエリザベス1世である。
イギリス国教会は、教会のトップかせローマ法王からイギリス国王に替わっただけで、儀式面ではカトリックを、教義面ではプロテスタントを取り入れた折衷式の宗派となった。
カトリック教会の腐敗を批判したルターの宗教改革は、プロテスタントという新たな宗派を生み出すこととなった。プロテスタントとは「抗議する者」の意味である。
ちなみに、カトリックとは「普遍的」という意味で、人種や性別、国籍などに関係なく、全ての人々に神の愛を与えるという意味を持っている。
カトリック教会にはマリア像やイエス像などがおいてあるが、プロテスタントの教会には、聖書しかなく、十字架もない所もある。
印刷技術もなく、読み書きができるのはごく限られた人しかいなかった時代に、カトリックの布教活動の助けとなったのが、マリアやイエスの像だった。
またカトリックの聖職者は、神と人間を仲介する父のような存在なので「神父」と呼ばれ、神父は独身男性のみで結婚は禁止されている。
一方、プロテスタントでは、迷える子羊を導く牧者のような存在であることから「牧師」と呼ばれ、牧師は結婚が許されている。
キリストの弟子の中でも二大使徒と言われ有名なのが、ペテロとバウロである。
ペテロはイエスが育ったガラリア地方の漁師で、最初にイエスを救世主と認め、一番弟子となった。
ペテロの本名はシモンだったが、イエスは彼を教会の礎石とする意味で「岩」というあだ名をつけた。
「岩」をギリシャ語でいうとペテロとなる。
イエスが十字架の刑に処せられた時、ペテロはイエスとの関わりを否定して、他の弟子たちと一緒に逃走するが、後にこれを恥し、イエスの死後にその復活の第一証人として布教活動に専念する。
このペテロの墓の上に建てられたのが、現在のバチカン市国にある「サン・ピエトロ(聖ペテロと言う意味)寺院」である。
ペテロはイエスから「天国の鍵」を託されたとされ、のちに初代ローマ法王と位置づけられた。
歴代のローマ法王は、全てこのペテロの後継者なのである。
ヨーロッパではキリスト教離れが進む一方で、中国ではキリスト教徒が急激に増加しており、現在では7000万人ほどいると言われている。
それが2030年には、2億4700万人にまで拡大すると予測されており、アメリカのキリスト教徒数と同数になるという。
アメリカの調査機関の予測では、2070年頃にはキリスト教徒とイスラム教徒が、ほぼ同数になるという報告がある。
ヨーロッパでは、キリスト教の信者数が減っており、イギリス国教会の教会はここ数年で、100や200といった単位で閉鎖に追い込まれている。
キリスト教の信者というのは、教会に届け出を出して教会毎に所属していて、ドイツでは教会税が給料から天引きされている。
教会税とは、聖職者の年金などに充てられているが、それが不本意だといって教会を離れる人が増えている。
こりようにして、キリスト教は教会が信者の人数を把握しているので、信者数は減っているのが把握できる。
しかし、イスラム教は、このようなキリスト教の教会のような信者の把握方法が無い為、信者数はいつも推定という表現になってしまう。
十字軍がイスラムからヨーロッパにもたらした有名な物に、砂糖がある。
英語のシュガーの語源は、アラビア語の「スッカル」で、砂糖きびを原料とする砂糖の生産は、紀元後にインド北東部のベンガル地方で始まったのが起源である。
その後、7世紀にはイランで砂糖きび栽培が始まり、イラク、シリア、ヨルダンへ伝わり、エジプトへ伝わり、11世紀になると地中海や北アフリカ、12世紀にはイベリア半島に伝わっていった。
砂糖は、ムスリム商人にとって、主要な貿易品目であり、エジプトのカイロやアレクサンドリアでは、イタリア商人に売る時の課税が国庫を潤した。
イスラム原理主義の過激派による自爆テロ行為など、異教徒に対する征服活動という意味でよく使用される「ジハード」のもともとの意味は、「(イスラムのために)努力する」というもので、断食やコーランを暗唱することも、広い意味でジハードということになる。
「イスラム」とは「神=アッラーへの絶対的帰依」という意味。
アッラーの教えは、イスラム教の聖典『コーラン』に書かれている。
『コーラン』はアラビア語で、「読誦すべきもの」という意味で、黙って読むのではなく、大きな声で読み上げるものである。
日本語訳もあるが、アラビア語の原文が翻訳されると、神の言葉では無くなるので、建前としては「日本語による解説書」という位置づけとなる。
『コーラン』は全部で114章からなり、その内容は、政治・経済・社会問題をはじめ、法や道徳にも言及されている。
1987年10月のブラックマンデーの時、後にノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のゲイリー・ベッカー教授はこう言った。
「確かに株価は1日で22%下落した。しかし国の富の75%は人の中にあり、殆ど影響を受けていない」
国の富の75%とは人が身につけた技能な知識の事であり、一時的に株価が暴落しても心配いないと主張したのである。
教育こそが、国の富を生み出す源だという考え方である。
1948年にハーバード大学のチェンバレン教授がピットマーケット実験を行った。
これが初めての経済実験と言われている。
ピットマーケットとは、ピット=穴の中にいて周りが見えないように他の人達の取引の情報が分からない市場のこと。
ピットマーケットでは、他の売り手や買い手の情報が分からない為、売買のを成立急ぐとアンバランスな取引となる事がある。
「勝者の呪い」
オークションサイトなどで、誰もが同じ価値を持っているものに入札する場合に、落札者が商品の実際の価値よりも高い価値で落札してしまうこと