Amazon

2015年8月23日日曜日

資産運用とセットで、自身の稼ぐ力を考える必要がある。
本来、自身の稼ぐ力こそが最大の資産であるはずである。
例えば、年収500万円稼げる人の資産価値は、毎年500万円の利回りを生み出す金融商品と考えられ、その利回りを株の長期的な平均利回りである年6%とすると、8333万円の資産価値(500万円÷6%)と同じになる。
つまり、自身の稼ぐ力を能力面で向上させ、健康面で維持・長期化させることは、1000万円の資産運用方法より何十倍も重要となる。
30歳で年収500万円の人は、同じ年収があと30年続けば、1.5億円のキャッシュを生み出す。
殆どの人は、資産運用より自身の稼ぐ力への投資の方が、ライフプランに与える影響は大きいのである。
個人年金保険は、所得控除になり節税メリットがあると、セールスマンは説明するが、節税額はごく僅かでしかなく、現在売られている個人年金の運用利率は低すぎるので、合理的な商品ではない。
また、預貯金は元本1000万円までとその利息が預金保険機構で保護されるが、積立型の保険は、元本保証ではない。
生命保険にも生命保険契約者保護機構というものがあり、保険会社の破たん時には保護される仕組みがあるが、貯蓄性の高い保険ほど削減幅が大きくなる。
積立型の生命保険は、生命保険と貯金を組み合わせたような仕組みであり、合理的な商品ではない。
それならば、掛け捨てで生命保険に入り、貯金は別にすれば良いということになる。
将来、金利が上がってしまうと、低金利で固定された上に、自由に引き出しができない、メリットがゼロの不便な定期預金になってしまうだけである。
住宅ローンを借りる前と借りた後では、借金の意味が違うことに気づいていない人が多い。
住宅購入のリスクを減らす最も効果的な対策は、家の購入予算を減らす事で、住宅ローンの借入れ額を減らし、借金を少なくしてリスクを減らす事である。
しかし、一度、住宅ローンを借りてしまうと、無理に借金を減らそうとするとかえってリスクが高まってしまう。
元々、お金がないので借金をして買い物をしてしまったので、当然のことである。
お金を借りるという事は、支払を後回しにする、つまり借金をゆっくりと分割で払ってもいいという契約である。
繰上げ返済は、返済した時点では得をするものではなく、得をするのは数十年後にローンを完済した時点となる。
従って、途中経過を見ると毎月の返済額は変わらず、繰上げ返済した分だけ、手元の現金が減っただけという状況になる。
繰上げ返済をしてしまうと、資金繰りが悪化してしまうリスクが高くなるのである。
住宅ローンの繰上げ返済は、早く繰上げ返済すればする程、利息負担が減ると言うのは正しい。
しかし、資金繰りの悪化してしまい、手元のお金が大幅に、なおかつ長期に渡って減ってしまうというデメリットを考慮する必要がある。
繰上げ返済とは、利息負担の減少と引き換えに、手元資金を大幅に減らすことなのである。
繰上げ返済のシミュレーションは、「知るぽると」というサイトで簡単にできる。

最近、夫婦二人で家を買い、住宅ローンを組むケースが増えているという。
夫婦で住宅ローンを借りる場合、連帯債務、ペアローン、連帯保証と3種類の借り方があるが、その内容は大きく異なるので注意が必要である。
通常は二人でローンを組む場合は、連帯債務かペアローンになる。
この違いは、連帯債務が二人で1本のローンを組むのに対して、ペアローンは夫婦それぞれがローンを組んで借金が2本になる点である。
どちらのローンも二人とも返済の義務があり、住宅ローン減税も二人で受けることができ、お金を出した割合に応じて持分を保有(登記)できる。
団体信用生命保険は、ペアローンは亡くなった人の分だけローンが消える。
つまり、夫婦で半分がつローンを組んでいれば、どちらかが亡くなった時にローンは半減する。
連帯債務の場合は、夫婦どちらかが主債務者として主な借り手となり、その人だけが団信に加入する。
この場合、夫が主債務者であれば、妻が亡くなってもローンの残額は変わらない。
ただ、フラット35で「デュエット」という団信(夫婦蓮生団信)に入った場合、どちらがが無くなってもローンは全額消える。
その分だけデュエットは1人で加入した場合に比べて1.6倍程度、保険料が割高になる。
連帯保証は、夫の借入れに対して妻が返済保証をするという形で、二人の収入を合わせて借入可能な額を計算する(収入合算)ので、ローンの借入れ総額が増える。
しかし住宅ローン減税は一方しか受けられず、デュエットのような仕組みもない。
連帯保証人は権利の主張もできないので、ただ単に債務の責任が生じるだけである。
住宅ローンの契約時に、連帯保証と連帯債務はどちらも「収入合算」という言葉で説明され、ローン契約締結後の変更はできないので、どちらを指しているのか契約前に正確に確認する必要がある。
住宅ローンを頭金2000万円で借りて繰上げ返済をしないケースよりも、頭金を1000万円で借りて期間短縮型で繰上げ返済を行うケースの方が、返済額は77万円減る。(金利1.73%、返済期間21年の場合)
頭金2000万円の場合の返済額は7131万円、頭金1000万円の場合の返済額は7054万円。
つまり、頭金を2000万円入れるより、当初の頭金を1000万円に減らして、残り1000万円を5年後に繰上げ返済した方が、返済額は減ってしまうのである。
これは、期間短縮型の繰上げ返済によって、返済期間が4年2ヶ月圧縮されることにより、返済期間が短くなりトータルの返済額が減るという事になるのである。