東芝問題を「不適切会計」と報じるマスコミもあるが、東芝は明らかに「不正経理」であり、粉飾決算をしたわけで上場廃止になるべき由々しき事態である。
カネボウの粉飾決算を見抜けなかった中央青山監査法人は解散に追い込まれたが、東芝の粉飾を見抜けなかった新日本監査法人も責任を問われねばならない。
今回の東芝の粉飾決算が発覚したのは、相談役の西田厚聰と副会長の佐々木則夫の確執が爆発した内紛が原因と言われている。
6年前に西田は社長のポストを佐々木に譲った。
西田はパソコン部門の出身でダイナブックを世に送り出した技術者だが、財界活動にも野心満々で、キャノン会長の御手洗冨士夫の後任の経団連会長を狙っていたという。
しかし、当時、日本商工会議所会頭だった岡村正も東芝出身で、経団連も日商も東芝という訳にはいかず、西田は断念した。
一方の佐々木は安倍総理に近づき、経済財政諮問委員となり、経団連副会長のポストを得ることに成功した。
これが西田には気にいらず、2013年2月の社長交代の記者会見で、西田は佐々木のことを「英語が話せないし、社内で会議ばかりやっている」と非難し、佐々木は自分が「東芝を成長軌道に乗せた」と反論して言い合いになるという醜態を見せてしまった。
遂には西田は自分が引き上げた佐々木を「なにしろ結婚もしたことがない男だから、子供っぽくて言い出したらきかない。独善もあそこまでいくと毒悪」とまで決めつけたという。
この内紛から、佐々木を倒すために西田側の人間が、証券取引所等監査委員会に内部告発したのが引き金となったと言われている。