内閣参与の浜田宏一氏が、2016年8月に発表されたプランストン大学のクリストファー・シムズ教授の論文を読んで、自分の考え方の誤りに気付いた事で一躍有名になった「シムズ理論」というのがある。
シムズ理論の骨子は「実質政府債務が将来のプライマリーバランスの割引現在価値と一致するよう物価が調整される」というものである。
この理論に基づいてシムズ教授は、「アベノミクスの金融緩和でデフレが脱却できない理由は、物価目標を達成する前に消費増税をしたからだ。今後は物価目標を達成するまでは、少なくとも消費税増税を凍結すべき」と主張している。
学者の間では、シムズ理論の評価は大きく分かれているという。
政策の方向性は正しいが、この理論に関して疑問があるのが、国民はプライマリーバランスの割引現在価値などという難しいことを考えて行動していないからである。
政策の方向性は正しいが、この理論に関して疑問があるのが、国民はプライマリーバランスの割引現在価値などという難しいことを考えて行動していないからである。
消費税率を2019年10月から10%に引き上げたら、デフレ脱却が更に遠のくのは間違いないが、消費税増税凍結でデフレ脱却ができるかは疑わしいと言わざるを得ない。
なぜならば消費税増税凍結では、消費者の実質所得が増えないからである。
実質所得を増やし、デフレ脱却を確実にするためには、消費税率を5%に戻し、将来の再引き上げを明確に否定するしかない。
実質所得を増やし、デフレ脱却を確実にするためには、消費税率を5%に戻し、将来の再引き上げを明確に否定するしかない。