中国とインドを新興市場国と呼ぶが、これは正確な表現ではない。
中国もインドも19世紀初めまでは世界の二大経済大国だったからである。
イギリスの経済史家のアンガス・マディソンの推計によると、1500年の世界の主要国の実質GDPの推移は、以下の通りである。
イタリア 11,550百万ドル
フランス 10,912百万ドル
イギリス 2,815百万ドル
スペイン 4,744百万ドル
アメリカ 800百万ドル
中国 61,800百万ドル
インド 60,500百万ドル
日本 7,700百万ドル
西欧合計 44,345百万ドル
アジア合計 153,601百万ドル
1820年までは、中国の実質GDPは西欧の合計を上回っていたし、インドの実質GDPもイギリスの3倍程度あった。
西欧と中国・インドの経済力が逆転するのは1870年からである。