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2017年11月25日土曜日

2013年のノーベル平和賞は、外交、安全保障、軍事、インテリジェンスの専門家以外には、あまり知られていない「OPCW(科学兵器禁止機構)」が受賞した。
1997年に発効した化学兵器禁止条約に基づいてOPWCは発足している。
この条約は、サリンなど化学兵器の開発、使用を禁止し、現在保有する化学兵器については段階的に全廃することを定めている。
本部はオランダの首都ハーグに置かれ、国連加盟国190ヵ国の殆どが加盟している。
ちなみに、イスラエル、ミャンマー、南スーダン、アンゴラ、エジプト、北朝鮮がOPCWに加盟していない。
イスラエルとミャンマーは科学兵器禁止条約には署名している。
科学兵器を保有する加盟国は、貯蔵場所、数などを申告しなければならず、OPWCは化学兵器関連施設の視察や、兵器の破壊などを行う。
職員数約520人の比較的小規模な国際機関である。
国連安全保障理事会は、拒否権を持つ5大国(米露英仏中)と地域別のバランス(アジア2、アフリカ3、中南米2、西欧2、東欧1)を考慮した拒否権を持たない10ヵ国の非常任理事国によって構成されている。
非常任理事国は2年毎に5ヵ国ずつ改選される。
拒否権を持たない非常任理事国であっても、安保理の会議で発言し、影響力を行使することが可能である。
従って、どの国も安保理非常任理事国になりたがるのが常識だが、その常識に反する事件がおきた。
2013年10月17日に、国連総会で非常任理事国5ヵ国の改選が行われた。
任期満了を迎えたのは、モロッコ(アフリカ)、トーゴ(アフリカ)、パキスタン(アジア)、グアテマラ(中南米)、アゼルバイジャン(東欧)であり、新たに選出されたのが、サウジアラビア(アジア)、チャド(アフリカ)、ナイジェリア(アフリカ)、チリ(中南米)、リトアニア(東欧)だった。
ちなみに、サウジアラビア、チャド、リトアニアが安保理のポストを得たのは初めてだった。
しかし、翌18日に、サウジアラビア外務省は、安保理非常任理事国のポストを辞退すると声明を出した。
声明は、安保理について「皇道の仕組みや二重基準の存在でその責務を果たせず、平和と安全保障の崩壊ほもたらし続けている」と批判し、シリアのアサド政権に対して化学兵器使用を理由として制裁を科せなかったことやバレスチナ問題が反面できない証拠であり、改革されて機能するようになるまで理事国を受諾しないと宣言した。
ロシアは原子力砕氷船により、北極海航路を商用化するという国家戦略を持っている。
世界に存在する原子力砕氷船10隻のうち9隻はロシアに所属している。
2012年から2020年にかけて、さらに3隻以上の新世代原子力砕氷船が建造される計画となっている。
北極航路は北極海の天然資源開発にも大きな役割を果たすと見られている。
ロシアの大陸棚にある資源は、石油換算で1000億トンに上ると見られており、石油や天然ガスとしてアジア太平洋諸国への輸出が検討されている。
エネルギー会社は、2020年までに北極海ルートを経由する輸送を6400万トン、2030年までには8500万トンにまで増加させる計画を打ち出している。
第二次世界大戦で、ソ連軍の中にはウクライナ人200万人が含まれており、ドイツ軍の中にも30万人のウクライナ人が含まれていた。
同一民族が互いに敵味方になって戦ったのである。
そして、ナチス・ドイツ軍に加わったウクライナ人はユダヤ人虐殺に積極的に加担している。
ロシアが、ウクライナの権力を奪取した中に、「バンデラ主義者」、すなわち一時期、ナチス・ドイツと提携し、第二次世界大戦後に西ドイツに亡命してウクライナ独立運動を展開したステパン・パンデラの崇拝者がいるのは事実である。
米国やEUは、ウクライナ現政権の危険性を過小評価している。
2016年10月3日の衆議院予算委員会で、前原誠司衆議院議員と安倍晋三首相との間で、北方領土交渉の落としどころについて重要な質疑が行われた。
北方領土交渉を巡り、前原氏から「ご自身の中に2島先行返還論はあり得るのか」と尋ねられると、安倍首相は「交渉は一貫した交渉姿勢、4島の帰属問題を明らかにして平和条約を締結するということに変わりはない」と述べた。
この答弁で、安倍首相が「2島先行返還」を否定していないことが明らかとなった。
なぜならば、「4島の帰属問題を明らかに」することについては、5通りの可能性(日4露0、日3露1、日2露2、日1露3、日0露4)があり、この中に「2島先行返還」も含まれるからである。
1956年の日ソ共同宣言では、平和条約締結後にソ連が歯舞群島と色丹島の2島を日本に引き渡すことが約束されている。
この条約を満たすことで平和条約を締結しても、「4島の帰属問題を明らかに」することになる。
政府は従来、「4島の日本への帰属の確認」を平和条約の条件としていたのを、なし崩し的に「4島の帰属問題の解決」にすり替えてたのである。
ロシア人は、誕生日に友人に電話をするという習慣がある。
2014年9月21日、プーチン大統領は安倍総理と電話会談を行った。
プーチン大統領は安倍総理を「個人的友人」と考えているというシグナルをこの電話会談で送ったのである。
完全な独裁国家を除き、どの国てせもマスメディアの論調が国民世論から極端に乖離することはない。
新聞や雑誌は商業出版物なので、国民からそっぽを向かれるような内容だと売れないからである。
テレビも視聴率が確保できないと、広告が集まらない。
ロシア人は善良だ。
ただし、その善良さは子どもと動物に対してしか発揮されない。
by スターリン
日本老年学会と日本老年医学会が、65歳以上とされていた高齢者の定義を75歳以上に引き上げるべきだとする提言をまとめている。
提言によると、65歳から74歳までを准高齢者、75歳から89歳までを高齢者、90歳以上を超高齢者と呼ぶように、定義を変えるべきとされている。
その理由として、75歳未満の高齢者は、まだまだ若く、10年~20年前と比べて、加齢に伴う身体的機能変化の出現が、5~10年遅延しており、若返り現象がみられるからだという。
一方で、健康寿命という指標を、2000年にWHOが提唱している。介護の必要がなく、健康に生活できる間を健康寿命とする概念である。
日本の健康寿命は、2013年時点で男性が71.19歳、女性が74.21歳となっている。
ちなみに2001年時点の健康寿命は、男性が69.4歳、女性が72.65歳だった。
確かに健康寿命は延びているが、12年間の伸びは男性が1.8歳、女性が1.6歳しか伸びておらず、老年学会の「加齢に伴う身体的機能変化の出現が5~10年遅延している」という主張と大きく異なる。
2014年の財政検証で、厚生労働省は公的年金の支給開始年齢を65歳から70歳へと繰り延べる画策をしている。
実際に、一番の基本となるシミュレーションは、男性高齢者の7割が70歳まで働く前提で計算されている。
厚生労働省の「出生動向基本調査」によると2010年の夫婦の完結出生児数は1.96と、結婚したカップルは2人の子供を産んでいる。
少子化の大部分の原因は、生涯未婚化なのである。
結婚できない最大の理由は、所得格差の拡大である。
2012年度の「国土交通白書」によると、20代から30代の男性の場合、年収が600万円までの区分では、年収が上がれば上がるほど、結婚している率が高くなっている。
非正規社員に該当する年収100万円~200万円の階層では、94.2%が未婚である。
同時に、その層全体の73.1%が恋人もいないとしている。
ちなみに年収800万円~1000万円の階層では、未婚率は56%、恋人がいないのは28%に過ぎない。
今の日本は、勝ち組以外は結婚どころか、恋人も持てない社会になっている。
現在、保育園では0歳児保育に、一人当たり年間400万円以上の税金が注ぎ込まれているが、結婚して子供を産めるのは、大部分が勝ち組なのである。
レオパレス21が2016年11月に実施した調査によると、ひとり暮らしをしている20代・30代の若者の52%が、「クリスマスをひとりで過ごす」と答えており、「彼氏・彼女と過ごす」人の26%に対して、2倍になっているという。
5年程前からネットの世界では、「クリスマス」と「独りぼっち」の合成語である「クリぼっち」という言葉が使われ始めている。
シングル化は、中高年層にも拡大している。
2015年の国勢調査によると、30歳台前半男性の非混率は51%と過半数に達している。
そして非混率が大きく上昇したのは、その上の世代で40歳台後半男性の非混率は5年前と比べて4.1ポイントも上昇し、34.2%に達している。
50歳を目前に、3人に1人の男性が非婚というのが、今の日本の実態なのである。
人口学では、50歳時点で結婚していないと生涯未婚として扱われる。
つまり、もはや3人に1人の男性が生涯未婚に追い込まれる時代が来てしまったのである。
ふるさと納税の活況に、一部の自治体が制度への不満を高めているという。
ワンストップ特例制度を利用した場合、減税額は全額、寄付をした住民を抱える自治体の負担となったからである。
住民がふるさと納税をすると、その分、納税者に住民サービスをする自治体の税収が減ってしまうのである。
経済産業省が2016年に発表した「平成27年度電子商取引に関する市場調査」によると、日本の消費者向けEC市場の規模は、13兆7746億円で、5年前と比べると77%も伸びている。
取引の中でEC取引が占める割合である「EC化率」は5年前の2.84%から4.75%へ大きく増えている。
また、2015年の日本から中国の消費者向けのEC市場は7956億円で、前年比31.2%も増加している。
戦後、日本の木造住宅は20年、長くても30年しかもたないと言われてきた。
戦後の木造受託の耐久年数が短いのは、木材を石膏ボードで挟んで、木に息をさないからである。
法隆寺の五重塔が建立されたのは、今から1410年前のことであり、質のよい木材をキチンと管理すれば、木材は1000年以上の命を保てるのである。
ビジネス成功のカギは、顧客のニーズに合わせてビジネスを変えていくことである。
USJは、経営破綻の瀬戸際の際に、反転攻勢のきっかけとなったのは、園内に従業員が演ずるゾンビを投じようさせ、顧客を追いかけ回したイベントだった。
その後、ハローキティ、モンスターハンター、エバァンゲリオンなど、ハリウッド映画の世界とは全く異なるキャラクターのアトラクションを導入することで、入場者数を増やしV字回復に成功した。
ハウステンボスも、オランダの街並みの再現にこだわって、経営破綻した。
その再生を支えたのは、オランダの街並みとは全く関係のないワンピースの海賊船の導入だった。
流通業界が、高齢層を優遇し始めている。
イオンは65歳以上を対象に、ゆうゆうワオンという電子マネーを発行しており、毎月15日にイオン直営売り場で買い物をすると5%引きになり、3000円以上の買い物で100ワオンのポイントがつく。
イオンは公式には認めていないが、公的年金が偶数月の15日に支給されるからである。
スーパーのライフは、60歳以上の高齢者を対象に毎月1日と15日に5%割引をしている。
ツルハドラッグは、60歳以上を対象に、毎月15日から17日は5%割引をしている。
トイザらスは、60歳条のポイントカード会員に、毎月15日は5000円以上の買い物で1割引をしている。
その他にも、マルエツ、東武百貨店池袋店、ユニディなどで高齢者向けサービスが行われている。
こうした現象は、公的年金の支給が、流通業にとって、大きな存在感となっていることが背景にあり、60歳以上の世帯消費は、既に全消費の半分近くまで高まっているからである。
2016年度上期の関東地区のテレビ視聴率で、NHKがトップを獲得した。
NHKがトップとなるのは、異例の事態だという。
NHKは高齢層の視聴率が高いため、高齢者パワーがテレビ業界を変え始めたとも言われている。
地震保険は、法律に基づいて損害保険会社と国が共同で運営しており、その保険料は地震調査研究推進本部の地震被害予測シミュレーションに基づいて算定されている。
そのため、保険料は建物が立地する都道府県によって大きく異なっている。
例えばコンクリート造りの建物に1000万円の地震保険をかけた場合、年間保険料は10段階に分かれ、最も安い地域(岩手・長野・福岡など)の6800円に対し、最も高い地域(東京・神奈川・静岡など)では2万500円と、3倍以上の差がついている。
近年の大地震を振り返ると、中越地震のあった新潟県と阪神・淡路大震災のあった兵庫県は、保険料が下から3番目の8100円、東日本大震災で大きな被害を受けた福島県は7400円、熊本地震にあった熊本県は6800円だった。
今回の熊本大地震で明らかになったことは、地震は日本中どこで発生するか分からず、発生率の予測などできない、という事である。
だとすると、現在の地震保険料は不当な料金差別をしていることになる。
こうした問題点を解消するため、地震保険ほ補完する保険を民間が発売している。
SBIリスタ少額短期保険が、地震補償保険を出しており、最大900万円まで加入できる。
900万円の保険に加入した場合の非木造住宅の年間保険料は、東京都3万5780円、岩手県2万5820円と、保険料の地域間格差は1.4倍にすぎない。
日本は地震の活性期に入っていると言われているが、現在の地震保険の普及率は3割程度である。
1982年に、高失業率と経済低迷に苦しんでいたオランダは、政労使で「ワッセナー合意」を結んだ。
労働側は無理な賃上げを要求せず、使用者側はリストラをしない、そして政府は雇用形態による賃金や社会保障の差別を一切禁じる規制をする事となった。
それ以降、オランダの働き方は急速に多様化し、特に男性のパートタイマーが大きく増加し、副業も大きく増えた。
それも週5日を、複数の会社で働く「複業」する労働者が増えていった。
低迷していたオランダ経済は、ワッセナー合意の後、奇跡の復活を遂げることになる。
企業はリストラをしなくても、労働力の流動化によって雇用調整や人材確保がしやすくなり、複業により労働者の視野が広がった為とみられている。
2014年時点でもオランダの年間労働時間は1425時間と、フランスよりも短い。
オランダの一人当たりGDPは、4万4300ドルと、日本の3万2500ドルを大きく上回っている。
2004年に日本政府は、それまで積立方式だと主張してきた年金を、こっそりと賦課方式に変更した。
それまでは、年金は保険料を支払った本人に返るものだと言ってきたのを、支払った保険料がストレートに、その年の高齢者に支払われる事にしたのである。
つまり、年金積立金の大部分を使い込んでしまったのを認めたのである。
毎年の年金給付水準は、集めた保険料の総額で自動的に決まるという、政府にとって「100年安心」な年金制度に進化させたのである。
日本政府は、この事について一度も謝罪をしていない。
ノーベル賞の賞金や運営費は、ダイナマイトの発明で巨万の富を築いたアルフレッド・ノーベルの遺産を運用することで賄われている。
ノーベル財団が公開している資産運用をみると、運用資金の半分を内外の株式に投じているのはGPIFと同じである。
GPIFの2014年度の運用利回りは12.3%増、ノーベル財団は16.5%増となっている。
しかし、2015年度は、GPIFが4%の損失を出しているのに対して、ノーベル財団は7.3%増の利回りを確保している。
株式市場が低迷したにも関わらず、高いパフォーマンスを出しているノーベル財団は、株価が下落する前に売り抜けて、それをヘッジファンドに変更したからである。
ノーベル財団が2015年末でヘッジファンドに振り向けた資金は、資産額の3割に及んでいる。
政府が公的資金の積立金を本気で増やそうとするならば、ヘッジファンドに資金を回して、下落相場でも利回りを確保する覚悟が必要である。
2016年12月14日に、改正国民年金法が成立し、2018年度から物価下落時には適用されないマクロ経済スライドが繰越され、物価上昇時にまとめて適用されることになった。
マクロ経済スライドとは、現役世代が減り年金受給者が増えることによる年金財政の悪化を、年金給付水準を引き下げることで調整しようとするもので、2004年の年金制度改正で導入された。
年金水準の削減は、毎年1%程度だが、これまでマクロ経済スライドが発動されたのは、2015年度に一度だけであり、他の年はデフレが続いたため、見送られてきた。
しかし、この法案の成立により、デフレ下で見送られてきたマクロ経済スライドは累積され、物価上昇率がプラスになった時に、一気に発動されることとなる。
例えば3年間マクロ経済スライドが見送られたとして、その次の年に物価・賃金が3%上昇したとすると、マクロ経済スライドが3%分発動され、本来3%年金が改善されるはずが、年金の改善はゼロとなり、実質3%の削減となる。
この制度の導入により、今後は平均すると毎年1%ずつ確実に実質年金は下がっていく。
厚生労働省は、2014年6月に、年金制度の財政検証の結果を発表している。
そこでは、経済成長率の前提が異なる8パターンの将来推計が占められているが、うち5つのケースで将来的に厚生年金の書拓代替率50%が維持できるとされている。
つまり、厚生年金の保険料をしっかりと納めていれば、現役世代の手取り収入の50%の年金を保証できるとしたのである。
さらに、この5つのパターンに共通する前提は、「労働市場への参加が進む」という事である。
例えば65歳~69歳男性の労働力率は、現状49%だが、参加が進むケースでは67%と、3分の2の高齢者が働く前提となっている。
一方で、高齢者の労働力率が現状と変わらないケースでは、所得代替率は現状の62.3%から最悪35~37%まで低下し、年金が実質的に44%もカットされる事を意味する。
現在の年金制度を続けていれば、確実に年金は半額に向かって減っていく。
もしそれがイヤならば70歳まで働いて、年金保険料を払い続けねばならない社会が目の前に来ている。