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2014年11月26日水曜日

三島由紀夫の事件には、よど号事件が影響を受けていることが、映画『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』を見ると理解できる。
三島事件が起きたのは1970年11月で、よど号ハイジャック事件は、その8ヶ月前の1970年3月だった。
よど号事件は、警察に弾圧され、指名手配されていた9人の赤軍派の学生が飛行機をハイジャックをして、韓国で下ろされ捕まえられそうになるのを逃れて、北朝鮮まで行った事件である。
三島は、その日に「楯の会」の本多清に電話し、「先を越された」と言ったそうである。
さらに三島は、福岡空港のタラップで日本刀を持って立ち上がる田中義三の姿を見て、「日本刀の決起がいい」という事で衝撃を受けている。
だから、よど号事件がなければ、三島事件はあの様な形ではなかったかもしれない。

若松孝二最新作「11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち」予告編

小泉総理の靖国参拝を批判した為に、右翼のテロにより、2006年8月15日に自宅を焼打ちされた加藤紘一の「紘一」は、「八紘一宇」からとった名前である。
八紘一宇(はっこういちう)とは、『日本書紀』巻第三神武天皇の条にある「掩八紘而爲宇」の文言を戦前の大正期に日蓮主義者の田中智學が国体研究に際して初めて使用し、縮約した言葉で、「道義的に天下を一つの家のようにする」という意味である。
大日本帝国の政策標語として、日本国内各所で東アジアにおける東亜新秩序実現の為のスローガンのひとつとして使われた。
名前からして愛国者の加藤紘一を、右翼の人は襲ってしまったのである。
愛国心というのは、歴史的に作られたもので、その起源ははっきりしている。
18世紀末のフランス革命以後、国民国家(近代国家)が生まれた頃から国家にとってどうしても不可欠なものになったのである。
それまで、戦争は貴族とか武士とかプロフェッショナルがやっていたのが、国民国家になると国民皆兵制になり、農民も商人も戦争に動員されるようになった。
つまり、国民全体に国家の為に人殺しは正しいと教え込まねばならなくなったのである。
これが愛国心のルーツなのである。
アメリカでは原発の新設が進んでいない。
その理由は、チェルノブイリ原発事故でもスリーマイル原発事故でもなく、安全対策をすると、単純にコストが高すぎてペイしないと言われるようになったからである。
日本の原発は、コスト計算が不透明な部分があり、立地交付金などコストに含むべき費用が含まれておらず、コストの詳細が全く開示されていない。
広告費もどこに出しているのか明確に開示されていない。
そもそも独占企業なのだから、本来は広告を打つ必要もない。
福島原発事故が起きて、もう東電は広告を出せないのではないかと一時は言われていたが、杞憂に終わり、手を変えて大量のお詫び広告と節電広告を打った。
マスメディアが批判的な事を言い始めた途端に、大量の広告が流れ始めたのである。
日本の原発大国への歩みは、1954年に中曽根康弘が中心となって、突如、国会に提出された原子力開発予算案が可決された時から始まる。
原爆投下のわずか9年後のことだった。
イギリスやフランスでは、電力は国営の時代が長く、民営化に向けて電力改革が起きる過程で、発送電分離が行われた。
日本の電力は、民営からスタートし、民間企業の形態を続けてきた点が特徴である。
松永安左エ門が電力事業にかかわり始めた明治40年頃は、民間電力会社がしのぎを削って自由競争する激烈な時代だった。
昭和の初めに、軍益を最優先して戦争を遂行するため、電力の国家管理が強硬された。
これに反発した松永ら財界人は、戦後の電力再編で、日本政府とGHQと闘いながら、発送電一体の九電力体制を作り上げ、これが現在の日本の電力会社の基礎となっている。