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2016年9月17日土曜日

「アシュレイ・マディソン」の収益力は桁違いである。
創業当時の事業計画では、3年以内の黒字化を目標にしていたが、実際にはたったの半年で黒字化を達成している。
2014年の売上高は1億1500万ドルと前年比4倍の伸びを記録している。
また売上高に占める粗利益の割合を示す粗利益率は55%という。
同社の成功の理由には、以下が考えられる。
<成功理由1>
同社が他の「出会い系サイト」とは異なり、母集団の大きい市場にフォーカスしたことである。
同社の分析によると、多くの国では成人人口に対する独身者の割合は10~20%程度であり、一般的な出会い系サイトはこちらをターゲットにしている。
一方、同社は残りの80~90%の既婚者をターゲットにしている。
<成功理由2>
不倫という生物学的な人間の本質に注目したことである。
多くの科学者が私的している通り「一夫一婦制」というのは人間の本質ではないがく、不倫や浮気を求める人が一定数出てくるのは自然の摂理である。
<成功理由3>
料金体系が収益を上げやすいビジネスモデルになっている。
サイト登録は無料だが、実際に利用すると最低でも数千円が必要で、退会するには別途1900円請求される。
このため、一度入会すると退会し辛くなり、会員数が減らない。
会員数が増え続けるので、それを宣伝にして、新規会員を呼び込みやすくなる。
ちなみに、2015年7月に同社のサイト閉鎖を狙うハッカー集団「インバクトチーム」によって利用者の個人情報が盗まれ、翌8月に3200万人の個人情報がWebサイトに公開されてしまい、それが原因で2人の自殺者が活性した可能性があるという。
経済学的に考えると、既婚者が道徳的・倫理的に許されない不倫に走るのは、不倫ほすることのメリットがデメリット(期待費用)を上回るからである。
カナダのブリティッシュ・コロンビア大学のマリナ・アドシェイド氏の著書『セックスと恋愛の経済学』によると、不倫の期待費用は次の式で表現できる。
不倫の期待費用=不倫が露見する確率×露見時の費用
不倫がバレる確率については、2014年に既婚者専用出会い系サイト「UndercoverLovers.com
」が、男女各3000名の不倫経験者に不倫がバレたかどうかアンケート調査をしたところ、女性の不倫が露見する確率は5%だった。
次に、不倫が露見した時の費用については、専業主婦の場合は夫の収入に頼っているので、露見時の費用=夫が離婚に踏み切る確率×(夫の年収+不倫慰謝料)と考えられる。
ある探偵事務所が5000人の既婚男性を対象に実施した調査によると、妻の不倫が発覚した時に「離婚を考える」と回答した夫は32.8%だった。
また国税庁の『民間給与実態統計調査』によると2014年の男性(45歳~49歳)の平均給与は629万円となっている。
さらに『司法統計年報』によると、婚姻期間が15~20年の夫婦の場合、不倫慰謝料の平均額は534万円となっている。
よって、不倫の期待費用は、不倫が露見する確率(5%)×夫が離婚に踏み込む確率(32.8%)×(夫の年収629万円+不倫慰謝料534万円)=19万732円と推定される。
つまり、専業主婦にとっては、不倫のメリットが金額換算で年間19万732円を超えていれば、不倫に走るということになる。
共働きをしているキャリアウーマンの場合、夫の収入への依存度は低くなるので、離婚に至る経済的な被害=不倫の期待費用も下がってくる。

セックスと恋愛の経済学: 超名門ブリティッシュ・コロンビア大学講師の人気授業 

カナダに本拠を置く既婚男女向け出会いサイト「アシュレイ・マディソン(Ashley Madison)」は、2001年に創業し、2002年1月にサービスを開始した。
サイト名の由来は、北米で使用例が多い2つの女性名である「アシュレイ」と「マディソン」から来ている。
サイト公開以来、急成長しており、同社の発表によると、2015年7月時点で世界52カ国、4000万人近くが利用しているという。
日本には2013年6月24日に進出し、日本国内の会員数は180万人を超えており、米国、カナダ、オーストラリア、ブラジルに次ぐ5番目の売上を上げているという。
同社が2014年に実施した調査によると、「不倫についての罪悪感があるか」という質問に対して、「ある」と回答した女性の世界平均は8%だったのに対して、日本人女性は2%と僅かであり、男性は世界平均19%に対して、日本人男性は8%だった。
国際的にみて日本の男女は、不倫に対して罪の意識が希薄であることが明らかになった。
熟年離婚を避けるためには、お互いがパートナーに対して寛容になる必要がある。
「QOM(クオリティ・オブ・マリッジ)」という結婚生活における夫婦それぞれの幸福度を数値化した指標がある。
2013年に約3600名を対象とした分析結果を見ると、パートナーが室内を全裸で歩き回ったり、オナラをしたりすることに抵抗がない人ほど、結婚生活の幸福度が高いという結果になった。
幸福度の数値が最も低いDランクの人は、全裸が許せないが47.1%、オナラが許せないが43.5%だった。
一方、幸福度の数値が最も高いAランクの人は、全裸やオナラを許せない人は26.4%と低かった。
夫婦仲が悪い家庭ほど妻ヘソクリ額が増える傾向があるという。
明治安生命が、20代から50代の夫婦を対象とした2014年の調査によると、「愛情を感じていない夫婦」では平均のヘソクリ額が214万7160円であったのに対して、「愛情を感じている夫婦」では94万953円と、2.3倍もの差があった。
2016年1月から開始されたマイナンバー制度に続き、2017年1月からいよいよ「マイナポータル」というインターネット上で個人情報のやり取りの記録を確認できるサービスの提供が始まる。
現状では、マイナンバーは税・社会保障・災害対策のみに使用されることになっているが、預金口座にもマイナンバーが紐づけ(2018年からは任意、2021年からは義務化予定)される。
なお、マイナポータルの導入によって、パソコンやスマホから簡単に離婚申請の手続きもでき、離婚手続きも簡素化されるという。
これまでは、夫婦でお互いに離婚届にサインと押印をして、役所に届ける作業が必要であり、この面倒臭さが離婚の防波堤としての役割を果たしていた側面がある。