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2016年8月7日日曜日

ビル・クリントン大統領時代に、第13代アメリカ軍統合参謀本部議長を務めたジョン・シャリカシュヴィリ氏は、ポーランドからの移民だった。
彼は「ポーランド生まれの私が、一代で参謀本部議長になれる国はアメリカしかない」と語っている。
だからこそ、世界中の若者がアメリカという国を目指してやってくるのである。
フランスは少子化対策として、「シラク三原則」を定め、子供を産んでも経済的に苦しくならない仕組みを構築した。
その1つ目の原則は、子供を持つ持たないは女性が自由に決めればよいというものである。
ただし、女性が生みたい時期と女性の経済状況が必ずしも一致するとは限らないので、子供が多いほど多くの補助金を出すようにした。
赤ちゃんが増えるに従って給付を増やせば、収入が安定して生みやすくなるという発想で、子供を何人産んでも女性が経済的に困らないようにしたのである。
2つ目の原則は、保育園の充実である。
欧州では女性も働くのが一般的であり、保育園の待機児童がゼロになるよう、自治体の責任で保育を整備させた。
3つ目の原則は、3年間の育児休暇を留学と位置付けて、職場に戻ってきた時に元のポストで仕事ができるようにした。
人事評価も育児休暇に入る前のままだとすれば、誰でも安心して育児休暇を取れるようになる。
加えて、PACS(市民連帯契約)を導入し、法律婚と事実婚の差別をなくした。
このシラク三原則による子育て支援政策によって、フランスの出生率は1996年の1.65から2010年には2.01に上がっている。
今後もアメリカには更に優秀な人が増えると考えられる。
最大の根拠は、大学の高い競争力で、世界の有名大学のほぼ半分がアメリカにあり、常に80万ランを超える両学生を抱えているからである。
中国からの留学生だけでも23万人を超えているという。
アメリカの大学の授業料はルン間200万円から300万円と高額なうえ、他にも生活費が必要で、留学生が大学院に2年間留学するためには最低でも1000万円は必要となる。
それでけでも8兆円の有効需要が生まれる。
若くて優秀な人達が8兆円を持ってアメリカに来てくれるのである。
第二次世界大戦で、特攻隊を組織したのは日本とイギリスだけと言われている。
日本は文系大学生を中心に若者を指名したが、イギリスは犯罪者で特攻隊を構成したという。
犯罪者だから死んでも良いという事ではなく、イギリスが犯罪者を募ったのには理由がある。
泥棒の名人は忍び込む事が得意なので、ノルウェーにあるナチスの拠点に忍び込んで施設を爆破したいから、どうか力を貸してくれと請願したのである。
「ロサダの法則」という研究がある。
人間が1回の叱責に耐えられるのは、その裏に2.9回はめられることが最低条件になっているというのである。
つまり、2回褒めて1回叱る組織に属する人間のモチベーションは明らかに下がり、3回褒めて1回叱る組織の人間のモチベーションは維持できるという。
モチベーションの高い組織では、6回褒めて1回叱るということを実践しているそうである。
人間の最も厄介な性質は自尊心が強いという事である。
人間は褒められるのが大好きで、叱られるのが大嫌いである。
これは人間の脳の癖だから避けて通れない。
だとすれば「ロサダの法則」以上に褒めなければ、組織のやる気を引き出すことはできない。
お金と時間を無制限にかければ、何でもできる。
換言すれば、時間とお金さえかければ、殆どのビジネスモデルは真似されるということである。
ここに差別化が生まれる余地はない。
だとすると、差別化の要因になり得るのは、従業員のやる気とモチベーションに尽きるということになる。
イギリスの保育園では、入園したばかりの園児全員を一対一で向き合わせ「目の前のお友達をよく見て下さい。お目め、お鼻、奥地をよく見て下さい。一緒ですか?違いますか?」と、クラス全員の間で何度も繰り返すという。
すると園児は人間の外見がみんな違うことを心の底から理解する。
次に園児に違う質問をする。
「音も代の顔がみんな違うことが分かりましたね。では、見た目が違うお友達の心の中はどうですか?どんなことを思っていて、どんなことを感じているか、それはみんな一緒だと思いますか?」
すると園児はみんなの外見が違うのであれば、中に入っている考えも違うと答えるという。
そして、「よく分かりましたね。みんな違うということは、自分の感じたことや思ったことを、お友達にはちゃっんと話さないと分かってもらえませんね」と、イギリスの保育園では3年間、そのことだけを徹底的に繰り返し、後は何もしなくてもよいという教育方針だという。
人は誰一人として同じではない。
でから自分が考えた事や感じたことを相手に分かるように伝えなければ、永遠に理解し合うことはできない。
このことを学ぶだめの期間が、保育園の3年間だという。
続いて、小学校の低学年では、人間は二足歩行の動物なので裸足で土を踏むべきで、それが健全な心身の成長につながるという教育方針のもと、野山に出て、ひちすら下半身を鍛えるという。
体力がついて、自分の意見が言えるようになれば、あとは知識をいくら詰め込んでも問題ないという考え方だという。
アメリカで最高級の老人ホームは、中西部の平凡な大学のキャンバス内にあるという。
大学の敷地内に建設された高齢者用高層マンションの価格は、ニューヨークの高級マンションの価格の2倍するにも関わらず、入居待ちの列ができているという。
てっきり大学病院にずくに行けるからだろうと推測するが、彼ら高齢者の関心は、大学の講義を自由に受けられることなのである。
高額マンションなので、入居者は富裕層であると共に、かつての有名企業経営者や投資家など、一般に人が羨むような肩書が並んでいる。
そういう富裕層の中には、実は若い時に文学を勉強したかった、哲学を勉強したかったという人が多く存在し、現役時代は仕事が多忙で踏み切ることができず、リタイアしてそこに入居すれば実現できるということが、購入動機になっているという。
ところが、実際に入居者が楽しいと感じることは別の所にあるという。
例えば、経営論の講義の場合、聴講生に高齢者がいると、教授が「ここで30年にわたって企業経営をしていたミスター〇〇に意見を聞いてみましょう」と指名する。
高齢者は若い人に自分の経験を話し、彼らと議論することほど楽しいことはないという事に気づいていくという。
地位や名声を持つ人が最後に辿り着いたのが、仲間や若者との触れ合いだったということなのである。
国民皆年金制度が構築された1961年は、現役世代11人で1人の高齢者を支える社会構造だった。
しかも当時の男性の平均寿命は65歳前後だったので、現役世代が支える期間は5年程度でよかった。
しかし、現在は騎馬戦と言われ、現役世代3人で1人の高齢者を支えねばならない。
もう間もなく肩車になる勢いとなっている。
しかも、高齢者はリタイア後20年以上生き続ける。
このような社会構造になったしまったからには、世代間の不公平はある意味で仕方ないことである。
そもそも人口動態的な変化を超えて、世代間の不公平を無くそうとすれば、原則として税金を投入するしか方法はない。
世界初の官吏養成大学は、1224年にローマ皇帝フェデリーコ2世が創設したナポリ大学と言われている。
日本ではそれから約650年後の1877年に東京大学が設立された。
当時、大学としてはボローニャ大学などがあったが、それらはローマ教会と密接に結び付いた僧侶が学ぶための大学だった。