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2016年8月6日土曜日

サザエさんの作者である長谷川町子の作品に「まんが幸福論」というのがある。
内容はこんな感じ。
立派な神様と悪い神様がいました。
ある幸せな夫婦に玉のような赤ちゃんが生まれた時、悪い君様はこの幸せな家族に不幸を呼んでやろうと、悲惨なストーリーを思いつきました。
「この子供を、一生苦労させてやろう。あらゆる辛酸をなめた挙句、乗っていた船が難破して無人島に着き、助けも来ないまま猿と暮らして一人で死んでしまうんだ」
横にいた立派な神様が悪い神様の企みをことごとく邪魔して、悪い神様のストーリーを実現させませんでした。
玉のような子供は大人になって成功し、幸せな家庭を作って、みんなに囲まれて死んでいきます。
その最後に、次の言葉を口にしたのです。
「ああ、俺の一生は不幸だった。本当は、船乗りになって無人島で一人で生活したかったんだ」
立派な神様と悪い神様は、互いに顔を見合わせます。
「人間は、複雑でわからないねえ」
はた目には大成功したように見える人生でも、その人が幸福だとは限らない。
人間は、最後に悔いが残らないことが一番幸福なのだろう。
アメリカでは、HOA(ホーム・オーナーズ・アソシエーション)という持ち家の所有者で構成される組織つくられ、専門業者にメンテナンス事業を委託しなが、住宅地の質、資産価値を維持・向上させている。
いくら自分の家だけ綺麗にしていても、周りに空き家や空き地が増えてくると、自分の家の資産価値も下がり、住宅地全体もゴーストタウンになる危険がある。
しっかりとしたマネジメント組織をつくり、住民が主体的に空き家と空き地の活用方法を考えていけば、ゴールドタウンになる可能性も残される。
こうした住宅地マネジメントを先駆的に行ってきた住宅地が、山万株式会社が40年以上前から千葉県佐倉市で開発してきたユーカリが丘である。
山万の社員の殆どがユーカリが丘に住んでいるため、住民ニーズを素早く把握して、保育園、学童保育、高齢者福祉施設、市民農園、警備組織なども山万がつくり、運営している。
また子供が独立して夫婦二人だけで住んでいる戸建住宅を山万が好条件で買い取り、リノベーションして間取りも今風に変え、若い世代に向けて新築よりも安く販売し、老夫婦には山万の分譲マンションに引っ越してもらうという「ハッピーサークルシステム」という住み替え制度を構築している。
これによって、住民が何歳になってもユーカリが丘内で住み続けられるようにすると共に、新たに若い世代を取り込むことで、オールドタウン化を防いでいる。
家族社会学者の山田昌弘氏が「パラサイトシングル」という言葉を作った1990年代後半には、30歳を過ぎてもパラサイトシングルがいるという事が話題になったが、現在では50歳になってもパラサイトシングルをしている人が出てきている。
総務省統計研究所の論文によると、「親と同居の壮年(35歳~44歳)未婚者」の数は、1995年には124万人だったが、2010年には295万人になっている。
日本の35~45歳の総人口は1842万人だが、そのうち世帯主は622万人である。
それに対して、親が世帯主をしている家に子供として住んでいる人の数は350万人であり、そのうち295万人が未婚となっている。
残りの55万人は、既婚、離別、死別ということなる。