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2016年8月6日土曜日

サザエさんの作者である長谷川町子の作品に「まんが幸福論」というのがある。
内容はこんな感じ。
立派な神様と悪い神様がいました。
ある幸せな夫婦に玉のような赤ちゃんが生まれた時、悪い君様はこの幸せな家族に不幸を呼んでやろうと、悲惨なストーリーを思いつきました。
「この子供を、一生苦労させてやろう。あらゆる辛酸をなめた挙句、乗っていた船が難破して無人島に着き、助けも来ないまま猿と暮らして一人で死んでしまうんだ」
横にいた立派な神様が悪い神様の企みをことごとく邪魔して、悪い神様のストーリーを実現させませんでした。
玉のような子供は大人になって成功し、幸せな家庭を作って、みんなに囲まれて死んでいきます。
その最後に、次の言葉を口にしたのです。
「ああ、俺の一生は不幸だった。本当は、船乗りになって無人島で一人で生活したかったんだ」
立派な神様と悪い神様は、互いに顔を見合わせます。
「人間は、複雑でわからないねえ」
はた目には大成功したように見える人生でも、その人が幸福だとは限らない。
人間は、最後に悔いが残らないことが一番幸福なのだろう。

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