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2017年7月31日月曜日

イギリスは北海油田の発見によって、1980年に油石輸出国となり、その後の10年間で2500億ドルの相当の大金を手に入れた。
その資金を何に使ったのかは諸説あるが、確実なのはお金を使って消費してしまったということである。
一方、イギリスと同様に石油の発見で、大金を入れたノルウェーは、基金を設立して収入の大半を運用に回した。
現在、その価値は7200億ドルにも達し、世界でも最大級の政府系ファンドとなっている。
毎年アカデミー賞の季節になると、世界中で作品賞の予想で盛り上がるが、作品賞の陰に隠れて、目立たない「アカデミー編集賞」というものがある。
1981年以来、作品賞をとった作品はほぼ例外なく編集賞にもノミネートされている。
実際に、編集賞と両方ノミネートされている場合、3分の2は作品賞を獲得している。
アカデミー賞の歴史の中で最も尊敬されている編集技師は、マイケル・カーンという人物である。
彼が手掛けた映画は、『レイダーズ/失われたアーク』『プライベート・ライアン』「シンドラーのリスト』など数々の超有名作品を編集している。
スティーブン・スピルバーグの監督作品は殆ど全てカーンが編集している。
それなのにカーンの名前を知っている人は少ない。
編集の仕事が「目に見えないアート」と呼ばれる所以である。
ノーベル賞を受賞した心理学者のダニエル・カーネマンが、いったん所有してしまうと失うのが怖い「授かり効果」に関する実験をしている。
カーネマンは、ランダムに選んだ被験者の半数にマグカップを与え、残りの半数には与えなかった。
マグカップを貰った所有しているグループには「いくら払えばそのマグカップを手放すか?」と質問し、残りの所有しないグループには「そのマグカップを手に入れるのにいくら払うか」と質問した。
その結果、所有するグループが最低でも5ドル25セントだったのに対して、所有しなかグループの答は2ドル25セント~2ドル75セントに留まった。
所有しているという理由だけで、何の変哲もないマグカップの価値が3ドル分も高く感じられるのである。
人は何の訳に立つ訳でもないのに、所有しているという理由だけで、失うのがもったいないと感じてしまう。