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2018年7月12日木曜日

政府系金融機関には「特利」と呼ばれる政策的な超低金利融資がある。
特利を受けるには、政府の指定す特定業種・事業に当てはまるか、「中小企業新事業活動促進法」の適用を受ける等、っていの条件に当てはまる必要がある。
また、多くの自治体では利息または保証料に対して補助してくれる「利子補給制度」や、「無利息貸付制度」というのがある。
特利や無利息融資を使って平均利子率を下げると、銀行は決算書の「支払利息÷借入金」で平均利子率を計算して、他行の利率を推測しているので、一般の銀行が進めてくる金利も自然と下がってくる効果が期待できる。
保証協会付融資には、当座貸越契約を使った「事業者ローン」という枠を決めていつでも借りられる商品がある。
この事業者ローンは利息が元本に自動組み入れされ複利となるので、非常に高金利となる。
これを長期の保証協会付融資に借り換えるだけで、金利が2%近く下がることもある。
これは金利交渉というよりも、知識として知っているかどうかの問題である。
銀行との金利交渉には「取引によるトータルの利益」がものを言う。
保険、投資信託、外貨預金などの取引から銀行に手数料が発生するので、金利引き下げの要素となる。
また、実質利率、つまり「借入マイナス預金」の差額に対する利率を使って交渉することもできる。
具体的には「この口座の売上金口座に対して平常時の平均残高でいくら残す」と言うと、銀行にしてみれば、例えば1000万円を貸し付けて金利1.5%(利息年15万円)にしても、預金残高が700万円あれば実質的に300万円の貸出に対して年利15万円を受け取っていることになるので、実質5%の利息を取っているのと同じことになる。
つまり、借入額と預金残高の差が小さいほど、預金残高が多いほど、銀行としては利益率が高くなるのである。
銀行によっては、「個人の預金」や「取り立て依頼に出した受取手形」を実質的な預金とみてくれる銀行もある。
最近の銀行は、決算の3月よりも9月の中間決算のタイミングでの融資を重視している。
融資額だけではなく、利子収入が今期の成績に入るからである。
可能であれば、銀行に試算表を出すのは、一番現金が多いとき、例えば繁忙期の代金回収が済んだタイミングが交渉に有利である。
保証協会付融資を受ける際に、保証協会が抵当を条件に保証することがある。
具体的には、何かあって銀行が押さえている根抵当権を行使した場合に、保証協会付の融資から優先して充当するいう条件をつける形になる。
これを「協会優先充当」というが、保証協会と銀行の両方に担保を取られるのと同じような状態となる。
根抵当権の解除には、その銀行の全てのプロパ融資と、他行を含めた保証協会付融資の全額返済が必要となってしまう。
つまり、一括で別の銀行が借入を引き受けてくれない限り、他行への借り換えができないことになってしまい身動きがとれなくなる。
従来根抵当権を設定していて、新たに保証協会付融資を受ける場合には、「優先充当にはしないで頂きたい」と一言確認が必要である。
抵当権はこちらから「外してくれ」と言わない限り、住宅ローンでもない限り、銀行から積極的に外してくれることは無いので注意が必要である。
普通抵当権が1つの借入契約ごとに効力が限定され、借入を完済してしまえば、ほかの借入には効力が及ばないのに対し、根抵当権は契約ごとではなく、銀行との間で金額の「枠(限度額という)」を設定し、その枠の範囲内であれば、いつでも永遠に借入の保証として使える権利となる。
銀行からは「業績が少し悪化した時に、根抵当権を設定しておくと、借入のたびに抵当権を設定しなくてよいので便利で、抵当権設定費用を考えると経済的ですよ」と進められる。
しかし、根抵当権は一度設定されてしまうと、その銀行に関わる借入の全てを返済しない限り外せなくなってしまう。
根抵当権を設定していない銀行からすると、根抵当の担保枠の分だけ担保価値を低く見なければならななてしまうので、新たな取引銀行が参入しな.にくくなってしまう。
また一度根抵当権を設定すると、借入を全額返済するか、承諾を得るまで解除てきないので、無担保融資さえ有担保と同じことになってしまう。
役員報酬引き下げによる利益確保には注意が必要である。
会社の利益を確保するために、役員報酬を下げすぎると、「代表者の保証能力も低下」することになってしまう。
つまり、代表者は借入相応の役員報酬をキープする必要があるということである。
代表の保証能力が低下すると、追加担保か第三者保証を求められる最悪の流れになる可能性もある。
法人税アレルギーを持っている経営者は多い。
しかし、現在の税制では「所得税・住民税+社会保険料(含む法人負担分)」は法人税よりも高いことを理解すべきである。
例えば、年間600万円の役員報酬を払うと、社会保険の法人負担額は76万円となり、676万円の利益が必要となる。
もし役員報酬を取らずに676万円の利益にした場合、法人税額は169万円となる。
一方で、役員報酬600万円にかかる所得税+社会保険料は140万円で、さらに法人負担分の社会保険料が76万円かかるので、個人と法人を合わせると216万円の負担となる。
つまり、役員報酬を支払うより、法人税を支払た方が、47万円負担が少なくなり、法人税を支払った方が節税になる。
役員報酬は、銀行借入額の1/6程度が経常利益となるように設定するとよい。
つまり、融資を受けられる額払った税金の5~30倍となる。
例えば、年商1.2億円、借入2000万円の開始で、役員報酬を支払う前の利益が1533万円だとしたら、333万円の利益が費用となるので、役員報酬は1200万円に設定するのである。