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2014年7月28日月曜日

認知症発症前で、軽い物忘れの症状がある「MCI(経度認知障害)」の日本での2012年の推定人数は400万人。
65歳以上では8人に1人の割合となる。

MCIになると5年以内に50%の確率で認知症を発症する。

このMCI段階を対象に、予防運動プログラムが国立長寿医療センターで開発されている。

運動で筋肉が刺激されると、血液中に成長ホルモンが増加し、脳の海馬でBDNFという物質が多く分泌され、新たな神経細胞を生み出す働きがある。
そして、運動と同時に計算やしりとりで、海馬に負荷をかけると、新しくできた神経細胞のつながりが活性化し、海馬の神経細胞が再生されると推定されている。
世界の認知症患者数(世界アルツハイマー病協会)

2013年  4400万人
2050年  1億2500万人(推計)

日本の認知症患者数 462万人(2012年)←うち7割がアルツハイマー病
3年後に認知症患者数は1000万人を突破すると推定されている
認知症の7割がアルツハイマー病である。
ドイツ人医師アロイス・アルツハイマー博士が100年前に発見した。
脳が委縮し、記憶力が低下、やがて運動能力も奪われていく。
アメリカでは過去20年間に101のこの病気の新薬開発に失敗している。

ワシントン大学を中心に世界から150人の研究者が集まる「DAIN研究」(代表 ジョン・モリス教授)が6年前から開始されている。

同研究は家族性アルツハイマー病の家族300人の協力により、アルツハイマー病の発症メカニズムが判明した。

脳が活動すると神経細胞から出てくる老廃物のようなタンパク質「アミロイドβ」が発症(平均70歳)の25年前から増え始め蓄積されていくという病気の進行経過が分かった。
アミロイドβは脳に溜まると、神経細胞のシナプスを傷つけ、神経細胞を死滅させる。
更に発症の15年前から、「タウ」というタンパク質が神経細胞の中で増加していき、神経細胞を死滅させ、記憶を司る海馬が委縮する。

この発症メカニズムの解明により、予防約の開発が進んでいる。
イギリスではタウを攻撃する予防薬「LMTX」の臨床試験(第2相)が進んでおり、早くて2年後に結果が出るという。