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2017年9月24日日曜日

イギリスのEU離脱派は「移民に仕事を奪われる」としてEU離脱を選択したが、実際のイギリスの失業率は5%である。
200万人の移民が流れ込んできても失業率は増えていない。
イギリス国内はかなり人手不足の状態である。
難民に仕事を奪われたなどと言う根拠のないポピュリストのレトリックが、イギリスがEU離脱を選択した原因である。
トランプと同じレトリックで国民を騙したのである。
企業の時価総額世界トップ1000をランキングすると、330社はアメリカの企業であり、1位から12位までをアメリカ企業が独占している。
世界的に強いのはアメリカの企業ばかりであり、弱っている企業は米国内での競争に負けたのであり、外国の企業に敗れたという証拠はない。
この史実を理解できないトランプ大統領は、アメリカの中で敗北した人、国内企業との競争に敗れて人達の歪んだ訴えを聞いているからである。
日本車はアメリカで660万台も売れている。
アメリカでの現地生産は500万台近く、日本からの輸出が160万台である。
日系自動車メーカーは、製品に占める付加価値の50%以上がアメリカ製でなければメイド・イン・アメリカとは認めないと言われ、部品会社をアメリカに連れて行った。
それにより、アメリカの自動車メーカーも日本の自動車部品を調達できるようになり、デトロイトのビッグ3が蘇った。
日本の自動車は、アメリカ市場の40%を押さえているが、決して独り勝ちすることなく、アメリカの自動車メーカーと仲良く平和に共存している。
トヨタはアメリカの雇用確保に大きく貢献しており、インディアナやケンタッキーなど、8つの州で10の工場を展開し、年間200万台以上を生産している。
そのため、アメリカの魏かいではデトロイトの自動車メーカーを支持する人よりも、日本の自動車メーカーを支持する議員の方が多いという。
日本の自動車メーカーの工場は多くの州に広がっているため影響力が大きく、議会でも立場が強いという。
アメリカ企業にはおかしな習慣があり、海外からの輸入にかかる船積み費、航空費、保険料などのコストが上がると、その増加率と同じ分だけ最終消費者の小売価格を上げてしまう。
例えば100円のモノを輸入して400円で売る場合、輸入の際に税金が45%(45円)かかるようになれば、45円値上げして販売価格を445円にするのが普通である。
しかし、アメリカでは400円に対して45%値上げをしてしまう。
販売までに関わる全ての企業が45%分を上乗せする、という考え方となり、400円で売っていたモノが580円になってしまう。
コスト増によってモノの値段が上がることをコストプッシュインフレと言うが、このような習慣もあり、トランプ大統領が選挙公約を守るとアメリカは猛烈なインフレとなる。
そうなれば、トランプを支持しているプアホワイト層の生活は苦しくなってしまう。
2016年のアメリカ大統領選挙では、18歳から24歳までの投票行動を見ると「アメリカの未来世代」は圧倒的にヒラリーを支持している。
実は、ヒラリーの得票数は絶対数でトランプを200万票上回っていた。
歴史的にもオバマ大統領の2回目の得票数に次ぎ、大統領選で最も多い得票数だった。
それでも大統領になれないというのは、やはり選挙制度に問題があるという話になる。
成長戦略として規制撤廃に踏み切ると、規制によって守られていた弱い産業がダメージを受け、大量の失業者がでる。
その後しばらくすれば、規制撤廃によって成長した分野に雇用が生まれ、失業者を吸収するが、そこに至るまでに15年ほどの時間が必要となる。
アメリカのレーガン大統領が決断した規制撤廃で失業率が一時的に10%に達し、成長戦略が花開いたのはクリントン政権の時だった。
クリントン大統領は何をしたと言う訳ではないのにアメリカの景気が良くなった。
イギリスではサッチャー首相が解放戦略、規制撤廃を行ったが、花開いたのはトニー・ブレア首相の時で、やはり規制撤廃から15年経過してからである。
その間は、失業率は15%まで悪化した。