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2017年5月30日火曜日

給与所得者が「子ども・子育て拠出金」という税金を払わされている事を知っている国民はどれだけいるだろう。
この「子ども・子育て拠出金」というのは、元々は児童手当拠出金と言われていたが、2015年に「子ども・子育て支援法」という法律が施行され、この名称となった。
名称からいかにも「子育てのために必要なもの」という気がするが、内容は単なる税金で、日本全国の事業所で従業員に賃金を支払う場合に、その賃金の額に応じて従業員に子供がいようといまいと関係なく、事業所負担で拠出される。
事業所からみると、人を雇った時にかかる経費の一部であり、人件費として、給与から削られるので、実質的にサラリーマンが負担しているのと同じことになる。
しかし、形式的に事業者が負担することになるので、サラリーマンは自分がそういう費用を間接的に負担していることすら知らない。
「子ども・子育て拠出金」は、近年になって拠出率が急上昇している。
2012年3月以前に0.13%だったのが、2017年には0.23%と、わずか5年で2倍増になっている。
年収500万円の人は、年間1万円以上取られていることになる。
金融業界で働いている人は、積極的に投資信託を自身の資産形成に取り入れているという。
投資信託はインサイダー取引規制の対象となる「特定有価証券」に該当しないため、株式の売買に制約がある金融機関の社員でも取引しやすいためである。
米国のS&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズという「NYダウ」や「S&P500」を算出している有名な会社が、毎年、株式に投資する投資信託の運用成績を発表している。
2016年10月末のレポートに、アクティブ型の株式で運用する商品と株価指数を比較した部分があり、米国の場合、過去5年間でS&P500を上回ったアクティブ型株式の商品は、アクティブ型株式の商品全体の8.09%しかなかった。
つまり、米国においてはインデックス型の優位が益々強固になっている。
しかし、日本の株式市場の指数の一つである「S&P/TOPIX150」を上回っている日本株の株式で運用するアクティブ型の商品が、なんと43.43%もある。
さらに過去3年間では64.60%、過去1年間では78.41%と、指数を上回っているアクティブ型の比率は期間が転機かするにつれて上昇している。
日本においては、単純にインデックス型の商品が有利とは、言えない状況となっている。
現代の投資理論では、投資期間を長期化させても金融商品自体のリスクを減らすことはできない。
正確には、長くなればなるほど将来のリターンが大きくなる、という事と表裏一体の関係にある。
では、長期投資には意味がないのかというと、そうではない。
長期投資と積立投資を組み合わせることで、リスクとリターンを抑制できる。
つまり、長期投資でリスクを小さくできると述べる場合、「積立投資で長期投資をするとき」を付け加える必要がある。
投資信託の基準価額は日々変動する。
統計学的には、購入したファンドが値上がりするか値下がりするかは、いずれも50%の確率である。
つまり理屈では、売買のタイミングを研究してもしなくても、結果は変わらないことになる。
購入のタイミングは、早ければ早いほどよい。
理由は、購入が速ければ早いほど投資する期間が長くなり、長期投資が可能となるらである。
現在の主流の投資理論では、投資期間が長くなるほど将来のリターンが大きくなるとされている。
短期間では様々な原因によって、価格が上下するが、長期保有するほど、少なくとも最初の時点よりは価格が上がっている可能性が高まる。
インデックス型の多くの商品は「株式規模」の大きい銘柄、時価総額が大きい銘柄を中心に組入れられている。
しかし、時価総額が大きい銘柄が、必ずしも優良な企業とは限らない。
インデックス型は指数に連動する必要があるので、時価総額は大きいものの必ずしも優良とはいえない銘柄にも投資しなければならない。
インデックス型とアクティブ型を比較して、「インデックス型がベスト」というのは定説になっている。
その発端は1990年にノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコウィッツの「現代ポートフォリオ理論」で、投資においては分散投資が一番重要であり、保有する金融商品が十分に分散されたインデックス型の商品での運用が効率的であると述べられている。
この考え方が定説となり、「優れたアクティブ型の商品」がインデックス型の商品の陰に埋もれてしまうという事態になっている。
しかし、実際にはインデックス型の成績を大きく上回る、優秀なアクティブ型の商品が存在している。
新聞や雑誌の記事で「投資信託を100万円購入して毎年10%で運用すれば、複利効果で20年後に670万円になる」と紹介されている事がある。
もっともらしく聞こえるが、もそもそ「複利」とは投資信託に当てはまらない考え方である。
「複利」とは本来、投資で得られた収益を投資元本に加えて再投資して得られる利回りの事を指す。
元本が保証されており、あらかじめ利回りが決定しているという前提がある金融商品に適用される預貯金に適用される言葉である。
投資信託のように元本が保証されておらず、利回りも定まっていない金融商品に「複利」という概念を用いてはならない。
投資信託の価格を意味する基準価額は、様々な金融商品の価格を合成した数字なので、「割安」あるいは「割高」などの判断基準にはなりえない。
基準価額は、あくまでも運用の成果である純資産総額を、投資信託の保有者全体で割った結果にすぎない。
株価は買いが増えれば上昇するが、投資信託は買いが増えても、それに伴って口数も増えるので、基準価額は上がらない。
株価のように客観的に割安度を示す指標は投資信託には存在しない。
新聞や雑誌で、よく年代別にオススメの投資信託が紹介されている。
年代別に商品を推奨する記事の多くは「20代は投資期間を長くとれるので、大きなリスクを取れる」「60代は投資期間が短いので、リスクを小さくする」という投資期間の長さを判断基準にして商品を選んでいる。
しかし、現代の投資理論に従って厳密にいえば、「年代別のオススメ商品」は存在しない。
現代の投資理論では、「投資する期間」は金融商品の選択に大きな影響を及ぼさないとされている。
つまり、「投資する期間」によって、商品自体のリスクの大きさが変化することはない。
30代の人にとって「優れた商品」は、60代の人にとっても「優れた商品」になり、年齢によって「優れた商品」が異なることはない。
FXのスワップ金利は2営業日後が基準になっている。
月曜なら水曜の受け渡しを前提としてスワップ金利が計算される。
土日はFX会社が休みなので、木曜の2営業日後は月曜になる。
つまり、木曜には土曜、日曜、月曜の3日文のスワップ金利が付与される。
木曜の朝にポジションを持っていると、通常の3倍のスワップ金利になる。
よって、水曜の深夜から木曜の朝に向けて、3倍のスワップ金利を目当てに、金利の高い通貨が買われやすい傾向が出てくる。
バンガード本部は、90万平米(東京ドーム19個分)という広大な敷地に芝生が生い茂り、野生の鹿の姿も見られる場所にある。
バンガード本社は12ヶ所の建物は、いずれも英国艦船の名称が冠せられている。
従業員は乗組員を意味する「クルー」と呼ばれ、館内にはネルソン艦隊の戦艦の模型や海戦図などが、あちこちに掲げられているという。
1976年、バンガードは世界初の個人投資家向けインデックスファンド「ファースト・インデックス・インベストメント・トラスト(現バンガード500インデックス・ファンド」)を世に送り出した。
スタンダード&プアーズ(S&P)500指数を構成する全ての銘柄を時価総額加重で組入れ、指数と連動したリターンを目指すという設計だった。
分かり易く説明すれば、個別株を選ぶから、多くの投資家は失敗する。個別株の先を読む事はプロでも難しい。
それならば、「選ばない投資」、すなわち「全部買う」「指数を再現する」という新しい発想の運用法である。
全部買うがこそ、手数料を低く抑えられる仕組みである。
インデックスファンドは当初、市場では「ボーグルの愚行」と笑われたという。
さらにボーグルは、1977年2月の時点で「ノーロード」、つまり販売手数料が無料の販売システムの導入にも踏み切る。
バンガードのマーケティング戦略のモットーは「If you build it, he will come.」(それを作れば、彼はやって来る)だという。
時間はかかったが、投資家は確かにやってきた。
バンガードの創業者ジョン・C・ボーグルは、「ファンド自身によるファンドの統治」という極めて稀な会社の統治構造を作りだした。
会社の所有者を外部につくるからこそ、投資家ではなく所有者の利益を優先せざるを得なくなる。
結果的に顧客本位の経営を歪ませる利益相反を生んでしまう。
それならば、所有者と顧客を同質化させれば究極の顧客本位が成し遂げられると考え、この理念だけで本当に会社を作ってしまった。
パンガードは、実費以上に受け取った経費を投資家に還元し、経費率を引き下げるという前例のないビジネスモデルを考案してしまった。
株式会社ではあるが、外部株主は存在しない。
株主はバンガードの米国籍の各ファンドで、その運用残高に応じてバンガードの株式を所有し、ファンドごとの運営委員会が議決権を行使する仕組みである。
株主への配当もなく、余計な利害関係者が介在しないため、諸経費が発生せず、顧客への利益還元は益々高まることになる。
ちなみにこのビジネスモデルの仕組みのパテント(特許)も取っていない。
米ペンシルベニア州フィラデルフィア郊外の緑豊かな田舎町に、世界で初めて個人投資家向けのインデックス等親を開発し、インデックス投信のシェアで世界最大を誇るバンガードがある。
社名は英国のホレーショ・ネルソン提督が率いるイギリス艦隊の旗艦「Vanguard」に由来する。
2017年1月末時点で、バンガードの運用資産は4兆ドル。
投資調査会社モーニングスターによると、2016年12月末のバンガードを除く米国籍投信全体の平均経費率は0.62%なのに対して、バンガードは0.12%と圧倒的な経費率の低さを実現している。
米国の家計金融資産残高は1985年の10.89兆ドルから2015年に70.33兆ドルへと6.5倍に増大している。
ちなみに同時期の日本は、572兆円から1741兆円へと3倍の増加となっている。
米国の家計金融資産の伸び率を上回る急成長を遂げ、金融資産全体の増加を牽引したのが確定拠出年金制度(DC)の金融資産である。
個人型のIRA、職域型の401Kなどを合わせた総資産残高は、1985年の0.74兆ドルから14兆ドル超へと19倍も伸びている。
このうち半分の7兆ドル超が投信残高となる。
米国の投信残高は2016年9月末で18兆ドルを超え、投信資産だけで日本の家計金融資産とほぼ同額である。
ピーター・ドラッカーは1976年に著書『見えざる革命』の中で、米国の年金基金が全産業の株式の3分の1以上を所有すねようになった実態を捉えて、労働者が年金基金を通じて、実質的に米国企業の所有者になったという極めてユニークな見解を示した。
ドラッカーは、企業の支配者がいつの間にか、「資本家」から「労働者」になってしまったという。
ドラッカーが唱えた「見えざる革命」のドアを開けたのは、こともあろうか巨大自動車メーカーGMのチャールズ・ウィルソン会長だった。
ウィルソンは従業員向けの年金基金の創設を提唱した。
「大規模な年金は、米国経済そのもの、すなわた米国の生産と成長の能力に投資しなければならない」と信念を持っていた。
さらにウィルソンは、投資の何たるかを見抜いており、GM年金基金には決してGMの自社株を買わせなかった。
分散投資の大原則を理解していた思われる。
投資信託協会の調べによると、世界の投信残高は2016年6月末には40兆ドル規模に達している。
世界の投信残高は1985年から30年間で実に28倍にも膨れ上がったという。
中でも米国の投信残高は、18兆1300億ドルと世界の約半分を占め、1940年の投資会社法制定からの74年間で3万4600倍に達した。
一方で日本の投信残高は2016年6月末時点で1兆4750億ドルにようやく達した。
米国に次ぐのはルクセンブルク3兆8430億ドル、アイルランド2兆1280億ドル、ドイツ1兆9160億ドル、フランス1兆8660億ドル、オーストラリア1兆5970億ドル、英国1兆4910億ドル、そして日本、中国1兆1540億ドル、ブラジル9840億ドルと続く。
日本は1700兆円の個人金融資産を誇るが、資産運用先進国とはとても言えないレベルである。
投資信託には資産運用会社と信託銀行が信託契約を結び、信託された財産を運用して、その受益権を投資家が取得する「契約型」と、投資法人をつくり、その会社が発行する投資証券を投資家が取得する「会社型」がある。
日本か契約型が主流で、英国を参考に輸入したことに由来する。
一方、米国では会社型が主流である。
運用方針などに唐しかが積極的にかかわることができるガバナンスを重視する歴史的な経緯があるからである。
大恐慌前は、解約できないが市場で売買できるクローズド型が人気だったが、大恐慌で信頼は失墜し、いつでも解約できるオープンエンド型の会社型投信「ミューチャルファンド」が広がった。
日本でも1998年の法改正で会社型が解禁されたが、不動産投信信託(REIT)にしか活用されず、株式投信には広がらなかった。

2017年5月29日月曜日

世界28ヵ国、3万3千人以上の25~64歳の大卒以上の知識層に対して行う意識調査「エデルマン・トラストバロメーター」(信頼度調査)では、国別に調査結果が示されている。
2016年2月に発表された調査結果によると、日本で最も信頼されていない業種はメディアで、次に信頼されていないのが金融機関だという。
日本に信託が正式に輸入されたのは1905年である。
日露戦争後の経済復興のための資金調達策として担保付社債信託法貸が制定され、金銭、有価証券、不動産などを管理運用する信託業務として発展してきた。
第二次大戦前に、日本に進出していた米フォードやIBMが日本国内に残した資産は戦時中「敵国資産」とされた。
当時は「鬼畜米英」のスローガンが公然と掲げられており、競売にかけられ、軍費調達に転用されて然るべきところだが、なんと三菱信託などの信託銀行が管理してきたのである。
敗戦を迎え、GHQが進駐してきた際に、こうした敵国資産が開戦前と同じ状態できちんと保管されていたことに米国側は驚いたという。
特にIBMの社史には、「スリッパ1足に至るまで我々の財産は保全されていた」と明記されているという。
信託が仕組として体系化されたのは海外だが、「信じて託す」という人間ならではの営みは、日本にも古くから存在した。
平安時代、828年、「庶民に広く教育の機会を与えたい」と空海は理想を抱いていた。
しかし、空海には学はあるが財はなく、この考えに賛同した貴族の藤原三守(みもり)が土地と邸宅を寄附し、京都・九条に私設の学習所「綜芸種智院」を建設した。
藤原三守が委託者で、空海が受託者となって運用し、庶民が受益者となった。
同志社を設立した新島譲は、明治時代に活躍した林業家の土倉三郎に300円を預け、植林事業で運用し、妻の八重の生活資金とするように遺言に残している。
「ヴェニスの商人」「トム・ソーヤの冒険」「あしながおじさん」「レインマン」では、ストーリーの重要なポイントに信託が扱われている。
「ピーターラビット」で知られるビアトリクス・ボーターは、印税や親からの遺産で取得した4300エーカーの土地・農場をナショナル・トラストに托し、英国湖水地方の美しい景観を現在の我々に残した。
ウォルト・ディズニーは、全財産を遺言信託し、55%を親族を受益者とする信託、45%を公益信託とし、配当の大半をカリフォルニア芸術大学に送り続けているという。
信託博物館によると、投資家が集団で資金を出し合って投資するスキームは、オランダが発祥とされ、投資信託という形態では、1868年に英国のThe Foreign and Colonial Government Trustが最初だという。
信託は、移民とともに新大陸米国に渡ると、法人企業が信託を業務として提供し始めた。
当初は、富裕層の資産保管、財産管理、遺言執行が主な業務だったが、資金調達の手段として信託の仕組みが利用されるようになった。
その後、投資信託が本格的に普及し始め、従業員の退職後に備えた年金信託も登場していく。
東京丸の内の日本工業倶楽部会館1階に、三菱UFJ信託銀行が運営する「信託博物館」がある。
信託博物館によると、信託は古くは紀元前19世紀の古代エジプトに遡るという。
パピルスに記載された「ウアーの遺言」では、信頼できる後見人に自分の財産を拓氏、自分が死んだら子供に渡すように約束したとの記録が残る。
紀元前18世紀の古代バビロニアでは、「ハンムラビ法典」に、商人から資金や商品を預かった代理人の記述がある。
代理人は承認のために元本の倍の利益を上げ、損失発生時のルールさえ明記されているという。
紀元前2世紀から紀元1世紀頃の古代ローマでは、法定相続人以外の人物への信託遺贈が盛んにおこなわれていた。
初代皇帝アウグストゥスは、信託遺贈をめぐる争いを解決する専任の法務官を置いたという。
中世イギリスでは11世紀以降、十字軍に参加する兵士が、センチで命を落としても領地を没収されないように、信頼する友人に対し妻子のため、領地を管理保有するよう託した。
金融庁によると、日本の資産運用会社は42%が金融機関や事業法人の系列だという。独立系はわずか20%に満たない。
公募投信の純資産残高の比率では、さらに差が歴然とし、系列の運用会社の残高は86%を占めている。
外資系が10数%で、残る独立系は僅か1%にすぎない。
取扱い商品に占める系列運用会社の商品の比率は、大手銀行は62%、大手証券は56%となっており、ライバル銀行・証券の系列運用会社の商品は、取り扱わない。
つまり、銀行や証券が、顧客に最適な商品を勧めてくれるとは、思わない方が良いということである。
日本全体のファンド数は増加しており、2015年12月末時点で5843本になっている。
公募投資信託全体の残高は2000年末の49兆円から2015年末には97兆円に増加しているが、1本当りの残高は2009年以降、160億円前後で推移し、増えてないのが特徴である。
これに対して、米国では2000年建て以降、8000本前後で推移している。
一方、純資産残高は2000年末の7兆ドルから2015年末には、なんと16兆ドルに増加し、1本当りの残高は8.5億ドルから19億ドルと2.3倍に増加している。
金融庁の資料によると、純資産が2000億円を超える日本の公募株式投信は、本数ベースでは僅か1%にすぎない。
残高ベースでは2000億円以下は全体の65%に相当する。
過去3年間、投資信託の保有者の約半数は投信1銘柄しか保有していない。
金融庁によると、2012年3月から2016年3月までの純増ベースの売れ筋投資信託の上位5位までのランキングでは、計25本中、23本が毎月分売型だという。
毎月分配型は、運用利益が出ない場合、純資産を取り崩してでも分配に回すケースが多く、批判が根強い。
業界のアンケート調査によると、保有比率は「60代」「70代以上」の高齢者が多く、元本の一部を取り崩して分配金として払い戻すこともある事を理解している顧客は、なんと37%に過ぎないという。
また毎月分配金の使途は、「自分のこづかい」が39%、「生活費」が32%、「特に使わない」が28%にも上っている。
使い道がないのに分配を受けているのである。
毎月の分配金にも課税されるため、税金分が目減りし、複利効果がなくなるのを理解せず、使い道がない人にまで分配型を売りつけているのである。
人口予測の精度は非常に高く、1960年代に国連が世界の人口予測をし、40年経過した2000年時点での差異は、0.09%しかなかった。
2016年3月末の純資産残高は、日本ではトップが米国不動産投資信託、2位が海外リート、3位も米国リート、4位が海外株式、5位が米国低格付け債券で、全てアクティブ商品となっている。
これに対して、米国ではトップが米国株式インデックス、2位が世界株式(除く米国)インデックス、3位も米国株式インデックス、4位は米国株式、5位が米国債券インデックスで、4位を除くと全てインデックス商品になっている。
日米の売れ筋投信を比較すると、投信購入時に課される平均販売手数料(税抜き)は、日本が3.2%なのに対し、米国は0.59%。
資産運用会社が運用費用として徴収する平均年率信託報酬(税抜き)は、日本が1.53%なのに対し、米国は0.28%と、各種手数料の圧倒的な低さが分かる。
日本の資産運用では、運用成績が良くても手数料で損失が出てしまう「手数料負け」という言葉もあるくらいである。
販売手数料も信託報酬も米国より高いにもかかわらず、日本の過去10年の平均収益年率はマイナス0.11%であり、米国のプラス5.20%と雲泥の差となっている。
また、投資設定依頼の平均期間は日本が13年で、米国は31年。
平均純資産総額は日本が1.1兆円なのに対して、米国は22.6兆円となっている。

2017年5月27日土曜日

日本の国内総生産(GDP)は530兆円である。
国民の家計金融資産は1700兆円に上るが、投資信託残高は100兆円程度にすぎず、900兆円が現預金になっている。
この現預金を年1%の利回りで運用した場合、税引前で9兆円の利益がもたらされる。
現預金のままでは、資産の増加も税収も全く期待できない「眠ったお金」だが、これが年1%運用によってもたらすGDPの押し上げ効果は、実に1.7%となる。
半分の0.5%の運用でもGDPを0.8%押し上げる効果がある。
人口減少で人手不足、市場の縮小というGDPにはマイナス要因が多い中、殆ど手つかずの成長分野が資産運用なのは明らかである。
銀行の窓口で保険を販売する仕組みは、銀行と保険会社は販売代理店契約を結び、保険会社は販売代理店としての銀行に販売手数料を支払うことになっている。
つまり、銀行の窓口で保険契約を結ぶ場合、この手数料が含まれた費用を支払うことになる。
顧客は自分でオーストラリア国債そのものを買った方が高い利回りを享受できるのにもかかわらず、銀行窓口では銀行と保険会社の間で決められた高い手数料(5~7%)を反映した貯蓄性保険を買わされているのである。

2017年5月26日金曜日

銀行が最近、窓口販売で最も力を入れて販売してきた代表的な保険商品は、貯蓄性保険商品として分類される「一時払い終身保険」である。
保険料をまとめて「一時払い」する商品で、10年後の解約返戻金は一時払いしたお金よりも増えているため「貯蓄に有利」と顧客に姓滅して販売してきた。
だがカラクリがあり、たとえ9年でも10年以内に解約すると損失が発生する。
つまり、10年間は事実上、解約させない商品とも言える。
銀行窓口では「貯蓄機能と保険機能を組み合わせた0.5%程度の利回りの保険商品」と説明して販売していた。
しかし、2000年代に入って10年利付き国債が年1%程度の利回りだったように、10年巻の利回りで考えれば、より有利な貯蓄性の金融商品はいくらでもあった。
顧客の見えない裏側で、保険会社は利回り1%の国債で安定的に10年間運用し、顧客には利回り0.5%分を返戻金に上乗せし、残り0.5%分を銀行への販売手数料や諸経費として、運用益から差し引いていた。
顧客の資産形成を考えるならば、顧客自らが年1%利回りの国債を購入し、保険は必要な分だけを安価な掛け捨て商品で利用した方が、正しい提案だったはずである。
金融庁の調査によると、日米英の家計金融資産は、1995年を1とした場合(英国は1997年を1)、2015年末には米国は3.11倍、英国は2.27倍まで増えたにもかかわらず、日本はわずか1.47倍にしか増えていない。

2017年5月21日日曜日

ふるさと納税が人気だが、2015年度に全国の自治体が受け取った寄付額は前年度の4倍を超える1653億円となった。
例えば年間1億円の所得がある人が、400万円のふるさと納税をすると、寄付をした都市の所得税が確定申告で戻るだけではなく、翌年度の市民税、県民税が減税されて、合計3,998,000円が戻ってくる。
寄付した人の負担は2000円で済むので、要するに税収確保を担う地方都市が、「日本のタックスヘイブン」になっている構図がある。
千葉県大喜多町の「ふるさと感謝券」が富裕層の間で注目を集めたが、2014年12月に返礼品として金券を送り始め、2015年度の寄付額は前年度の40倍近い18億5500万円と急増したという。
うち96%が金券を求める寄付だった。
2014年に海外資産が5000万円超の富裕層に「国外財産調書」の提出を義務付ける制度が設けられた。
しかし、国外財産調書の提出件数は2014年で8000件程度しかない。
野村総合研究所の推計によると、国内分を含めた純金融資産が1億円以上の日本の富裕層は2013年時点で101万世帯。
国外財産長所にウソを書くなどした場合には、罰則があるが、意図的に届け出ない人が数万人単位でいる可能性が極めて高いという。
世界有数のタックスヘイブンとして知られている英領ケイマン諸島へ、日本からの証券投資が増え続けている。
日本銀行の国際収支統計によると、2015年末時点の残高は前年比2割増の74.4兆円で、2005年から10年間で2倍超となった。
データが残る1996年以降で最大となっている。
日銀が公表している中では、米国債を中心とした米国への投資(165兆円)に次いで、2番目に大きく、フランスや英国を上回る。
マレーシア政府が税金を極端に安くしたタックスヘイブンとして、ボルネオ島の近くに浮かぶラブアン島がある。
日本では実質30%弱かかる法人税が、ラブアンでは3%で済む。
あいは現地通貨で2万リンギ(55万円)を納めてもよい。
タックスヘイブンに設立した法人の株主が日本に居住したままでは、日本の課税の網から逃れることはできない。
日本の企業や個人(居住者)がタックスヘイブンに法人を作っても、その所得は原則、日本国内の所得と合算して課税される「タックスヘイブン課税」が1970年代からある。
しかし、株主が日本の居住者でなくなれば、この課税から逃れることができる。
例えば、日本人の株主がシンガポールに移住すると、シンガポールでは個人の所得に対する所得税も安く、最高税率は20%と日本の半分以下であり、日本の住民税にあたる税金もない。
外務省によると2014年にシンガポールで永住権を認められた日本人は2250人と、1999年の2.5倍になっている。
香港は2521人で1999年の4倍となっている。
どちらも相続や株の売却益に対して課税がない国である。
タワーマンション節税は税制と実勢価格のずれを巧みに利用するもので、一部の関係者の間では知られていた。
しかし、富裕層しか利用できない不公平な節税方式であるため、国税庁も対策に乗り出さざるを得くなり、全国の税務署にこうした相続税採択に注意するよう指示を出した。
2018年度からタワマン節税を封じるため、固定資産の評価方法が変更され、低層階り固定資産評価額を下げ、高層かいの評価を上げることとなった。
対象となるのは高さ60メートルを超えるマンションで、40階建ての場合は、最上階の固定資産税評価が5%上り、1階の評価額が5%下がる。
マンション全体の固定遺産税評価額が変わらないように設定するため、マンションの階数に応じて評価額の増減率が変わる。
しかし、タワマンは低層階と高層かいの実際の価格差は1割程度ではないので、大した影響はない。
国税庁が2011年~2013年のタワマンの実例を調べたところ、343件の平均で実際の販売価格が、相続税や贈与税の評価額の3倍を超えており、高層階は固定資産税評価額異常に高く販売されている。
今回の対策ではタワマン節税を防ぐことは難しい。

2017年5月20日土曜日

2017年2月に日本銀行が発表した調査結果よると、全国の銀行における2016年の不動産業向け新規貸出額は、前年比15.2%増の12兆2806億円だった。
これは統計を開始した1997年以来、過去最高の数字である。
全体の新規貸出額は48兆3988億円だから、不動産向け融資が4分の1 を占めているということになる。
タワーマンションは高層階に行くほど高価になっている。
東京都心で5000万円から5億円で分譲されていた40階建ての某高級ターマンションの登記を調べると、全体で約600戸のうち最上階は7戸しかない。
そのうち5戸は株式会社の所有で、うち4戸は28階にも2戸を所有する同じ会社の名義になっていた。
そのうち最上階の150~170平米の3戸には2011年12月にそれぞれ2.3億円~2.9億円の抵当権が設定され、銀行が年利1.925%で貸した事が記されている。
それ以上の金額で購入したということである。
個人が所有する部屋は2戸しかなく、しかもその部屋に住所を置いているのは1人だけだった。
上から2番目のフロアには10戸あるが住所を置いているのは3戸だけだった。
あとはタックスヘイブンで有名な英領バージン諸島が住所になっている会社、台湾在住の個人、大阪府の会社などが所有者となっている。
この日本法人は、このマンションに計13戸も所有している。
このようにして1割りにあたる上層階62戸を調べたところ、住所を移している個人所有者は18戸のみだった。
また外国に住所がある個人は台湾人が7人、香港が3人、シンガポールが2人だった。
バージン諸島の会社はもう1社別に保有していた。
都心のタワマンが富裕層に人気なのは、投資対象として魅力だからというのではなく、相続制対策として合法的な節税ツールとして有効だからである。
日本は高度成長期からバブル期にかけて、「一億総中流」と言われるくらい、格差を意識する事が少ない社会だった。
しかし、バブル崩壊から20年余り経ち、再分配をした後の年間所得の世帯分布をみると、ボリュームゾーンは1990年は300~400万円台だったのが、2014年には200~300万円台に下がってしまっている。
こうした低所得層にとって、市区町村民税と都道府県民税を合わせた住民税の負担が重みを増している。
2007年度から所得がある人は一律に年間4000円かかり、2014年度から所得税の東日本大震災の復興特別税(2.1%)の上乗せとは別に、防災対策の財源として1000円が上乗せされ、合計5000円の増税となっている。
さらに、地球環境保護の財源として500円から1000円の負担を上乗せする構想が進められている。
住民税は所得に応じて5~13%の税率の違いがあったが、2007年度に所得が高い人も低い人も10%に統一された。
それと同時に、国が徴収する所得税は低所得層で5%に下がり、高所得層で3%上乗せされた。
国民が支払い所得税と住民税を合わせた負担は変わらないが、国と地方の取り分が変わり、高所得者の税金は国が多く取り、低所得層の税金は自治体が多く取ることになった。
国民としては低所得者の数の方が多いので、国から地方に移す「税源移譲」が行われたとされている。
地方自治体は国から補助金や地方交付税を受ける代わりに自分で税収を集める努力の必要性が増している。

2017年5月19日金曜日

賛成する人が殆どいない、大切な真実はなんだろう?
by ピーター・ティール(ペイパル共同創業者)
J・K・ローリングの『ハリー・ポッタ』は、世界73の言語に翻訳され、シリーズ累計4億5000万部を超える大ベストセラーである。
彼女にとって、シリーズ第1作となる『ハリー・ポッタと賢者の石』は、シングルマザーとして幼い娘を育てながら、仕事も収入もないギリギリの状態で初めて書き上げた小説だった。
しかし、12の出版社から出版を断られている。
1990年の夏、彼女が25歳の時にマンチェスターからロンドンかに帰る4時間の列車の中で、突如として『ハリー・ポッタ』の構想が浮かんできた。
その時点で、この壮大な物語が7部作のシリーズになることが分かっていたという。
構想から3年が過ぎた時には『ハリー・ポッタと賢者の石』の3章まで書き、1995年にようやく全17章を書き上げる。
彼女は原稿を代理人に送り、出版社探しを初めたが、作品のクオリティではなく、幼児書の適切な長さが4万語とされているに対して、『ハリー・ポッタと賢者の石』は9万語を超える超大作だった事がネックとなった。
英国最大手の出版社ハーバー・コリンズ、世界的に有名な老舗出版社ペンギン・ブックスをはじめとした主要な出版社からは全て断られ、12社から断られた。
唯一、出版を決めたのがブルームズベリーという出版社だった。
原稿を部下から受け取った社長のジェル・ニュートンは、家に持ち帰ったものの、超大作ということもあり、なかなか読む気になれなかったという。
8歳の娘のアリスが勝手に読んで「パパ、これは他のどんな本よりも面白いよ」と感想を述べたのが切っ掛けで、ジョアンとの契約を決めたという。
こうして1997年夏に発売が決定した『ハリー・ポッタと賢者の石』の初版はわずか500部で、ジョアンが受け取った契約金は25万だった。
その後、瞬く間に世界的なベストセラーとなり、2007年には7部作の完結編となる『ハリー・ポッタと死の秘宝』が出版されることになる。
1000年以上にわたって信じられてきた地球が宇宙の中心だとする「天動説」に対して、地球は太陽の周りを回っているのだとする「地動説」を唱えたのは、天文学者のコペルニクスである。
コペルニクスの時代には、紀元2世紀に古代ローマの天文学者プトレマイオスが著した『アルマゲスト』という専門書が、天文学の世界では絶対的な教科書だった。
全13巻からなるこの大著の中で、プトレマイオスは天動説を数学的に説明し、その考えが1000年以上にわたり支持されていた。
しかし、天動説を数学的に証明しようとすると、太陽も金星もありうないほど複雑な動きをして、ようやく天動説の理論が成り立つ。
コペルニクスは「地動説」を大々的に発表することはなく、理論の概要をまとめた小冊子を、数人の仲間に配っただけで30年以上も沈黙を守っている。
天動説を唱えるプトレマイオスの『アルマゲスト』には具体的な観測データがあまり載っておらず、数学的な理論でけではく、詳細な観測データとセットにして決定的な事実を突きつけないと賛同を得られないと考えた。
水星は3ヶ月、金星は225日、地球は1年、火星は687日、土星は30年かけて太陽の周りを回っている。
つまり、事実をベースに説明しようとすれば30年分の観測データが必要となる。
そして最もハードルが高かったのは、聖書の中で神が大地の土台をいつまでも動かないように置いた、という話が出てくることにより、地動説は神に逆らう暴論となる事だった。
コペルニクスは、最初に小冊子を作ってから30年後に地動説をまとめた著書『天体の回転について』の出版直前に70歳の生涯を閉じることになる。
原稿の内容を最終確認するための本の試し刷りが上ってきた当日のことだったという。
コペルニクスの『天体の回転について』は世間から完全に無視された。
その最大の理由は、この本が刷り上がる直前に校正者が勝手に「これは単なる仮説であり、真実であるとは限らない。観測結果と一致する計算結果を出すだけて十分なのだ」という序文を書いたからだった。
この序文を書いたオジアンダーは、熱心なキリスト教徒の神学者だった。
コペルニクスの弟子はこの序文に激怒したが、何十年もの間にキリスト教関係者から批判の声があがらなかったのは、この序文のおかげだとも言われている。
そして、コペルニクスの地動説は、17世紀の天文学者ヨハネス・ケプラー、「それでも地球は回っている」と言ったガリレオ・ガリレイに受け継がれ、完成することになる。
ちなみに、ローマ教皇庁とカトリック教会が正式に「地動説」の正しさを認めたのは1992年だった。
明治から昭和の初めにかけて、脚気と結核は日本人の二大国民病と言われていた。
特に脚気は、人口3000万人の時代に、毎年100万人の人が発病し、数万人が死亡していた。
日清戦争では戦闘による負傷が原因で亡くなったのが453人だったのに対して、脚気にかかった人が4万8000人で、このうち2410人が脚気によって亡くなっている。
そして日露戦争では、戦傷死した人が4万7000人だったのに対して、脚気にかかった人は21万2000人、このうち2万8000人が脚気で命を落としている。

2017年5月16日火曜日

不動産投資におけるキャッシュフローの計算式は「家賃収入-経費-返済額」になるが、これだけでは正確なキャッシュフローを求める事はできない。
本来、管理修繕費や固定資産税などの経費の正確な数字、さらに不定期に発生する修繕費などを考慮する必要がある。
キャッシュフロー=実質収入-経費-返済額
経費=管理修繕費、固定資産税、エレベーター維持費
実質収入=満室時の92%
管理修繕費=満室収入×経費率
経費率(%)=9+(築年数÷3)
⇒例 築3年ならば 9+(3÷3)=10%
   築30年ならば 9+(30÷3)=19%
固定資産税=実費、不明な場合は、建物価格×0.012
エレベーター維持費=実費、不明な場合は50万円

2017年5月15日月曜日

もしも人々に何が欲しいか尋ねたなら、彼らは「もっと速い馬が欲しい」と答えただらう
by ヘンリー・フォード

2017年5月14日日曜日

銀行によって不動産の評価は異なるため、A銀行にとっては優良物件にもかかわらず、B銀行にとっては債務超過と判断される場合がある。
債務超過とは、「持続的に不動産投資の拡大ができない状態」のことである。
債務超過に陥りやすいケースとして、「法定耐用年数超過の融資」がある。
融資年数が長くなるほどキャッシュフローは良くなり、一見、失敗には程遠いように思えるが、積極的に融資をしてくれる銀行からフルローンで物件を複数買った結果、他の銀行からは数億円の債務超過に陥っていると評価されてしまうケースもある。
重量鉄骨造の場合、法定耐用年数の34年を超える分については収入ゼロで、支払のみ発生すると考える銀行が殆どである。
つまり建物の価値はゼロ評価され、負債のみが多額にあるという、典型的な債務超過状態と評価されてしまう。
債務額よりも保有する不動産の価値が低いということになり、自己資金で差額を埋めないと次の融資が受けられなくなる。
更に困り果てて、物件を売却しようとしても、他の銀行からの物件評価が低いため、売値が下がる可能性が高く、修繕費の融資も受けれなくなり、投資家としては手も足も出ない状態となり、最終的に破綻するしかなくなってしまう。
融資を受ける上での正しい判断基準は、どの銀行から見ても評価できる物件を評価額と同等、もしくはそれ以下の価格で購入することで、債務超過に陥らないよう細心の注意を払う必要がある。
週刊文春のコアな読者は、知的好奇心を持っているコンサバティブな中高年層が中心だという。
メディア事務局が作成したデータによると、他誌に比べて高学歴・高収入の人が多いのが特徴だという。
また男女比を見ると、女性読者が多く、だいたい男性55%対女性45%という比率となっているという。
特に30代、40代の女性が大きなボリュームゾーンとなっている。
2014年から開始された「週刊文春デジタル」は、月額864円で有料会員は7千人まで増えているという。
テレビのワイドショーで週刊文春の記事が取り上げられても、以前は雑誌の宣伝になるから、という理由で記事使用は無料だった。
しかし現実には、テレビ番組を見ただけで満足してしまい、雑誌を買ってもらえない事も有る。
逆にテレビ局は、大した製作費もかけずに視聴率を稼ぐことができる。
そこで2016年から、記事1本につき、使用料3万円、動画は5万円取ることにしたという。
このルールを作ってから10ヶ月で、使用料は3千万円を超えたという。
冤罪が無くならない理由として、元警察庁長官は、「シロくする捜査をしていないからだ」と言う。
捜査現場では多くの場合、被疑者がクロだという前提のもとで、クロだと固めるための捜査をしているので、シロであることを裏付ける証拠があっても見落としがちになるという。
被疑者がシロである証拠は「消極証拠」と呼ばれており、それに気づくかどうかは捜査する側の意識に左右されやすいという。
週刊文春は記者クラブに入っていないので、新聞・テレビなど大手メディアに対してはゲリラだという意識がある。
情報ヒエラルキー的なものが業界には存在し、NHKがまず強く、大手新聞、民放テレビ、週刊誌はその下でおこぼれを頂戴するというのが従来の序列であった。
新聞やテレビでは扱い辛い情報や週刊誌的だと判断されるようなネタを教えてもらい、それを記事にしていくことも珍しくなかったという。
週刊文春には特集班5人、連載を担当するセクション班、グラビア班各1人、合計7人のデスクがいる。
そして、それぞれのデスクのもとに記者が8人ずついる。
記者には文藝春秋の社員もいれば、年間契約を結んでいる特派記者もいる。
現在のスタッフは56人で、そのうち38人が特集班で、特集記事を担当し、スクープを担うメンバーである。
週刊文春の戦いは発売日の毎週木曜日から始まる。
木曜には、特集班の記者はそれぞれに5本のネタを提案する事が義務付けされており、合計200本近いネタが提出される。
木金土曜と取材が進められ、土曜の夕方には再びデスク会議を開き、取材の進捗を確認し、ラインナップの見直しが行われる。
記者はその後も取材を続け、デスクから編集長が報告を受け、日曜夜に中吊り広告を作り、最終的に月曜の夜に中吊り広告のタイトルが決定される。
特集記事はギリギリまで取材を続け、月曜の世夜から火曜の朝にかけて原稿を書き、それをデスクが印刷所に入稿し、火曜にゲラと呼ばれる校正刷りをチェックする。
初校で修正を入れ、再校で最終確認をして火曜の夜には校了となる。
校了後の水曜日は特集班とグラビア班は基本的に休みで、木曜には振出に戻る。
FXで成果を出している投資家と話していると、「デイトレードはいつ稼げなくなるか分からない。もし、トレードで稼げなくなってもいいように、コツコツと安定して儲かる方法を同時に行っているんです」と聞かされることがある。
どんな特別な手法なのか興味津々で聞いてみると、その答えにガッカリさせられる。
「為替市場は値動きが大きいように思われがちだが、実際の値動きは小さい。だから、上がっても下がっても儲かるように、数十個の注文を並べておくだけだ」という。
良く知られた当たり前の事なので失望してしまうが、冷静に考えると、為替相場の上昇・下降やタイミングも値幅を予測することは不可能だという事を、投資で成功している人はちゃんと理解しているのである。
だからこそ、成功者は、相場が動くタイミングや値幅を予測しなくても稼げる仕組みで、リスクヘッジをしているのである。
<どのような副業をしていますか?>
「転職サービスDODA(2011年調べ)」
            総計  男性  女性  平均月収
サービス業(接客・販売) 28.7%  19.2%  43.1%  5.9万円
ホームページ・CG制作 9.3%  10.3%   7.8%   9.5万円
ネットビジネス(通販・アフィリエイト) 
            8.5%  10.3%  5.9%   3.2万円
病院事務/薬局業家    8.5%  6.4%  11.8%   2.5万円
講師・家庭教師・試験官 6.2%  7.7%  3.9%   5.0万円
警備・軽作業      6.2%  10.3%  0.0%   2.9万円
製造・土木作業     6.2%  6.4%  5.9%   5.0万円
株・FX         5.4%  7.7%  2.0%  51.6万円
運送・配達       5.4%  7.7%  2.0%   5.5万円
PCプログラミング    4.7%  7.7%  0.0%   3.5万円
コールセンター     3.9%  0.0%  9.8%   3.6万円
事務作業        3.9%  1.3%  7.8%   1.8万円
チラシ配り       3.1%  5.1%  0.0%   2.3万円

2017年5月13日土曜日

<次回引っ越す時に欲しい設備・使用ランキング>
リクルート住まいカンパニー
「2013年度賃貸契約者に見る部屋探しの実態調査」
1位 インターネッ無料
2位 TVモニター付きインターフォン
3位 追い炊き機能
4位 2口以上のガスコンロキッチン
5位 宅配BOX
6位 エアコン
7位 オートロック
8位 LED照明
9位 シューズポックス
10位 洗浄機能付きのトイレ
豪ドル/円は、55円から108円まで53円の値幅の中で30年近く動いている。
NZドル/円は42円から98円の57円の値幅。
英ポンド/円は117円から250円まで133円の値幅がある。

2017年5月11日木曜日

日本人も日常的に使っている「OK」という言葉は、実はアメリカの第7代大統領のアンドリュー・ジャクソンが、許可を出す時に「all correct」を「oll korrect」と書いてしまったのが、普及してしまったのだという。
「OK」がスペルの間違いから生まれたと知ってしまうと、なんか使うのが恥ずかしい、微妙な残念な感じになってしまう。
全国の繁華街に「○○銀座」があるが、もちろん東京の銀座から取られたものである。
しかし、銀座の元祖は東京ではなく京都に作られた。
そもそも銀座は江戸時代に銀貨が製造されていたところで、1601年に京都の伏見に最初に銀座が作られた。
東京の銀座は1612年からなので、京都の方がかなり早いのである。
文明が生まれる前の部族社会では、毎年0.5%が戦闘で死んでいたという推計がある。
つまり、部族間争いで、人が人を殺しまくっていたのである。
現在の日本の人口に当てはめれば、実に毎年63万人が戦いで命を落としている計算となる。
現代の日本は平和な社会であり、例えば殺人によって亡くなった人は1955年には2119人もいたが、2014年には357人まで激減している。
都市部で保育園が不足する理由は明らかで、「もうからない」からである。
保育園には国の基準を満たす「認可保育所」と「認可外保育所」(無認可)の2種類があるが、補助金を多く受け取ることができる「認可保育所」になるための基準が非常に厳しいのである。
0歳児の場合、1人当り3.3平米の面積を確保し、しかも子供3人に対して保育士を1人配置し、調理室も必要である。
園舎は2階建て以下が原則であり、広い敷地が必要となる。
だから、規制を緩和し、市場原理に任せても、保育園が増えることは有り得ない。
結婚を「永久就職」と呼ぶのは「倒産率3割の会社に入社して喜んでいるようなもの」である。
厚生労働省の調査によると、現在の日本では結婚しても3組に1組は離婚している。
社会学者の山田昌弘氏の調査によると、7割近くの女性が、結婚相手に400万円以上の年収を求めるが、400万円以上の年収の独身男性は僅か25%しかいない。
男性の大変さを最も象徴するのは、自殺率の高さであり、女性の2倍以上となっている。
2014年には1万7000人の男性が自殺をしている。
日本性教育協会は、1974年から6年毎に「青少年の性行動全国調査」を続けている。
2011年に実施した調査によると、男性大学生のセックス経験率は53.7%、女子大生は46.0%だった。
つまり、大学生までに約半数の若者は初体験を済ませていることになる。
また国立社会保障・人口問題研究所が2010年に実施した調査によると、20歳から24歳の男性のうち、セックスの経験がない人は40.5%だった。
ちなみに30歳から34歳の未婚男性でセックス経験のない割合は26.1%で、同年の未婚女性の場合は23.8%だった。
つまり30代前半の独身者は男女とも4人に1人は童貞・処女なのである。
やはり若者のセックス離れが進んでいるようだが、しかし、日本性教育協会の調査を遡ると、大学生のセックス経験率は2005年と比べれば下がっているが、バブルが始まる1980年代後半の方が、経験率は低い。
1987年の男子大学生のセックス経験率は46.5%、1981年は32.6%、1974年は23.1%と、昔の方が低い。
国立社会保障・人口問題研究所の調査も同様の結果を示している。
社会学者の柴田悠氏の研究によると、「子育て支援」は経済成長にも効果的だという。
日本を含む先進18ヵ国を対象に「何をした国が経済成長をしていたのか」を分析した結果、保育サービスの充実によって、働く女性が増えた時に、その国は経済成長率が上がるという事が分かった。
柴田氏の試算によると、0.5兆円を保育サービスの拡大に使うと、女性の労働力率(労働人口に占める女性の割合)は、0.2%上昇し、経済成長率は0.1%上昇するという。
女性の労働力率を上げるためには、子供手当を支給するのではなく、保育園を整備した方が効果的なことも分かっている。

2017年5月10日水曜日

日本で女性が働いている割合が最も少なかったのは1975年である。
だから、戦後の日本で、外で働いた経験が最も少ないのは、団塊世代の女性ということになる。
つまり、父親がサラリーマンとして外で働き、母親は専業主婦で家事と育児に専念するというのは、経済的に余裕のある時代のみに成立するモデルだったという事になる。
1990年には専業主婦がいる世帯数が、夫婦共働き世帯数に追い抜かれている。
サラリーマンと専業主婦は、1960年から1990年頃の日本経済が好調だった時代の産物であり、日本の伝統でも何でもない。

2017年5月9日火曜日

日本において「女性が育児をするもの」という考え方が広がるのは、大正時代に都市部から始まり、昭和時代に徐々に庶民の世界に拡大していったと思われる。
第一次世界大戦後に景気が良くなった日本では、多くの企業や銀行が誕生し、安定して給料がもらえるサラリーマンが生まれた。
1930年時点でサラリーマンは日本全体で200万人しかいなかった。
このサラリーマンというエリート男性の出現と共に、「専業主婦」という存在が生まれることになる。
また日本で初めて「母性」という言葉が用いられることになったのが、大正時代のことで、スウェーデン語の翻訳として日本に登場したが、言葉が普及するのは昭和時代に入ってからとなる。
「母性は本能」という育児専門家がいるが、大正より前の日本人は「母性」という言葉を知らなかったのである。
18世紀のフランスでは、誕生後に赤ちゃんを乳母に預けたり、里子に出すという習慣があったという。
当時の資料によると、1780年にバリで生まれた子供は2万1千人で、そのうち母親のもとで育てられた子供は1000人にも満たなかったという。
他の2万人の子供達は、里子として遠方に送られてしまっていた。
背景としては、経済的に厳しい家庭にとって、子育ては負担が重く、女性は出産後すぐに復帰する必要があったからだという。
日本でもヨーロッパでも、「母親が子供を育てる」という価値観は当たり前ではなかったのである。
歴史学者の太田素子氏よると、江戸時代は「父親が子供を育てた時代」だという。
当時の育児書は、現在とは異なり、男性が男性に対して書いたものばかりだったという。
武士にとって、家を守るため長男を家長として教育するために父親が奮闘していたのである。
一方、庶民は村単位や大家族で子育てをしていた。
「社会の中でどこに投資すれば社会にとってトクか」という事について、アメリカの研究から分かっているのは、大人に対する教育訓練は思ったほどの成果を生んでいないという事である。
例えば、高校を中退した若者達に対して、全寮制の学校に入れて再教育する「ジョブコープ」というプログラムがある。
そこそこの投資効果があると評価されてはいるが、ペリー幼稚園プログラムなどの幼児教育と比べれば、コストパフォーマンスが悪い事が分かっている。
ペリー幼稚園プログラムの「社会収益率」は7~10%と計算されている。
つまり、4歳の時に投資した100円が65歳になった時に6000円~3万円になって社会に還元されると言うこになる。
シカゴ大学のジェームズ・ヘッグマン教授は、学力テストでは測れない「非認知能力」こそが、人生の成功において重要であり、「木認知能力」を伸ばす教育は、早ければ早い方が良いという。
「木認知能力」の多くは、他人から学ぶものである。
ヘッグマン教授が、アメリカの一般教育修了検定(日本の高卒認定試験)を分析した結果、一般教育修了検定に合格した若者は、高校中退謝り、いい人生を送っていた。
そして、普通に高校を卒業した若者に比べて、高校に通わずに一般教育修了検定に合格した若者の方が、年収や就職状況、健康状態までが悪い傾向にあったという。
そして犯罪率や福祉が必要になる割合も高かった。
この研究から推察できるのは、学校で身につけるのは、「学力」だけではなく、教師や同級生との交流の中で、「非認知能力」を身につけ、それが人生の成功に繋がっていくという。
教育社会学者の苅谷剛彦氏が、家庭環境が子供の「努力する才能」を決める、という恐ろしい研究を発表している。
豊かな階層に生まれた子供達は、子供の頃からの習慣で「努力」が難なくできるので、学習意欲も高いし、結果的に学校の成績もよくなる。
しかし、貧しい階層の子供達は、そもそも「努力」する習慣がない。
学校で学ぶ意義を見つけられず、あくせく勉強することに価値を感じていない。
だから彼らは、将来の生活よりも現在の学校生活を楽しもうとし、
「いい学校に行けばいい人生が待っている」という物語を信じられず、「自分探し」に奔走するようになるという。
つまり、生まれた家によって「意欲の格差」が生じてしまうのである。
内閣府が実施した調査でも、貧しい家に生まれた子供の方が「テストで良い点がとれないとくやしい」と感じる割合が少なかった。
貧しい家の子供の方が、「意欲」という「非認知能力」が身についていないのである。
よく勉強や仕事ができない人に対して、「努力が足りない」という批判がされるが、「努力できる」という「能力」は、子供の頃に身につけた習慣に大きく影響されている可能性が高い。
子供の頃に受けたしつけが、その人の年収に影響を及ぼしているという研究がある。
京都大学の西村和雄氏の調査によると、子供の頃に、「うそをついてはいけない」「他人に親切にする」「ルールを守る」「勉強をする」という4つのことを教えられた人は、大人になってから、そうでない人と比べて平均年収で57万円高かったという。
この調査は、「子供の頃に回りの大人からよく言われたこと」を聞いたものだが、この4つのことが他のしつけよりも効果があったという事が証明されたという。
ちなみに、高学歴の人とそうでない人を比べた場合、「ルールを守る」は高学歴の人が多く言われていた。
一方で「ありがとうと言う」「大きな声を出す」などのしつけは、学歴には関係がなかった。
行動経済学者の池田新介氏の研究によると、子供の頃に、夏休みの宿題をギリギリまでやらず、休みの最期にしていた人ほど、借金が多く、喫煙傾向にあり、肥満者になる確率が高いという。
乳幼児教育が子供の「非認知能力」を高め、それが人生の成功において非常に重要だという事を学問的に証明し、ノーベル経済学賞を受賞したシカゴで医学のジェームズ・ベックマン教授は、「5歳までのしつけや環境が、人生を決める」という。
その根拠として「ペリー幼稚園プログラム」よりも低い年齢を対象にして行われた「アベセダリアン・プロジェクト」を挙げている。
この実験は、貧しい家に生まれた平均成語4.4ヶ月のアフリカ系アメリカ人を対象に行われた。
保育園に通った子供達は、1日に6時間から8時間、週5日間、当時の最新理論に基づいた学習ゲームをさせられた。
結果し、ベリー幼稚園プロジェクトと同様の結果が出て、教育を受けた子供たちは学校の出席率や大学進学率が高く、「いい仕事」に就いている割合も高くなったという。
これらの実験を踏まえて、ヘッグマン教授は、「20代で集中的な教育を施しても、幼児期ほどIQを高めることはできない」という、残酷な事実を突きつける。
人生は後から挽回するのは非常に難しいのである。
殆どの日本人は、幼稚園や小学校の頃よりも、大学時代に高い教育費を払っている。
しかし、教育経済学の観点からすると、「人的資本への投資は、とにかく子供が小さいうちに行うべき」というのが、結論となっている。
この主張の根拠になっている有名な実験として、1960年代に行われた「ペリー幼稚園プログラム」が有名である。
このブログラムでは、貧しい地区に生まれたアフリカ系住民の3歳から4歳の子供達に、質の高い就学前教育を提供した。
子供6人に1人の先生かせ担当し、その先生も修士号以上の学位を持っている人に限定した。
読み書きや歌のレッスンを週に5日、それを2年間続けた。
さらに1週刊につき90分の過程訪問を実施し、親にも積極的に介入したという。
この実験では、素晴らしい幼稚園に通うことができた58人の子供と、入園を許可されなかった子供65人を比較し、その後40年にわたって追跡調査をした。
小学校入学後は、追跡調査をするだけで、子供達への脅威区介入は行われていない。
この実験の結果、ペリー幼稚園に通った子供は、通わなかった子供に比べて、「人生の成功者」になる確率が高いことが分かった。
彼らは19歳時点での高校卒業率が高く、28歳時点での持ち家率が高く、40歳時点での所得が高く、40歳時点での逮捕率が低かった。
つまり、貧しい家に生まれても、質の良い就学前教育を受けることができれば、高い学歴を手にし、安定的な雇用を確保し、犯罪などに走る事が少ないということが証明された。
アメリカで実施された有名な実験によれば、良質な保育園へ通うことができた子供達は、学歴と収入が高くなった一方で、犯罪率は低かった。
乳幼児教育は、子供達の「学力」を上げたけではなく、「非認知能力」といった「生きる力」を上げたのである。
最近の研究では「学力」よりも、意欲や自制といった「非認知能力」が人生の成功とって重要なことが分かっている。
それを母親人にな任せていいものではなく、「非認知能力」は、ヒトとの交流によって育まれるものである。
厚生労働省の調べによると、幼児のいる世帯のうち三世代家族の割合は16%にまで下がっており、親世代と子供世代の別居化が進んでいる。
また、三菱UFJリサーチ&コンサルティングによると、「子どもを預けられる人がいる」と答えた母親の割合は、2002年の調査では57.1%だったが、2014年の調査では27.8%にまで減っている。