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2016年5月17日火曜日

インフレ率2%が達成された場合、どのようなモノが2%値上がりするのかを知る必要がある。
多くの人は、インフレ2%で、マンション価格、家賃、給料、野菜など様々なモノの価格が平均して2%上ると考えているが、これは正しくない。
インフレ率とは、コアCPI(消費者物価指数のうち生鮮食料品を除いたもの)を意味しており、家賃、食品、公共料金、保険、ガソリンなど、どちらかといえば所得が低い世帯が、多く支出する品目の値段の加重平均価格の推移である。
そして、このインフレ率には、給料、マンション価格や株価は考慮されていない事が重要である。
アベノミクスで量的緩和が始まってから2年で、都心の高級マンションは2割以上値上がりしたにもかかわらず、インフレ率が伸び悩んでいる理由はそこにある。
米国の不動産市況の概況を知るには、住宅着工件数、中古住宅販売件数、新築住宅販売件数の3つを見ればよいが、これらの指標は米国全体の集計値である。
役に立つのが、ケース・シラー住宅価格指数で、ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラ―教授の名前が付けられ、米国を20都市に分けて、地域ごとに集計しているのが特徴である。
ケース・シラ―指数を見ると、住宅バブルの時には、富裕層が集まるビーチリゾートのマイアミの上昇率が最も高く、次に西海岸最大の都市で不動産価格も高いロサンゼルス、ラスベガス、首都ワシントンDCと、人気の高級エリアが続いて上昇している。
一方で、住宅バブルでもデトロイト、ダラス、デンバーなど、小規模な地方都市は、それほど不動産価格は上昇していない。
つまり、景気が良くなると不動産は一番いいところから順番に上昇し、バブル化した不動産市場の投資マネーは一等地を好む傾向にある。
この傾向は、いつの時代でも世界中で繰り返される普遍的な動きとなっている。
米国経済を動かす最大の原動力は、GDPの7割を占める個人消費である。
そして、この個人消費が1年で最も活発になる時期が、毎年11月末の「ブラックフライデー」となる。
また近年では、実店舗のセールが始まる「ブラックフライデー」よりも、その翌週に始まるネット上での歳末セール「サイバーマンデー」が注目を増してきている。
連邦公開市場委員会(FOMC)の声明を見ているとFRBは、米国の利上げのタイミングについて3つの要素を考慮していると考えられる。
1.米国の雇用
米国の雇用統計で重要なのは、失業率と非農業部門雇用者数であり、イエレンFRB議長は雇用には特に神経質になっている。
米企業は業績に応じて人員削減を頻繁に行うため、米国の雇用統計は日本よりも景気に対して敏感に反応する。
2.不動産市場
米国には様々な不動産指標があるが、住宅着工件数、中古住宅販売件数、新築住宅販売件数の3つが最も注目されている。
3.金市場に影響の大きいイベント
米国の実態経済と経済指標だけではなく、ギリシャ問題、ロシア通貨危機なとの世界的な経済イベントも考慮して、利上げ時期を判断している。
2015年の日本の15歳未満の子供の数は1605万人となり、35年連続で減少し過去最低を更新した。
全人口に占める割合も12.6%ととなり、人口4000万人以上の国の中では、ドイツの13.1%を下回り、最下位となっている。
フィリピンの個人消費の強さを支えている要因はOFW(Orversea Filipino Worker)で、海外出稼ぎフィリピン人労働者からの母国への送金である。
海外で雇用契約を結んでいるOFWの数は、1975年時点で年間3万6000人だったのが、2013年には224万人に増え、40年間で60倍以上となっている。
海外からフィリピンへの送金額は、1975年には1億米ドルにすぎなかったのが、2013年には229億米ドルに達し、これはフィリピンGDPの8.4%に相当する規模となっている。
近年のペソ高も、OFWからの海外送金による所得移転が影響していると考えられる。
クレディ・スイスによると、フィリピンのカジノ産業の市場規模は、2018年までに年平均28%成長し56億ドルを超え、シンガポールを上回ると予測しており、フィリピンはASEAN最大のカジノ大国になる見込みとなっている。
フィリピン政府は、マニラ首都圏内にカジノを含む大型娯楽施設を集約する計画を進めており、フィリピン・アミューズメント・アンド・ケーミング公社は、フィリピンのカジノ産業の市場規模は、2017年には100億ドルに達すると強気にみているという。
ゴールドマン・サックス・グループ経済調査部のレポート「More than an Acronym」(2007年4月)の中で、2050年までにネクスト11のGDPはG7の3分の2に達する可能性があると予測されている。
<ネクスト11>
韓国
インドネシア
フィリピン
ベトナム
バングラデシュ
パキスタン
イラン
エジプト
トルコ
ナイジェリア
メキシコ

『日本の地価が3分の1になる! 2020年 東京オリンピック後の危機』(2014年9月刊)では、2040年に日本の地価が現在の3分の1にまで下落すると予測されている。
同書では、エリアごとの人口減少比率が紹介されており、2040年時点で杉並区71%減、渋谷区70%減、新宿区51%減、横浜市66%減、大阪市61%減、仙台市68%減、名古屋市60%減、福岡市67%減と、東京23区を始めとした日本の主要都市の人口減少に歯止めがかからず、消滅の可能性を指摘している。
また20~64歳に対する65歳以上の割合である「現役世帯負担率」に注目しており、現役世帯負担率が上がるほど地価を押し下げるとしている。
このまま現役世帯負担率が上がり続ければ、日本全体の地価は2010年から2040年にかけて毎年平均3.1%下がり、30年で62%下落してしまうという。