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2016年12月23日金曜日

セブン-イレブンのプライベートブランド「セブンプレミアム」の年間販売額は、開始時の2007年の800億円から、2014年には8150億円にまで拡大している。
イオンのPB「トップバリュー」の販売規模を既に上回り、近い将来、国内小売のPBとして初の1兆円超えが見込まれている。
セブン-イレブンは、熱狂的なファンを持つ「ガリガリ君」をPBに取り込んでしまい、「セブンプレミアム」史上初の共同開発商品で、PBにもかかわらず、本来の製品ロゴとPBロゴが並ぶパッケージで売出している。
缶コーヒーについては、2010年にまずUCCと手を組み、「ブランド買い」が多い缶コーヒーファンを取り込む戦略で、「セブンプレミアム」の缶コーヒーね年間販売額は4900億円まで拡大に成功した。
さらに2014年には業界2位のサントリー「BOSS」と組み「ワールドセブンブレンド」を売り出し、缶コーヒーの年間販売額は8750億円まで増やしている。
にもかわらず、2015年には業界1位の日本コカ・コーラ「ジョージア」と手を組んだ。
またセブン-イレブンのPBは進化し、2010年9月には「セブンプレミアム」のワンランク上の「セブンゴールド」を誕生させ、「金の食パン」「サントリー金のビール」など高価格商品を販売している。
「金の食パン」は単価が250円と通常の食パンの倍近い価格ながら、発売2週間で65万個を売り上げている。
セブン-イレブンは2013年1月に、コンビニ発の本格コーヒーを100円で提供する「セブンカフェ」を開始させている。
「セブンカフェ」は現在では、年間7億杯販売されており、単純計算で700億円となっている。
セブン-イレブンは、「セブンカフェ」をスタートさせる前に、全国1799店舗で試行販売を行った結果、客数が増え、調理版の売上が3割増、スイーツは2割増となったという。
セブン-イレブンのヨーロッパ進出は、北欧に偏っていて、デンマーク189店舗、スウェーデン185店舗、ノルウェー156店舗となっている。(2015年12月末)
ストックホルムのセブン-イレブンは、街並みに溶け込んでいるが、スタバックス並みのカフェと併設されている。
オーストラリアでは、セブン-イレブンはガソリンスタンドと組み合わさっている。
ICカード乗車券は、1992年にフィンランドのバス会社が導入したのが、世界初だが、ソニーの「FeliCa」は1988年に研究が開始されている。
1994年には香港のオクトパス社が採用を決定し、その3年後の1997年から「オクトパスカード」として導入されている。
JR東日本の「Suica」が2001年開始なので、ソニーの「Felica」は10年以上先行していたのである。
しかも、ソニーは共同出資会社「ビットワレット」を設立し、電子マネー「Edy」を2001年から開始している。
この「Edy」は「Felica」の技術である。
ちなみに「Edy」は将来、ユーロ(Euro)、ドル(Dollar)、円(Yen)に並ぶような世界通貨となることを目指して、それらの3通貨の頭文字を取って命名されている。
しかし、ソニーはEdyの事業そのものを楽天は売却してしまった。
もし、ソニーが大きな視点を持ってビジネス展開をしていたら、「Felica」は世界標準を取っていた可能性もある。
ペンシルバニア大学ウォートン校のジェリー・ウィンド教授は、共著『インポシブル・シンキング』で、固定観念をいかにして打ち破るかを説いている。
「百聞は一見にしかず」という諺があるが、決してそうではなく、既にあるものを見る前に固定観念でがんじがらめになっており、見たものを固定観念通りに解釈してしまうという。
固定観念にとらわれているということは、これまでの発送から抜け出せないということなのである。
固定観念にとらわれやすいからこそ、そこから抜け出した一握りの人間が、情報格差によって成功する事ができるのである。
新興国へのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、生産工場からホワイトカラーや専門職に広がっている。
英語が公用語のフィリピンでは多くの知的ワーカーが誕生している。
多国籍企業の会計士はアメリカ人ならば月給5000ドルの高給取りの部類だが、フィリピンなら数百ドルである。
実際に、既にアジア最大の会計事務所はフィリピンにある。
金融アナリストやIT管理者などの専門職も同様で、アメリカ人の金融アナリストならば月給7000ドルだが、インド人なら1000ドルで済み、IT管理者はアメリカ人が月給1万ドルで、インド人は500ドルで済む。
インドのアラヴィンドは、「西洋の下位中流層の多くがファストフードを買えるように、途上国の人にも手が届く白内障施術を提供する仕組みを作る」という信念のもとに設立された眼科専門病院である。
アメリカで白内障手術を受けると1600ドルかかるが、アラヴィンドでは10ドルで受けられる。
10ドルという低価格を実現するために、白内障手術の機器と医師を24時間稼働させ、相対的に価格を低く抑えることに成功している。
この病院の眼科手術は医師1人あたり年間平均2000件という。
一方のアメリカでは年間200件程度である。
その代わり、アラヴィンドでは予約を入れると「〇日の午前3時50分に来院してください」と、深夜・早朝の時間を指定されることもあるという。
インド最大手のアポロ病院グループは、インド初の株式会社病院てせ、病院数は50を超え、クリニックは100以上、病床数8500床、医師4000名を要するアジア最大規模である。
特に心臓手術が有名で、グループ全体で累計5万5000件の心臓外科手術を行い、成功率は99.6%と公表している。
他にも、タミル・ナドゥ州にある眼科専門のアラヴィンド、デリーを拠点とするマックス・ヘルスケア、バンガロールを拠点として骨髄・腎臓移植を数多く手掛けるマニパル・ホスピタルズといった株式会社病院は、インド国内に数百か所もある。
インドのメディカルツーリズムの市場規模は30億ドル、訪印患者数は年間23万人と世界第5位となっている。
その市場規模は2018年には60億ドル、訪印患者は40万人に増えると予測されている。
メディカルツーリズムの先進国はタイだが、インドはタイよりも医療費が安い。
例えば肝臓移植手術をアメリカで受けると50万ドル、タイでは7万5000ドル、インドでは4万ドルで済む。
平均すると、インドの医療費はアメリカの10~20%である。