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2016年3月4日金曜日

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、50年後の2066年には日本の人口は4000万人減り8000万人となる。
100年後の2110年には日本の総人口は4300万人と、現在の3分の1ほどになってしまう。
土地の価格は人口と連動している。
人口が減少していく日本の場合人口が増える特定の地域以外の地価は下がる事になる。
注意すべき点として、固定資産税が市町村税収の4割を占め、住民税と合わせて8割を占めている事実である。
給与水準が頭打ちとなり、働き手が都市圏に流出していく中で、自治体にとって固定資産税は重要な財源となるので、土地の税額の根拠となる公的な地価は、今後下がり続ける実勢価格に追いつかず、高止まりしてしまうことになる。
建物の固定資産税評価額も実勢価格が反映されておらず、これらを下げると自治体の税収が減ってしまう。
よってこのように地域では不動産を所有していること自体がリスクとなる。
固定資産税と都市計画税で課税評価額の1.7%が毎年課税され、資産価値の目減りと合わせて、毎年3%のロスを生み続けることになる。
課税額に関わる重要な事柄の一つに「物件価格のうち土地と建物の比率をどう設定するか」というのがある。
賃貸物件を購入した場合、土地と建物の比率をどうするかによって、税額が全く違ってくる。
土地と建物の比率を割り出す方法はいくつかあり、適用する方法によって比率が違ってくる。
1.固定資産税評価額で按分する
2.不動産鑑定士の評価額で按分する
3.路線価を使って土地価格を算出し、残りを建物の価格とする
4.再調達価格を基に建物価格を算出し、残りを土地の価格とする
税法上は「合理的な方法で按分する」とされているだけで、これらのどれを使うべきかは定められていない。
よって税務上有利な割合を選んで減価償却し、経費として計上することは違法行為ではない。
不動産投資では物件の売却により大きな利益が出ることがある。
この売却益への課税は、個人と法人で課税方法が大きく異なる。
個人の場合には売却益を他の所得と分けて考え、取得から売却までの期間によって税率が異なる。
取得してから5年以内に売却した場合の売却益は「短期譲渡所得」とされ、税率は39%(所得税30%、住民税9%)、5年を超えて売却する場合には「長期譲渡所得」とされ、税率は20%(所得税15%、住民税5%)となる。
一方、法人が得た売却益は、その他の所得とまとめて課税される。
つまり5年以内に物件を売却するのであれば、法人で所有する方が税率は低く、5年を超えて売却する場合には個人で所有する方が税率は低くなる。
2013年の賃貸住宅の空室率は18%と高いが、今後も更に入居率は厳しくなっていく。
人口減少により賃貸需要が減少していくことに加え、需要を無視して新たに立てられる賃貸物件の建設が止まらないからである。
普通に考えれば、需要が少なそうな地方では賃貸住宅を建てようとは思わないはずだが、今もなお、地方都市で賃貸住宅が建てられている。
その理由は「相続税対策」として収益不動産の建設が提案されているからである。
土地を多く所有する資産家の中には、賃貸で儲かるという予測が立たなくても、相続税対策を目的に賃貸住宅を建てる人がいる。
多少の赤字ならば相続税の節税効果の方が大きいので、需要を無視して借入をしてまで供給を増やしてしまうのである。
人類史上歴史的な超低金利が続く現在は、投資家にとって有利な時期であるが、金利上昇リスクを指摘する人もいる。
事業用融資は基本的に変動金利で、銀行によっては「アパートローン」という商品で、固定金利を扱っているところもあるが、金利がかなり高くなってしまう。
金利上昇リスクを考える際に意識しておく必要があるのは、もともと低金利で借りている投資家の方が、金利上昇のダメージが大きいということである。
金利が1%上昇した場合、3.9%で借りている人にとっては利息分の支払いが2割程度増えるだけだが、1%で借りている人にとっては利息分の支払いが2倍になり、ダメージ感は金利が低い人ほど大きくなるのである。
銀行の状況によって、同じ人が融資を希望しても下りやすい時期と下りにくい時期がある。
景気動向や金利によって融資状況が変わる事は知られているが、「金融庁の検査」によっても影響される。
この検査は、「銀行検査」と呼ばれ、銀行法に基づいて実施され、金融庁には立ち入り検査権や資料提出権が認められており、検査官が銀行の店舗に立ち入り検査をし、不良債権への対応など問題があると行政処分が下される。
そのため「そろそろ検査が起草」という時期になると、融資の審査が甘すぎると指摘されないよう、銀行は貸付金の回収を急ぎ、新規の融資に厳しくなる。
逆に反動で金融庁の検査終了後には、一気に融資を拡大させる傾向がある。
検査前には15%程度引き締めるので、直後には15%程度多めに貸出すとも言われている。
検査が入る時期は不定期だが、問題がなければ3年程度は間が空くのが一般的である。
金融庁は検査中の金融機関名をホームページで公開しているので、融資の申請をするタイミングを見計らうことができる。
賃貸住宅市場の将来性について、2030年の市場規模が2010年の7割に縮小するという予測がある。
みずほコーポレート銀行は、2010年に12.6兆円あった賃貸住宅の市場が、2030年には8.8兆円にまで縮小すると予測している。