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2015年5月23日土曜日

小渕優子・経済産業大臣の政治資金問題を最初にスクープしたのは、「週刊新潮 」(2014年10月23日号)ではない。
このスクープ記事が発売される1ヶ月前、内閣改造直後の9月18日付「しんぶん赤旗」で「小渕経産相、第三の"財布"/企業・団体献金2758万円」と、小渕大臣の政治資金団体が作成した報告書に問題がある事が報じられている。
この報道の後、何の手も打たないまま「週刊新潮 」の報道が始まってしまった。
「しんぶん赤旗」は日本共産党の機関紙で、閣僚や与党議員の動向に関する調査報道には実績がある。
発行部数は全国紙よりも少ないが、情報を扱っている人間であれば、必ず目を通さなくてはならない重要なメディアの1つである。
「政治資金規正法」の「きせい」という字は、「規制」ではく「規正」という字を使う。
政治家が提出する政治資金収支報告書を受理する総務省や各都道府県の選挙管理委員会には、報告書を調査したり、善悪・適法・違法を判断したりする権限がないためである。
つまり、「政治資金規正法」とは、政治家が100%正しい内容の報告書を提出するという建前の上に成り立っている法律なのである。
だから、仮に間違いが見つかった場合も、政治家側が自発的に修正を加えるというシステムになっている。
5年5ヶ月続いた小泉内閣では、政治とカネの問題は全く起きなかったが、その理由として飯島秘書官が、カネの問題について徹底的に閣僚候補の「身体検査」をして、克明に問題が無いか調べたからであると盛んにメディアで報じられた。
どんなに優秀な政治家でも怪しい領収書が1枚や2枚は必ず出てくるが、それで優秀な政治家を各利用候補から弾いていると、強力な組閣ができない。
飯島秘書官は、「収支報告書はいくらでも事後修正できる」という特徴を最大限に利用して、閣僚候補の報告書から怪しい領収書が見つかった場合は、直ちに修正を行わせ、閣僚任命式の前に修正を終わらせるようにしていたのである。
政治とカネについて定めているのが「政治資金規正法」である以上、注意さえしていれば、閣僚の辞任は必ず防げるのである。
官房長官は、平日は毎日2回の記者会見をこなしているが、菅官房長官のスーツとネクタイのコーディネートで、安倍内閣の状況が分かるという。
内閣の調子が良い時は、明るい紺色のスーツに黄色いネクタイを締めていることが多い。
官邸の会見場の演壇は西側を向いては話すように設置されているので、ネクタイの黄色は、風水的にも理にかなっている。
一方、菅長官がブルー系のネクタイを着けている時は、内閣の状況があまりよくない事が多い。
ちなみに、安倍総理は、東京オリンピックの招致決定、2014年11月の衆院解散発表の記者会見など、ここぞという場面にストライプのネクタイを使うようになってきている。
アメリカの大統領選挙では、ネクタイの色が有権者に大きな影響を与えるとして、ここぞという時には、赤いネクタイをするのが習慣になっているという。
赤色は「勇気」や「自己実現」といった強い印象を相手に与えることができると考えられている為で、テレビの印象一つで支持率が上下する今日、権力と色の関係は深い。
選挙が終わると、永田町を埋め尽くすのが胡蝶蘭である。
当選祝い、大臣就任祝いとして、胡蝶蘭で荷台を埋めた生花店の車が議員会館を往来する。
胡蝶蘭は、きちんと手入れすると、2~3ヶ月は持つのは当たり前で、頑張れば半年持つ場合もある。
だからこそ、「少しでも長く大臣の椅子に座っていられますように」と閣僚就任祝いに、胡蝶蘭が送られるのである。
余りにも多くの胡蝶蘭を送られてしまうと、置き場所に困ることになる。生花店は置き場所がないと見ると気を使ってくれ直ぐに引き取ってくれる。
その花はどうなるかというと、名札だけ差し替えられて、別の部屋に届けられる。
つまり、同じ胡蝶蘭の鉢植えが、永田町のあちこちの事務所をグルグル回っているのである。