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2013年2月9日土曜日

日本のGDPは500兆円。
これは日本国内で年間に新たに「生む」価値。

この500兆円は、労働者に給料・報酬として310兆円、企業に投資資金利益として150兆円、政府へ消費税・酒税・輸入関税などで40兆円に「分け」られる。

ここから更に、政府は給料を受け取った労働者や利益を出した企業から、税金や社会保険料を徴収して100兆円を使い、家計は300兆円使い、企業は90兆円使い、外需として輸出が輸入より10兆円多い。

この生産(生む)して、分配(分ける)したものが、支出(使う)されて需要を生む。
需要が増えて生産が増えれば家計と企業と政府の収入が増え、需要がさらに大きくなり、この好循環で経済が成長する。

ちなみに、GDPの精算と分配と支出が等しいことを、経済用語で「GDPの三面等価」という。
仕事を探すのをあきらめると失業率は下がる。

最近の日本の失業率は5%で失業者数は275万人。
欧米主要国の失業率は7~8%に比べて日本は低い。

しかし、総務省によると「潜在失業者(よい条件の仕事が無いから、仕事を探すのをやめた人)」が、近年急激に増え始め、469万人に達したと発表しており、これだけで失業率は8.5%上昇してしまう。

そして、定職を持たない若い世代のニートやフリーターが240万人いる。
彼らも仕事も就学もしていないので、失業率の計算に含まれないが、実質的には失業者なので、失業率は4.5%上昇してしまう。

また、内閣府が「雇用保存」として推計している「企業内失業者(会社に雇用されて給料はもらってるけど、やるべき仕事が無い人)」が465万人いるので、これも失業率を8.5%上昇してしまう

日本の大企業は、終身雇用制を取り、政府の雇用規制や裁判所の判例も原則として社員の解雇を認めないので、工場閉鎖くらいの、のっぴきならない状況になるまで日本ではリストラができない。

大企業ばかりではなく、2008年には「雇用調整助成金制度」を大幅に拡大して、経営不振に陥った中小企業が経営不振を理由に、社員を解雇しないように、解雇しなければ3分の2の賃金を国が支給(2009年度支給総額は6500億円)しており、2009年には中小企業金融円滑化法の施行で借金のリスケジュールが容易になり、中小企業にもかなりの企業内失業者がいると思われる。

トドメに、生活保護受給者は毎年20万人近く増えており、今や214万人(2012年10月)となり、財政負担は3兆円を超えてしまった。

もしかしたら、日本の失業率は20%を余裕で超えているのかもしれない。
厚生労働省は、同じ税金を使ってやる政策なのに、自分がやりたくない政策の財源を「税負担」と呼び、やりたい政策の財源を「国庫負担」と呼んで、使い分けている。

「税負担」は国民にに嫌われるが、「国庫負担」と呼べば国民は騙されて喜んでしまう。

日本の霞が関文学は奥が深い。
消費税の増税理由を「社会保障に限定する」として増税が決まったが、そもそも、今でも消費税は、「高齢者3経費(基礎年金、高齢者医療、介護)」だけに使うことになっている。

内閣官房社会保障改革担当室の計算によれば、この高齢者3経費を現在の5%の消費税収入だけでは賄えておらず、2010年度で9兆6千億円不足、2015年度で13兆4千億円不足、2020年度は16兆3千億円不足する。

どちらにしても、今回の消費税5%アップで13兆5千億円税収を増やしたとしても、高齢者3経費の不足分の「スキマ」(財務省用語)を埋めるだけである。
消費税を1%引き上げると、税収が2億5000万円増える。

今回の消費税増税5%で、政府が見込む税収増は、13兆5000億円だが、2010年度の消費税収は10兆円しかない。

また、2012年度一般会計予算案の赤字は44兆3000億円なので、どちらにしても
まだ30兆円足りない。