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2015年7月7日火曜日

日本の米国債保有額は1兆2300億ドルであり、中国の1兆2400億ドルに次いで世界2位の保有国となっている。
年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)が運用する資金は137兆円に増え、2014年4月から1年間で9兆円の利益を出している。
この資金は民間企業のサラリーマン3000万人の老後の厚生年金である。
GPIFは2014年10月に日本株式比率を12%から25%に引き上げ、8兆円の日本株式買い余力が生まれた。
このGPIFに2015年10月に一元化されることになった国家公務員共済組合連合会(KKR)、地方公務員共済組合連合会(地共連)、さらに日本私立学校振興・共済事業団(私学共済)が日本株を買い支える。
KKRは2015年3月末時点の運用資産7.3兆円、ポートフォリオ(日本債券74%、国内株式8%、外国債券2%、外国株式8%、短期資産4%、不動産2%、貸付金2%)で運用されていたが、運用ポートフォリオの見直しにより、国内株式比率を25%とすると1兆8300億円まで引き上げられ、1兆2000億円の日本株買い余力が発生する。
地共連は、2014年3月末時点で運用資産19兆円のうち日本株式は16%の3.1兆円から、KKRと同じ25%に引き上げると1.7兆円の日本株買い余力が発生する。
私学共済は、2014年3月末の運用資産は3.8兆円のうち日本株式は10%の3800億円から、KKRと同じ25%に引き上げると6000億円の日本株買い余力が発生する。
単純計算で、日本株式には11兆円の巨大な買い余力が生まれたのである。
現在の日本株式市場にはクジラが5頭いる。
1頭目は年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)、2頭目は地方公務員共済組合連合など3つの共済年金で、3共済は2015年秋のGPIFへの運用一元化を控え、GPIFと同水準まで日本株式保有比率を高めている。
3頭目はかんぽ生命保険、4頭目はゆうちょ銀行、5頭目がETFを買い増している日本銀行である。
この5頭のクジラの日本株の買い余力は合計で27.2兆円(GPIF7.1兆円、3共済年金3.4兆円、かんぽ生命3.4兆円、ゆうちょ銀行10.3兆円、日本銀行3兆円)で、1千本弱の公募日本投信の残高は全部で19兆円だから、これらのクジラの影響力がいかに大きいかが分かる。

       資産規模  日本株比率  日本株組入れ目標
GPIF     137兆円   19.8%      25%
3共済      30兆円   10~15%     25%
かんぽ生命     83兆円     0.9%           -
ゆうちょ銀行  205兆円     0%       -
2000年の日経平均の銘柄入れ替えは、実際には225銘柄のうち30銘柄の入れ替えだったが、ボートフォリオ内容入れ替えに換算すると51.4%に相当する大規模な入れ替えとなった。
その為、日経平均連動型のインデックスファンドに大きな下方バイアスがかかって、インデックス投資家は一日で12~13%の市場全体の変動とは関係のない損失が発生した。
国内ETFは自分名義になるが、海外ETF(海外の証券取引所に上場しているETF)は、どこのネット証券で買っても自分名義にはならず、現地の保管銀行名義になる。
〇インデックス投資のバイブル
『ウォール街のランダム・ウォーカー(原著第10版)』バートン・マルキール
『敗者のゲーム(新版)』チャールズ・エリス

〇インデックス投資の参考図書
『全面改訂 超簡単お金の運用術』(山崎元)
『全面改訂 ほったらかし投資術』(山崎元、水瀬ケンイチ)
『最新 資産設計はポートフォリオてせ考える 投資信託35の法則』(カン・チュンド)
『新・投資信託にだまされるな』(竹川美奈子)
『しぶとい分散投資術』(田村正之)

〇インデックス投資の情報サイト
・モーニングスター
・わたしのインデックス

〇インデックス投資ブログ
 梅屋敷商店街のランデム・ウォーカー
 インデックス投資日記@川崎
 吊られた男の投資ブログ
 投資で手堅くLay-up!
 
インデックス運用は、市場平均(指数)に投資するので、個別銘柄選別をしない。
つまり、アクティブ投資家が発見した価格に、フリーライド(タダ乗り)しているとも言える。
アクティブ投資家からすれば、「そもそも株価というのは、アクティブ投資家が古部企業を一生懸命調べて、リスクとコストを背負いつつ、売買し勝負しているからこそ適正な価格が付くのであり、それにタダ乗りするインデックス投資家はけしからん」と考えている。
また、インデックスファンドは、信託報酬が安く、運用会社から見れば利幅が少ないのに、日本では市場規模も小さいため、運用会社によっては赤字事業の場合がある。
その赤字部分を、アクティブファンドの高い信託報酬や期間投資家向け投資顧問料などから補填しているという考え方もある。
つまり、個人のインデックス投資家は、高いコストを支払うアクティブ投資家や機関投資家に支えられて、低コストの運用を享受できているという一面がある。
インデックス投資において、「定額積立」は自動的に株価が低い時に多くの口数を買え、株価が高い時には少しの口数しか買わないことになるという理屈かある。
しかし、資産を取り崩す時には、その逆となり、ドルコスト平均法のような「定額」の解約をしてしまうと、株価が低い敵にはたくさん解約することとなり、自動的に資産の減少を早めてしまいかねない。
毎回5%取り崩すなど「定率」の解約であれば、株価が低い時には低いなりの金額しか解約しないので、資産の減少は抑えられる。
定年後に老後資金として定期的に取り崩すのであれば、定額解約よりも定率解約の方がよい事が多い。
資本主義の価格決定のメカニズムを考えると、経済が低成長あるいはマイナス成長であっても、株式投資は「リスクに応じて、それなりに儲かるはず」である。
株価は理論的には、将来の企業の利益を、リスクを考慮した利回りで現在価値に評価した割引現在価値の合計である。
従って、将来の利益成長が高い場合には、高い株価が形成され、低成長が分かっている場合には低い株価が形成されているはずなのである。
将来の収益率に大きな影響を与えるのは、高成長か、低成長かという「成長率の水準」てはなく、将来の成長率が予想よりも上ブレするか、下ブレするかという「変化」の動向である。