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2014年9月21日日曜日

静岡大学の湖東京至・教授の試算によると、日本の輸出企業上位10社の消費税の「戻し税」は下記とのことである。
<2009年 輸出企業上位10社の消費税還付金>
トヨタ自動車  2106億円
ソニー       1060億円
日産自動車    758億円
キャノン        722億円
東芝          721億円
本田技研      666億円
パソニック      648億円
マツダ         592億円
三菱自動車    412億円
新日本製鉄    339億円
合計         8024億円
これは消費税5%時の戻し税額であり、8%になると各社の輸出額が同程度の場合、上位10社だけで1兆円の戻し税となる。
消費税増税1%あたり2兆円の税収増といわれるが、増える6兆円のうち1兆円超を、輸出企業に「戻し税」という補助金を与えているのである。
輸出企業にとって、消費税増税は大歓迎なのである。
なぜなら、彼らにとって消費税とは、払うモノではなく、貰うモノだからである。
消費税は国内で消費されるモノだけにかかるという建前があり、輸出されるモノには消費税はかからない。
しかし、輸出されるモノは、国内で製造する段階で材料費の消費税を支払っている。
そのため、輸出される時に支払った消費税を還付するという「戻し税」が発生する。
この戻し税は、事実上の輸出企業への補助金となっている。
輸出企業の多くが力の強い大企業であり、下請け企業は価格に消費税を転嫁できていない。
つまり、輸出企業は製造段階で消費税を払ってないにもかかわらず、戻し税だけを貰っているのである。
「税金のかからない給料」の代表的なものは社員への家賃補助である。
家賃の全額を会社が払ってしまえば、給与とみなされてしまうため、社員が市場家賃の15%以上を負担する必要がある。
税金のかからない社員の負担額は、次の式で算出される。
・その年度の建物の固定資産税の課税標準額×0.2%
・12円×その建物の総床面積の坪数
・その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×0.22%
この3つの計算式で出された金額を足した額の「半額以上」を社員が負担していればよい。
この額が、ほぼ市場家賃の15%となる。
あまでも、会社が直接借りて、社員がそこに住む形式をとる必要があり、社員が直接、賃貸契約を結んではならない。
相続税を免れる方法で、最も手っ取り早いのは、遺産を配偶者(妻か夫)が全額もらうことである。
遺産を相続する人が遺産を残して死亡した人の妻もしくは夫であれば、1億6000万円までは相続税はかからない。
子供などの法廷相続人がいる場合、一度、妻が全部相続してら、時間をかけて毎年110万円づつ子供達に生前贈与をしていくのである。
110万円は贈与税の基礎控除なので、毎年110万円までなら、贈与しても贈与税はかからない。
この相続時の配偶者控除を受けるには、申告の際に戸籍謄本と遺言書の写し、遺産分割協議書の写しなど、配偶者が取得した財産がわかる書類を添えて提出せねばならない。
配偶者の場合、どだけ多額の遺産があったとしても、遺産の半分までは無税で受け取れる。
ED治療にかかった治療費も医療費控除の対象となる。
EDは医療的に病気として扱われ、治療の対象となっているからである。
ED治療を受診している人は増えているはずだが、税務署が広報しない為に、医療費控除の対象になる事はあまり知らていない。
ちなに、年間十数万円かかる禁煙治療の治療費も医療費控除の対象となる。
しかし、薄毛(AGA)治療については、東京国税局相談室への問い合わせでは、「現在検討中」とのことであり、いつ検討結果が出るのか一切不明である。
下記の一定の条件を満たせば、スポーツジムの会費も医療費控除の対象となる。
<医療費控除の対象となる一定の条件>
・高血圧症・高脂血症・糖尿病・虚血性心疾患などの疾病で、医師の運動処方箋に基づいて行われるものであること
・概ね週1回以上の頻度で、8週間以上の期間わたっておかなわれるものであること
・運動療法を行うに適した施設として厚生労働省の指定を受けた施設(「指定運動療法施設」)で行われるものであること
2014年現在、医療控除の対象となる指定運動療法施設は、全国に186か所ある。

公的な資格を持つ、整体師、鍼灸師の施術による、按摩、マッサージ、鍼灸などの治療費も医療費控除の対象となる。
また、下記の一定の条件を満たせば、温泉療養も医療費控除の対象となる。
しかも、温泉療養の場合、施設の利用料だけでなく、旅費や旅館の宿泊費なども医療費控除の対象となる。
<医療費控除の対象となる一定の条件>
・医師が温泉療養を病気の治療になと認めた場合(医師の承証明書が必要)
・厚生労働省で認められた温泉療養施設、スポーツ施設を利用した場合
2014年現在、厚労省が認めた温泉療養施設は20か所ある。

年収が同じでも賞与を厚くすると社会保険料の節約になる。
社会保険料は、賞与にもかかってくるが、その掛金には上限がある。
健康保険料は、賞与で年間540万円以上の部分については保険料はかからない。
厚生年金は、月150万円まてしかかからないので、賞与で150万円以上の部分については厚生年金はかからない。
例えば、年収1000万円の報酬をもらう場合、貰い方によって社会保険料が異なってくる。
・毎月均等にもらうと、健康保険料100万円+厚生年金170万円で社会保険料は270万円。
・300万円を毎月均等でもらい、700万円を1回の賞与でもらうと、健康保険料86万円+厚生年金77万円で社会保険協は163万円。
毎月の給与と賞与の割合については、法的な縛りはない。
ただし、厚生年金の支払いが少なければ、将来もらえる年金額も少なくなるので注意は必要である。
財務省付属の研究所である「財務総合政策研究所」の「法人企業統計調査」によると、企業の内部留保金(利益剰余金)」は近年増大している。
<企業の内部留保金(利益剰余金)の推移>
2003年 1,853,215億円
2004年 2,039,228億円
2005年 2,022,403億円
2006年 2,523,515億円
2007年 2,694,259億円
2008年 2,797,789億円
2009年 2,689,497億円
2010年 2,938,808億円
2011年 2,817,494億円
2012年 3,044,828億円
この10年間で、企業の内部留保金は1.5倍の300兆円と着実に増えている。
内部留保金とは、利益のうち、配当や役員賞与を支払った残りの金額であり、企業にとての貯蓄である。
問題なのは、日本企業の内部留保金の殆どが設備投資に回らず、現金預金で積み上げているだけで、手元資金(現金預金流動性有機証券)は200兆円を超えて、異常な多額となっていることである。
ちなみに、2009年のリーマンショク後の手元資金を確保していた2010年末時点でさえ、アメリカの企業の手元資金は、162兆円しかなかった。
アメリカては、この巨額な内部留保金が、アメリカ経済の雇用環境を悪くしていると指摘されていた。
日本のGDPの4割に当たる200兆円もの資金が、雇用を生む投資に回されずに、日本企業の手元で眠っているのてある。

財政金融統計月報第738号
大企業の税金の抜け穴の1つに「租税特別措置法」がある。
「租税特別措置法」とは、「特定の企業の税金を安くしてあげましょう」という制度である。
この租税特別措置法の代表的なものが2003年に導入された「試験研究費の特例」で、試験研究した企業はその費用の10%分税金を免除する制度である。
限度額その会社の法人税額の20%となっている。
試験研究費の範囲が非常に広いものだったので、大企業の殆どはこの試験研究費減税を限度額ギリギリまで受けることができた。
「試験研究費の特例」とは名ばかりで、事実上の「大企業の20%減税策」なのてある。
輸出企業の税金は非常に優遇されており、抜け穴が多い。
大手輸出企業は、海外現地法人を設立しており、現地法人が現地での製造・販売を担当している。
日本企業は現地法人の株を持っており、現地法人は日本企業の子会社である。
日本企業が輸出で稼いだ利益は、日本企業に直接送られるのではなく、現地法人の利益として計上される。
日本企業は現地法人から配当をもらう形で、収益を上げている。
この現地法人からの配当所得には税金は課せられないので、輸出して稼げば稼ぐだけ、税金は安くなるのである。
つまり、工場を海外に移転し、本社機能だけを日本に残すのが、最も税制上有利となるのである。
生産拠点の海外移転の増加は「円高によるもの」と理解されいるが、本質はこの税制度の影響が大きいのである。
財務省の「国・地方合わせた法人税率の国際比較」によると、日本企業はアメリカに次いで、高い法人税を課せられている事となっている。
<各国の法人税実行税率>
アメリカ 40.75%
日本   34.62%
フランス 33.33%
ドイツ  29.59%
中国   25%
韓国   24.20%
イギリス 23%
シンガポール 17%
法人税が高いから国際競争力が失われ、だから法人税を下げねばならないと、経済界も主張している。
しかし、これはあくまでも名目上の税率にすぎない。
日本の法人税には様々な抜け穴があり、実際の税負担率はかなり低い。
<主要日本企業の実質的な税負担率(2013年)>
   
   税引き前利益     納税額    負担率
丸紅     3665億円   7億円     0.2%
三井住友建設 1805億円   5億円     0.3%
伊藤忠商事  7838億円   187億円    2.4%
東芝テック  475億円    20億円     4.2%
三井物産   1兆785億円   683億円    6.3%
三菱商事   2兆2224億円   2272億円    10.2%
トヨタ自動車 5兆1783億円  13492億円   26.1%
いすゞ自動車 3496億円   378億円    10.8%
本田技研工業 1兆5686億円   3573億円   22.8%
利益上位100社 70兆0677億円 21兆6974億円 31.0%

国・地方合わせた法人税率の国際比較

日本では投資家に対する税金が著しく安い。
日本では配当所得は分離課税となっていて、ほかの所得税の税率よりも相当低く設定されている。
分離課税とは、他の収入と切り離して、配当所得だけを別に計算することである。
この分離課税の特徴は、いくら収入があっても税率が一定のままで高くならない。
つまり、配当所得は「収入が高い人ほど税金が高くなる」という所得税の累進課税ルールから除外されているのである。
2014年1月からの分離課税は20.315~20.42%となっている。
アメリカは現在一時的に、景気対策として分離課税になっており、最高14%となっているが、本来は総合課税であり、最高で50%近い税率となる。
日本では分離課税は一時的なものではなく、恒久的な制度である。
<主要国の株式配当の税率(上場会社配当金)>2010年7月現在
(財務省「主要国の配当課税の概要」)
ドイツ 10~42.5%
フランス 30.1%
イギリス 26.375%
日本   20.315~20.42%
アメリカ 6.7~14%

主要国の配当課税の概要

他の先進国と比較して、日本の所得税は安い。
<主要国の個人所得税の実質負担率(対区民所得比)>
(世界統計白書2012年版)
イギリス 13.5%
ドイツ  12.6%
アメリカ 12.2%
フランス 10.2%
日本    7.2%
先進国の所得税収の大半は、富裕層が担っている。
日本の国全体の所得税負担率か低いということは、日本の富裕層の税金負担率が少ないということである。
もし、日本の富裕層が他の先進国と同程度の税金を負担するならば、単純に考えても現在より、所得税・住民税を合わせて10兆円以上の税収が増える計算となる。
つまり、消費税を5%増税するのと同じ税収を得られることになる。
「消費税は社会保障費に全て充てられる」というはウソである。
そもそも消費税は、導入時から「福祉財源に充てる」として1989年に導入された。
しかし、消費税導入後の歳出歳入の流れを見れば、大ウソだったことが明確である。
消費税3%導入直後に、法人税と高額所得者の所得税が大幅に下げられ、消費税による増収10兆円は、法人税と所得税の減税分と同額だったのである。
また消費税が5%に引き上げられたのは1997年だが、その直後にも法人税と所得税が減税され、さらに大型の公共事業が予算計上された。
今回の8%への引き上げ時にも、復興特別法人税の廃止がまず最初に決定され、さらに法人税本体の減税が検討されている。
そもそも消費税は一般会計扱いなので、紐がついている訳ではなく、社会保障費だけに使用することはできない。
実際には、これまで社会保障費を賄っていた税収から、消費税に振り替えたに過ぎないのであり、消費税増税により社会保障が充実した訳ではない。