日本政府は2015年度に152.6兆円の新発債と借換債を発行し、日本銀行は、そのうち72%に当たる110兆円もの国債を購入する。
2015年6月、7月、8月に発効された30年物国債も、9月時点でその6割りを日銀が買い取っている。
つまり、現在の日本は「実質的な財政ファイナンス(政府の借金を中央銀行が紙幣を増刷して賄うこと)」により、財政破綻をどうにか回避しているのである。
黒田日銀総裁が掲げた「消費者物価指数(CPI)を安定的に2%にさせる」という公約が達成されれば、「異次元の量的緩和」を中止せねばならなくなる。
発行される国債の7割を買い取っている日銀というプレイヤーが国債市場から撤退すれば、市場では日本国債は暴落し、長期金利は急騰する。
暴落必須の市場において、現在の0.3%という低金利で日本国債を購入するプレイヤーは存在しないので、入札で日本国債は売れ残り、日本政府は資金繰り倒産する事になる。
そういう意味ではCPIの2%達成は日本にとって非常に重要なイベントとなるし、CPIが2%になる以前に、市場はこれを意識し始めるだろうから、XデーはCPIの2%達成以降と安心しない方がよい。