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2015年11月20日金曜日

日本政府は2015年度に152.6兆円の新発債と借換債を発行し、日本銀行は、そのうち72%に当たる110兆円もの国債を購入する。
2015年6月、7月、8月に発効された30年物国債も、9月時点でその6割りを日銀が買い取っている。
つまり、現在の日本は「実質的な財政ファイナンス(政府の借金を中央銀行が紙幣を増刷して賄うこと)」により、財政破綻をどうにか回避しているのである。
黒田日銀総裁が掲げた「消費者物価指数(CPI)を安定的に2%にさせる」という公約が達成されれば、「異次元の量的緩和」を中止せねばならなくなる。
発行される国債の7割を買い取っている日銀というプレイヤーが国債市場から撤退すれば、市場では日本国債は暴落し、長期金利は急騰する。
暴落必須の市場において、現在の0.3%という低金利で日本国債を購入するプレイヤーは存在しないので、入札で日本国債は売れ残り、日本政府は資金繰り倒産する事になる。
そういう意味ではCPIの2%達成は日本にとって非常に重要なイベントとなるし、CPIが2%になる以前に、市場はこれを意識し始めるだろうから、XデーはCPIの2%達成以降と安心しない方がよい。
2005年12月8日に東証マザーズに新規上場したジェイコム(現・ジェイコムホールディングス)の株式取引で、取引開始約30分後発行済み株式数の42倍という大量の売り注文が入りストップ安を付けた後、今度は逆にストップ高まで上昇した。
みずほ証券が「61万円1株売り」とすべき注文を「1円61万株売り」と誤注文して、400億円以上の損失を出し株式市場を混乱させた、いわゆる「ジェイコムショック」の時に、ひとりで20億円儲けた伝説の無職トレーダーがいた。
ちなみにこの時に、一番儲けたのはスイス最大手の投資銀行のUBSで、120億円を一瞬で稼いでいる。
これだけの大量の株を買うのは、トレーダーのシステムのリミットを超えてしまうので、当時は香港のトレーダーも動員して、社員総出で買いまくったそうである。
このUSBだが、この4年前の2001年11月に電通の新規上場で、ご発注をして数億円の損失を出していた。
この時は「61万円で16株」とすべき注文を「16円で61万株」で売り注文を出してしまい、みずほ証券のミスと数字が似ている。
ちなみに、東京のUBS証券はみずほ証券と同じビルの大手町「ファーストスクエア」に入っている。
よく金融機関は、政治家から「貸し剥がし」と言われて非難されるが。
しかし「貸し剥がし」とは、企業が借りていた融資の満期が来て、普通はまた同じ条件で銀行が貸してくれるのだが、この満期でもう融資を全部返してもらって、次は融資をしないという事である。
つまり、いきなり借金を返せと会社から取り上げるのではなく、あくまで契約通りに満期まで融資をして、「借換えはもうできないよ」というだけなのである。