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2015年2月14日土曜日

顧客名簿の歴史を遡ると、2つの業態にたどり着く。
1つは、江戸時代の呉服屋で、店が火事になったら、大福帳を井戸に投げ込んで逃げ、まずは大福帳を守る。
大福帳は特殊なコンニャクで作った紙を使っており、墨で書かれた文字が水につけてもにじまない。
火事がおさまったら、大福帳に記載された取引先に挨拶回りをすることで、商売を再開できる。
呉服が燃える損失よりも、顧客データベースの焼失の損害の方が計り知れないことを商家は知っていた。
もう1つは、富山の薬売りで、薬を売った先の名簿「懸場帳(かけばちょう)」を持っている。懸とは配置を意味する。
懸場帳は、薬売りが引退する時に売買されるが、その売買金額は次の計算方法となっている。
まず過去の売上から推定される年間売上額に、既に置き薬として置いている薬代を加算して、そこから1年以上訪問していない不廻りを減算して、集金可能額を出し、それに2割から最大5割の暖簾代を計上した金額を売買代金とし、その金額は現在の数千万円に当たる。
懸場帳を新たに項にゆうした薬売りは、顧客名簿を引き継いで、すぐに商売が始められる。
財閥系、鉄道系を除く、全てのディベロッパーは、10年でランキング10から消え去り、20年で全て倒産している。
一昔前の「先物取引」の恐ろしさは、カネを巻き上げられて1円も無くなって困り果てた客に、親族、知人などから返済の目処の立たない借金をさせて回らせ、更に深見に突き落とされる点である。
つまり、「被害者が気づいてみれば加害者に仕立て上げられてしまう」構造によって、単に金銭的な被害の拡大だけでなく、人間関係の荒廃が同時に進行していくところにある。
無知は罪なり、知は空虚なり
By ソクラテス
学校で生徒全員に同じ制服を着させることの意味は、家庭の経済状態を感じさせないための配慮である。
私服だと、いつも同じ服を着て学校に行くわけにはいかず、自然とその家の経済状態が明らかになってしまう。
制服を着ることは没個性という人があるが、制服着用によって、世の中の価値基準を学校に持ち込まないで、裕福な家庭の子も貧乏人の子も平等に勉強に集中でき、学校生活を過ごすことができる。
1961年4月から1982年3月までNHK教育テレビで放送されていた、小学校2年生向けに「働くおじさん」という社会科番組があった。
タンちゃんとペロくんという犬のコンビが、気球に乗って望遠鏡で街を覗いて、そこで発見した製造業系の工場現場を毎週見学する。
この社会見学は、「働かされるおじさん」は教えるが、「働かせるおじさん」の側について解説されることはない。
世の中は「働されるおじさん」と「働かせるおじさん」がいて成り立っているが、この番組で取り上げられるのは、いつも「働かされるおじさん」であった。
子供に労働者になることの素晴らしさを教える番組だった。

はたらくおじさん