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2017年2月14日火曜日

国民年金には減免措置がある。
年金保険料を支払えない場合は減免申請をしておくことで、障害を受けた際に、障害年金(1級は月額8万円程度、2級は月額6万円程度)の受給権を得られる。
さらに減免期間は、その期間全てが年金加入期間に算入されるメリットもある。
このため、単に支払をやめるのではなく、この減免申請をしておくべきである。
この情報は十分に告知されていないので、無理して国民年金保険料を支払っている若者が多い。
生活保護制度は、①生活扶助、②住宅扶助、③医療扶助、④教育扶助、⑤介護扶助、⑥相殺扶助、⑦生業扶助、⑧出産扶助の8つの扶助をセットで提供する救貧制度である。
原則として、家賃だけ補助してほしい、医療費だけ補助してほしいという性質の精度ではない。
生活保護は「救貧措置」であり「防貧」手は観点が欠落している点に問題がある。
つまり、現在、生活費の一部を貯蓄から賄っていて、あと数年で資産が確実に失われると分かっている状態であっても「資産がまだある」という理由で生活保護を受給ではない。
だから究極的には、資産が全て無くなるまで我慢して、最終的に無一文になった状態になってから、生活保護申請窓口に出向くことになる。
より生活保護を受給しやすくするには、生活保護制度を分解し、社会手当化していく必要がある。
厚生労働省では生活保護の要件として、「世帯単位で行い、世帯員全員がその利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまち、扶養義務者の扶養は生活保護法による保護に優先」するとしている。
生活保護を受けるためには、月々の収入が最低生活費を下回っている必要がある。最低生活費については、各地方自治体のWebサイトに掲載されている「生活保護基準額表」に書かれている。
資産の活用について誤解されやすいが、生活に利用している土地や家屋などを手放す必要はない。車についても仕事で私用していたり、通勤・通院に必要不可欠と認められた場合は所有が認められる。処分価値より活用価値が高い資産については、原則として保有が認められている。
貧困ビジネスのなかでも、特に問題視されているのが「無料低額宿泊所」である。
無料低額宿泊所とは、社会福祉法第2条第3項に規定されている第2種社会福祉事業第8号にある「生計困難者のために、無料又は低額な料金で、簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の使節を利用させる事業」である。
簡単にいうと、住む家のない生活困窮者に一時的に安価に利用できる部屋を提供する事業者を指す。
この宿泊所は、届出をするだけで、誰でも比較的観点に開所できるため、様々な事業者が参入している。
悪徳事業者のやり口は実に巧妙で、病院から退院しても変える場所がないホームレスに声をかけて、生活保護申請を手伝い、その生活保護費の8割を「利用料」として徴収している。
銀行口座を管理されているため、脱出したくてもそのための資金を貯めることができない。
なかには、福祉事務所が、相談に来た人々をこのような宿泊所に紹介している事例も多く、利用者は年々増えている。
内閣府の「平成26年版高齢社会白書」によると、65歳を超えても働くことを希望する事の合計は50.4%と半数におよび、働く事を希望する理由については「生活費を得たいから」が76.7%と最も多い。
また、総務省統計局の「統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)」(2014)によると、各国の高齢者の就業率は以下の通りとなっている。
日本   20.1%
アメリカ 17.7%
カナダ  12.5%
ロシア  11.0%
イギリス  9.5%
ドイツ  5.4%
イタリア 3.4%
フランス 2.2%
実際に、働く高齢者の割合は増え続ける傾向にあり、2014年時点で、高齢者の就業者数は681万人と過去最多を記録している。
25年前と比べ、高齢者の就労人数はほぼ倍増している。
また総就業者数に占める高齢者の割合も10.1%と、こちらも過去最高を記録している。
我々日本人の老後は働かなければ暮らしていけないように、確実に変化している。
生活保護費の全体予算は2014年は4兆円だったが、そのうち約半分の2兆円は医療扶助費となっている。
医療費を抑えるには初期治療が欠かせないが、低所得高齢者の多くが市販薬などで我慢してしまい、最終的に重篤化してから受診する事が多い。
その際にかかる莫大な入院費や手術費は、生活保護費の予算から捻出されることになる。
これからの日本社会には、もはや中流は存在しない。
いるのは「ごく一握りの富裕層」と「大多数の貧困層」の2つであり、日本全体が緩やかに、しかし確実に貧困に足を踏み入れていく。
2014年5月に、OECDは「過去30年間における上位1%の所得割合いの推移」を発表した。
これによると、上位1%の人達の所得割合は、1981年と2012年を比較した時、アメリカは8.2%から20%に、日本は7.5%から10%に上昇している。
つまり、アメリカでは全労働者の所得のうち、上位1%の人々がその20%を、日本では10%を独占しているということである。
一方で、アメリカでは下位10%の人達の収入額は2000年からの8年で約10%減少したことも指摘されている。
つまり、双方向のベクトルで経済格差が広がっているのである。
厚生労働省の「平成25年人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、20年以上連れ添った熟年夫婦が離婚する件数は、1985年は2万434件だったが、2013年には3万8034件と大幅に増加している。
この驚異的な数字は、女性が経済的に自立しやすくなったこともあるが、これまでやむを得ず押し殺してきた夫に対する不満が、子育てをひと段落した高齢期に一気に噴出した結果とも言える。
厚生労働省が発表している日本の総労働人口統計によると、平成26年時点で全労働者の37.4%が非正規雇用となっている。
正社員として働く機会が与えられない「不本意非正規」と呼ばれる人々の割合は、非正規労働者全体の19.2%におよぶ。
また、2013年の厚生労働省「賃金高層基本統計調査」では、20~64歳で得られる賃金を計算すると、正規雇用で2億2432万円、非正規雇用では1億2104万円となり、その差は1億328万円もの開きがある。
「同一労働・同一賃金」が訴えられているが、正規と非正規では大きな賃金格差があることは明らかである。
高齢者世帯の相対的貧困率は一般世帯よりも高い。
内閣府の「平成22年版男女共同参画白書」によると、65歳以上の相対的貧困率は22.0%である。
さらに高齢男性のみの世帯では38.3%、高齢女性のみの世帯では52.3%にも及ぶ。
つまり、単身高齢者の相対的貧困率は極めて高く、高齢者の単身女性に至っては半分以上が貧困下で暮らしている状況なのである。
厚生労働省の調査では、2013年に一人暮らし高齢者のうち半数近くが年間収入150万円未満であり、高齢夫婦のみの世帯でも7世帯のうち1世帯は年間収入が200万円未満である。
「高齢者はみな金持ち」というイメージは明らかに誤りと言える。


田中角栄ブームに乗って角栄論が多く出版されているが、最近刊行された角栄論の中では、石井一の『冤罪』が最も優れている。
石井一氏はスタンフォード大学大学院で修士号を取得しており、英語が非常に堪能で、アメリカ側の資料にもあたっている。
この本の結論は、次の箇所となる。
「ロッキード社は民間機だけでなく軍用機を製造し、特にP3Cの日本への売り込みが日米間の某域インバランスをただすための最重要課題だと言われていました。また、金額的にはトライスターよりP3Cの方がはるかに大きかったのですが、P3Cを取り上げるとなると、日米間の防衛汚職として、両国の安全保障体制を揺るがす大スキャンダルに発展する恐れもあり、これらについては一切触れないということになりました。
 したがって、陰のフィクサーとして動き、巨額な金員を手にした児玉誉士夫や小佐野賢治に対しても、当時噂されていた中曽根康弘ほか灰色高官とされた13名に対してもP3Cに関しては一切立件せず、焦点を合わせるのは田中とトライスターのみに絞って日米両国が立件に乗り出したのです。
 米国の大きな計画がなければ、ここまではできなかったし、日本の総理大臣が三木でなかったら、そこまでの広がりもなかったと思います。いわばキッシンジャーの陰謀と三木の怨念というものの利害が一致し、田中に対しての陰謀が実行されたと言っていいかと思います」
つまりロッキード事件とは、本来、旅客機のトライスターではなく、対潜哨戒機のP3Cオライオンを巡る汚職だったのに、その点は伏せて「P3C(中曽根康弘)」を「トライスター(田中角栄)」に入れ替えて立件した事件(冤罪)だった、と書いている。

冤罪