Amazon

2015年12月16日水曜日

投資資金を複数の異なった資産に配分して運用することをいう「アセットアロケーション」という考え方は良く知られている。
しかし、税制も考慮して効率的な資産の配置を考える「アセットロケーション」の重要性についても認識しておく必要がある。
利益確定時に差し引かれる税金(投資運用収益の税率は20.315%)というコストが少なければ、手元に残せるお金は増えるからである。
確定拠出年金(DC)や少額投資非課税制度(NISA)などの制度が拡充されていくにつれて、資産運用をする上でアセットアロケーションとアセットロケーションを組み合わせて考える必要がある。
投資信託は、基準価額が2万円を超えてくると、急激に資金流入のペースが落ち、売りにくくなるという。
つまり、多くの人が基準価額の高い投資信託は割高で買いにくいと思ってしまっているが、明らかに誤解である。
投資信託は設定する時に1万円をスタートにしているため、設定する時期によって現在の基準価額の水準は大きく変わってくるのである。
例えば同じ日本株に投資する投資信託があって、現在の日経平均株価が1万8000円だとすると、日経平均が1万2000円の時に設定された投資信託の現在の基準価額は1万5000円となり、日経平均が2万円の時に設定された投資信託の現在の基準価額は9000円となる。
さらに基準価額は、分配金の支払方法によっても変わってくるので、異なる投資信託の基準価額の水準を比べても意味はない。
金融商品の運用コストに無頓着な人が多いが、コストを節約することは自分の努力で運用パフォーマンスを上げることができる唯一確実な方策である。
投資信託の運用管理費用は年率だから、保有期間に関係なく決められた料率のコストが毎年かかる。
従って投資信託で長期運用する際に影響が大きくなるコストは運用管理費用となる。
例えば、運用管理費用が異なる2つの投資信託を同じ1000万円で10年間、運用利回り5%、1年複利で運用した場合の手取りは以下の通りとなる。
Aファンド 運用管理費用 年2%  1000万円→1343万9163円
Bファンド 運用管理費用 年0.5% 1000万円→1552万9694円
このように年1.5%のコスト差が、10年間の運用で200万円もの差を生む。
しかも、この200万円は運用の成果の差ではなく、金融機関に少しづつ支払った運用管理手数料の差なのである。
規正緩和によって銀行は様々な保険商品を販売できるようになった。
保険商品は、投資信託よりも販売手数料率が高いため、より効率的に収益を稼ぐことができる。
例えば、保険料一括払い、つまりまとめて保険料を支払うタイプの生命保険の場合、銀行が受け取れる販売手数料は4~8%が当たり前なのに対して、投資信託の販売手数料は2~3%程度しかない。
1000万円を運用する場合、投資信託を進めると手数料額は20~30万円程度だが、保険料一括払いの生命保険だと40~80万円の手数料が取れることになる。
相続、退職金などで一度に大きな額のお金が入った時は、銀行からずくに連絡が入ってくるが、金融機関の営業は金融商品を販売するプロであって、資産運用のアドバイスをするプロではない事をよく認識しておく必要がある。