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2015年7月3日金曜日

外交官の世界には厳格な序列がある。
まず大使館のトップは全権特命大使、その次が特命全権公使、次に公使、参事官、一等書記官、二等書記官、三等書記官と続いて、最後の副理事官まで細かいランクがある。
同じランクの人は着任順で上下が決まり、同日の着順ならば着任の申告をした時間の早い方が上になる。
なぜこれほど上下関係をはっきりさせるかというと、軍隊と同じで、その方が命令が迅速に行き渡り、速やかに実行できるからである。
軍隊のように生死に直面する厳しい組織では上下関係が厳格で、外交の世界も諸外国との交渉という一種の戦闘状態であるので、必然的にそうなるのである。
ちなみに、外務省では一番下の「副理事官」の肩書だが、法務省や警察の場合だと「理事官」という肩書は課長と同クラスの立場である。
総務省の労働力調査(2014年4~6月)によると、非正規労働人口は36.8%で、労働者の3人に1人以上が非正規労働者になっている。
厚生労働省の調査によると、うつ病や双極性障害(いわゆる躁うつ病)という気分障害の患者は1996年が45万人だったのに対して、2011年は100万人と、ここ10年程度で倍以上に増えている。
日本人の4人に1人が何らかの形で、一度は抗うつ症状になると言われている。
米ハーバード大学で、かつて同大学の学生だった約300人を75年間追跡調査をした結果、60歳くらいの年齢になると、マザコンの傾向のある男性の方が、そうでない男性より平均して9万ドルも年収が高かったという。
親の無償の愛に何とか応えたい、報いたいという思いが強いモチベーションになり、結果として社会的に成功することができたと分析されている。
外交の文書では、失言が無いようにするために独自の言い回しがある。
例えば宣戦布告は、相手に直接「戦争するぞ」とは言わず、「我々は貴国に対して自由行動をする権利を留保する」と言い方をする。
外交の世界で、「自由行動をする」というのは「戦争」を意味する。
また、どこかの国の要請を拒否する時は、「要請に応じられない旨、通報する光栄を有する」と、ストレートに「要請を拒否する」などとは言わない。
2013年12月、大きな反対運動が起こることなく特定秘密保護法が可決、公布された。
この法律こそ国民の基本的人権と表現の自由をないがしろにする可能性のある、まさに天下の悪法である。
同法は日本の安全保護上、特に秘匿すねことが必要なものを「特定秘密」として指定し、取扱者を制限して、その漏えいを防止する法律である。
悪法の理由は、第一に国民の知る権利を著しく損なう可能性があり、何を「特定秘密」とするのか、その時にならないと分からない曖昧さがあり、また「特定秘密」とされた事項に関しては、条件付きとはいえ通算で30年まで情報が秘匿される。
場合によっては60年まで延長が可能で、そうなると生涯にわたって知ることができない情報も出で来ることになる。
また、国民に対する直接の情報秘匿も大きいが、立法府、国会や国会議員の権限が縮小される恐れがある。
特定秘密は各行政府の長である大臣などが指定することになっているが、重要な情報が行政主導で握られてしまい、肝心の情報が国会や国会議員に上がって来なくなり、議会で議題に取り上げれなくなる事も有りうる。
これは議会制民主主義の危機であると同時に、立法府に対する行政府の優位性、つまり議員に対する官僚の優位性が鮮明化することになり、直接的にも間接的にも国民の権限を大きく損なう可能性が高い法律なのである。
第二の問題点は、特定秘密を取り扱う者に対する適性評価の実施である。
国家はその特定秘密を国家公務員の誰かに取り扱わせる場合、その人物の適正を調べることができるとしている。
過去の問題行動の有無、犯罪歴・薬物使用の有無、経済的状況、配偶者の過去までプライバシーの詳細が調べられる。
既にチェックシートが各省庁に存在しており、それに基づいて警察が具体的に調べることになっている。
日本は先進国の中で、特異な警察国家になってしまう可能性さえある。
人間はイヤなシナリオは知りたくないし、最悪の場面を描くことを避けたいと思うものである。
第二次世界大戦中の日本の軍部も、まさに根拠のない楽観論にとらわれていた。
敵の実力を見ないようにして、自分達の力を過大評価していた。
日本海軍は大きな作戦を実行する前に図上演習を行い、作戦の成否をシミュレーションしていた。
図上演習とは、ドイツから導入された作戦シミュレーションで、敵味方の戦力を数値化し、サイコロを振って発生確率を決定しながら図上で作戦を進行し、勝敗を予測する方法である。
ミッドウェー作戦の少し前、連合艦隊司令長官や各策謀が集まり図上演習をしたところ、結果はアメリカの空母が日本軍を待ち伏せし、日本空母4隻のうち2隻が炎上沈没、アメリカの勝利となっていた。
しかし、図上演習をしていた参謀達は、「そんなはずはない」「演習が間違っている」「大和魂で頑張る」とアメリカ軍の能力を低い値に修正して、もう一度演習を行い、なんとか作戦が成功するように持って行ったが、こんな演習は実践では役に立たなかった。