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2015年7月3日金曜日

人間はイヤなシナリオは知りたくないし、最悪の場面を描くことを避けたいと思うものである。
第二次世界大戦中の日本の軍部も、まさに根拠のない楽観論にとらわれていた。
敵の実力を見ないようにして、自分達の力を過大評価していた。
日本海軍は大きな作戦を実行する前に図上演習を行い、作戦の成否をシミュレーションしていた。
図上演習とは、ドイツから導入された作戦シミュレーションで、敵味方の戦力を数値化し、サイコロを振って発生確率を決定しながら図上で作戦を進行し、勝敗を予測する方法である。
ミッドウェー作戦の少し前、連合艦隊司令長官や各策謀が集まり図上演習をしたところ、結果はアメリカの空母が日本軍を待ち伏せし、日本空母4隻のうち2隻が炎上沈没、アメリカの勝利となっていた。
しかし、図上演習をしていた参謀達は、「そんなはずはない」「演習が間違っている」「大和魂で頑張る」とアメリカ軍の能力を低い値に修正して、もう一度演習を行い、なんとか作戦が成功するように持って行ったが、こんな演習は実践では役に立たなかった。

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