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2015年3月29日日曜日

過去20~30年のデータを取ってみると、プライマリーバランスは1年前の経済成長率で決まっている事が分かる。
1年前に経済成長をすると翌年の税収が上がる。
つまり、名目成長率が高いと翌年の税収が上がり、プライマリーバランスが改善され、財政再建ができるのである。
よって、「財政再建には増税しかない」というロジックは間違っている。
増税すれば可処分所得が減り、需要が減ることになり、経済成長率が下がってしい、財政再建を妨げる要因となる。
欧州中央銀行(ECB)が名目金利を「マイナス金利」にせざるを得なかったのは、彼らが予想インフレ率を高めることができないからである。
マネタリーベースを増やせば、予想インフレ率は高まるが、ECBはマネタリーベースを増やすのが難しい。
多くの国の連行体であるEUは、統合通貨「ユーロ」を作ったが、財政政策は各国ベースで行われており、国債も各国が独自に発行している。
通常、中央銀行がマネタリーベースを増やす時には、市場から資産を買い上げる。
国債などを市場から大量に購入することでマネーの量を増やすのである。
ところが、ECBの場合、どの国の国債を買うのかを決められない。
どの理事も自国の国債を買うよう主張するので、結局、どの国の国債も買えずに量的緩和ができない。
その結果、ECB自体の制度的な限界が原因で、名目金利がマイナス金利ということになるのである。