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2017年7月7日金曜日

目標を首尾良く追求するのには自制のスキルが欠かせないが、私たちに方向性や動機付けを与えてくれるのは、目標である。
目標は、人生に対する満足感の重要な決定要素で、人生の初期に選んだ目標は、私たちが達成するのちの目標と、自分の人生について覚える満足感の両方に、驚くほどの影響を与える。
人生の物語を推し進める「目標」は、どのように形作られたかには関係なく、その目標を達成しようとするときに必要な「実行力」に劣らず重要となる。
誘惑に耐え、つらい情動を調整する能力がほかの人よりも優れている人達がいる。
こうした違いが就学前という早い時期から明らかになり、全員ではないにせよ、殆どの人で長年変わることがなく、その違いによって心理的、生物学的にどのような結果がもたらされるのかを障害に渡って十分に予想できる。
意志の力は生まれ持った特性で、十分に持っているか持っていないかのどちらかで、どうにもならないという従来の考え方は間違っている。
認知と情動の両面における自制のスキルは、必要な時にそれを自発的に活性化できるように、身に着けることも高めることも役立てることも可能である。
これを人よりたやすくできる人達がいる。
たとえ生まれつき自制するのが得意あるいは不得意だとしても、私達は自分の自制のスキルを磨くことができるし、子供達がそうするのを助けることもできる。
研究者のトマ・アステブロが、血気盛んなイノベーターが発表した1100近い新発明の運命を調べると、市場まで行き着いたのは、そのうち1割に満たず、しかも市場に出たものの6割が赤字になっていた。
これらのイノベーターの半数は、自分の発明が市場で間違いなく失敗に終わることを予想するネガティブな客観的批評を受けて発明を取り下げたが、残る半数のうち47%の人はそのまま突き進み、当初の損失が倍増した時点でようやく諦めた。
とはいえ、1100の発明のうち、6つが大成功を収め、1400%を超える利益をもたらした。
不屈の楽観主義者がひと山当てようとクジを買い続けるのも、この種の当たれば高額ではあるが極端に確率が低くて予測不能な見返りのせいである。
さらに楽観的な起業家やイノベーターに、次に億万長者になるのは自分だという希望を抱かせれば、何千時間となく働き続けさせることもできる。
〇西武信用金庫の業績(2017年3月期)
貸出金 1兆4470億円(前年比1970億円増) 全国264信金中2位(1位は城南信金)
預金  1兆7490億円(前年比1054億円増) 全国264信金中3位
預貸率  82.87% 信金平均は約50%
不良債権率 1.32%  信金平均は4.8%
当期準利益 61億75百万円
店舗数 75支店
ノーベル経済学賞受賞者で、心理学の分野のダニエル・カーネルマンは、「できると思う!」という楽観主義者が自分の人生や、彼らを他よりとしている人達の人生を台無しにするのが珍しくないという奇妙な事態を紹介する文献を精査した。
その結果、個人あるいは組織が重大な危険を進んで冒すときには必ず、楽観バイアスが一定の割合を果たしている。
危険を冒す人はたいてい、自分が直面する危険の確率を過小評価し、その確率を突き止めるために十分な努力を注ごうとしない、と指摘している。
さらに、楽観主義は今を目一杯生きることを熱望する熱狂的な投資家や精力的で勤勉で勇敢な起業家を生み出すものの、彼らの自信は妄想も育て、危険を軽視して多大な犠牲を払う羽目になる道を彼らに進ませもいるという、強力な証拠を示している。
「自社と同様の企業」が成功する確率を聞かれたアメリカの起業家の3分の1は、自分なら失敗する可能性はゼロだと答えた。
実際にはスタートアップビジネスがアメリカで5年間生き延びる可能性は、35%にすぎない。
楽観的な起業家は、過剰な危険を冒して不合理な賭けをする可能性が高いが、他人ではなく自分の資金を使う時であるのが、せめたもの救いと言える。
拒絶された体験を私達が身体的な苦痛のように感じる時、それはメタファーではなく、傷ついた心や情動的な苦痛は、本当に身体的なかたちで痛いのだという。
胸が張り裂けるうな悲しみをはじめ、拒絶や排除の数知れない形態に対処するのに、痛み止めの服用が役に立つという。
胸が張り裂けるような悲しみを味わったばかりの友人から深夜に寄せられた訴えに対し、つけない回答ではあるが、「アスピリンを2錠飲んで、朝に成ったら電話をしてくれ」というのは、研究にしっかり根差したベストアンサーとなる。
また、拒絶された痛みを感じている時には、自分がずっと変わらずにしっかりと愛着を抱いている人の事を考えるとよい。
自分が深い愛着を抱いている人、自分が愛しており、相手も自分を愛してくれている人について考えれば、痛みを克服しやすくできる。
ただし、この対処法は人生で既に他の人をしっかりと愛着を抱いている人々に最も有効だが、愛着ゆ緊密な関係を避ける人については、それほど上手くいかない。
成功に対してより大きな期待を抱く子供は、新しい課題を与えられても、既にそれで成功したことがあるかのように、自信を持って取り組む。
彼らはしくじるとは思っていないので、それに立ち向かうことを望み、進んで失敗の危険を冒す。
彼らの見通しは、ただの夢想以上のものであり、過去に積み重ねた成功体験に基づいている。
それまでの成功が彼らのポジティブな期待を膨らませ、それが今度は更なる成功の可能性を高める行動や態度を奨励する。
それらが全て合わさって、楽観主義者をなお一層微笑ませる結果を生むことになる。
自分の行動によって結果はコントロールできると考える度合いの大きい子供ほど、マシュマロ・テストで欲求充足を先延ばしにしたり、自分の衝動的な傾向をコントロールしたり、望んでいる結果に行きつくために自分の行動が役立つ妻妻な状況で粘り強く取り組んだりする可能性が高かった。
彼らは自分にはれができると信じており、実際にされをやってのけた。
自分はできる(努力できるし、粘り強く取り組めるし、ポジティブな結果を生み出す行為者たり得る)という子供の自己認識は、成功を助ける自制スキルによって育まれる。
幼い頃に、より効果的に待って、より多くのお菓子をもらうために頑張れるほど、また、そうした成功を可能にする認知的スキルや情動的スキルが優れているほど、「そう、私はできる!」という感覚を伸ばし、新たなより困難な課題に立ち向かう準備ができる。
やがて、自分には物事をやってのける力があると自覚する経験と、新たに身に着けるスキルそのものが報酬となり、その活動自体から満足が得られるようになる。
子供の自己効力感や主体性の感覚は、成功経験に根差したものとなり、現実に基づく楽観的な見通しと抱負につながり、一回成功するこどに詐欺の成功の可能性が高まる。
マシュマロ・テストで、未就学の時に欲求充足を長く先延ばしできた子供は、25~30歳くらいの時の自己申告によると、長期的目標の追及とたっせてが得意で、沽券な薬物はあまり使わず、既に高い教育水準に達し、肥満指数が大幅に低かった。
彼らはまた、対人関係の問題に取り組むにあたって、立ち直りが早く、適応性があり、緊密な関係を袂のが上手だった。
「マシュマロ・テスト」は、スタンフォード大学ビング保育園の「サプライズ・ルーム」で1960年に始まった。
研究費をまかなうための最初の補助金申請では、「キャンディ会社に申請してはどうか」という提案付きで連邦の担当機関に却下されたという。
研究方法は単純だが、研究者たちは信じられないほど長たらしい学術名称をつけた。
「先延ばしされたものの、より価値のある報酬のために、未就学児が自らに課した、即時の欲求従属の先延ばしパラダイム」
数十年後、あるコラムニストにこの研究を発見してもらえ、「マシュマロ公共政策」という題で『ニューヨーク・タイムズ』紙で取り上げられた事で、マスメディアから「マシュマロ・テスト」と名付けられ、この呼び名が定着したという。